こんにちは!広報グループインターンの小板橋あや乃です。先日、立命館大学のフェアトレードをテーマにした講義に参加させていただいたので、その様子や感想をまとめました。 この講義では、シャプラニールの坂口和隆代表理事がゲストスピーカーとして招かれました。坂口代表理事は今年9月末まで日本フェアトレード・フォーラム事務局長としての業務を行っているほか、「フェアトレードむさしの」のメンバーとしての活動にも力を注いでいます。今回はその豊富な経験を活かし、立命館大学の学生への講義、そして意見交換を行いました。 本講義では、冒頭に日本国内のフェアトレードの動きについて、次に「フェアトレードタウン」の紹介が行われました。最後には立命館大学の学生から質問を受け付け、活発な意見交換がされました。 シャプラニールのフェアトレード活動「クラフトリンク」はバングラデシュとネパールで作られた製品を通して、生産者の生活向上を目指す取り組みを長年続けてきました。私自身フェアトレードについてまだまだ勉強中ですが、これを機会にもっと学びを深めたいと思いました。今回は、本講義で学んだ日本ならではのフェアトレードの特徴や、現在の動向について皆さんにも共有いたします! 日本国内でフェアトレードを行う意義 皆さんは「フェアトレード」と聞くと、何を思い浮かべますか? 私は、「途上国の貧しい女性が、生計を立てるために作っている手工芸品を購入すること」、「児童労働と関わりがないこと」や、「賃金が正当に払われている生産者から物を買うこと」などを思い浮かべました。 もちろんこれらも社会に良い連鎖を起こすことができる素晴らしい事業ですが、日本国内でのフェアトレードの取り組みには、地産地消まちづくり環境などにも配慮し、地域活性化にも貢献することができるといった、先進国である日本特有の目的もあるそうです。 そして、皆さんはどのように「フェアトレード」製品だと認識していますか? 一般的に製品が国際的なフェアトレード基準を満たしたということがわかるように、フェアトレード認証マークがあります。例えば、 ・WFTO(世界フェアトレード機関) の国際基準を満たすと製品にフェアトレード認証マークを付けることができます。 また、 ・FI(国際フェアトレードラベル機構) の基準を満たすと、その製品を生産している団体に対して認証マークの掲載が認められています。 そして、日本には、 ・日本の地域とフェアトレードタウン* などが独自の基準を制定し、適切を認められた場合、フェアトレード製品と認めるという独自のカテゴリーも存在しています。このことからも、日本国内のフェアトレードの取り組みにも注目が集まっていることがわかりますね。 フェアトレードの根幹に立ち戻ると、この活動は「カネとモノの取引に人間の関係性を取り戻す運動」だと言えます。日本国内でのフェアトレードは、生産者と消費者の関わりが希薄になっている現代社会で、活動を行うことで人と人の関係性を再確認することができる点に着目もしています。 日本国内のフェアトレード活動の紹介(フェアトレードタウン*) 日本国内でフェアトレードを普及させるための取り組みとして、日本フェアトレード・フォーラム(FTFJ)が認定する「フェアトレードタウン」という「まちぐるみ」でフェアトレードを推進する運動(取り組み)があります。まちのさまざまなセクターが連携協働することでフェアトレードの輪を広げるという新しいコミュニティづくりです。 これは世界ではずでに33か国、2,200タウンあります。日本には6つ、現在20地域がフェアトレードタウン認定に向けて活動しています。現在、坂口代表理事は地元の武蔵野地域で、12の市民団体や企業がかかわる「フェアトレードむさしの」というグループでフェアトレードタウン認定に向けて活動しているそうです。 最後に、複数あった学生からの質問の中から一つご紹介します。 Q:日本はフェアトレード活動に対して消極的ですか?それとも積極的な方ですか? A:日本だと、フェアトレード商品を購入するのは意識高い系という固定観念や、商品が高価だというイメージから、多くの人が手を出せずにいます。逆に海外だと、フェアトレードはそこまで値が張るものではない、更に商品自体良いということで、この善の連鎖に加わりたいという人が進んで購入するそうです。 日本でのフェアトレードに対するネガティブなイメージを変えるため、売り方も変わってきているそうです。例えば、商品が掲載された雑誌を見せる、製品の内容成分を紹介することで、製品自体に興味を持ってもらうなどです。 また、フェアトレードにはまだまだ消極的な日本ですが、10代のフェアトレード認知度は全体と比較して25%も高いそうです。今回のイベントでも、立命館大学の学生さんの約半数がフェアトレード商品を購入した経験があるとおっしゃっていました。そのため、今後若い世代の存在がフェアトレード普及のカギになってくると考えられます。 授業に参加させてくださった立命館大学の秋吉教授、学生の皆さん、スピーカーの坂口代表理事、ありがとうございました。