こんにちは、事業推進グループ インターンの岡庭です。
11/19に、「気候変動に立ち向かう日本・バングラデシュの子ども・若者たち」と題したYouTubeライブ配信を行いました!

和やかな雰囲気で、様々な視点が共有されました。

スペシャルゲストは、佐座マナさん(一般社団法人SWiTCH代表理事・COP26日本ユース代表)!

今回の配信は、佐座さんから日本やその他の国々、シャプラニールバングラデシュ事務所長 内山からバングラデシュの気候変動と若者たちがどのような行動を起こしているのか、お話を伺っていきましたが、気候変動や環境問題が自分にどのようにつながるのか、自問自答するとてもよい機会だったと感じました。今日は、気候変動の知識が浅いインターン大学院生として、配信内容や感じたことをもとにレポートしたいと思います。

27年後の自分に想いを馳せる

突然ですが、皆さんは自分の27年後の姿を想像できますか?

様々な年齢の方々がこのレポート読んでくださっていると思いますが、単純計算をすると、27年が過ぎれば、3歳の子どもが30歳に。そう考えると、あまり遠い未来ではないようにも感じます。

今から27年後の2050年、シャプラニールが活動するバングラデシュでは、海面が今より約0.3m上昇し、国土の約17%が水没し、食糧生産能力が約30%低下し、そして約90万人が避難民となる予測が立てられています。
さらに、国連IPCCの予測では、2100年には、最大で海面が1.1m上昇すると予測されています。

そして、海面が1m上昇すると、日本の砂浜の90%が消滅するとも言われています。
自分事として想像すると、少なくとも自分の孫世代は、夏休みに砂浜で遊べないばかりか、砂浜のある海の美しい風景を目にすることがなく、サザンの歌詞に共感できなくなるのかもしれない…と思うと、結構衝撃的です。

2050年、世界人口の約半分は30歳以下となり、バングラデシュでは約40%を18歳以下の若者が占めると予想されています。にもかかわらず、人口の圧倒的大多数を占める若年層の声を、政治・政策に活かすためのシステムが、現状では存在しません。

声を挙げる若者たち

佐座さん、そしてバングラデシュ事務所長 内山のお話を伺って、不思議なことに、国は異なっても共通点があることに気が付きました。それは、“若者たちが自分から声を上げ立ち上がっている”という点です。

例えば、2019年のCOP26が延期されたことに危機感を抱いた140ヶ国330名の若者が、2020年に『模擬COP』を開催し、「気候変動教育の義務化の必要性」を政策決定者に訴えています。その結果、イギリス・イタリア政府が反応を示し、COP26・27への正式な参加・議席獲得へ繋がりました。

また、バングラデシュでは、NGO支援のもと、気候変動の脅威に直面する子どもたちが自分たちの声を聞いてほしいという願いから、『気候変動会議』を開催しました。会議では、クイズ大会や絵画コンテストを通じて自分たちの生活への影響や変化を議論しあい、多くの観客の前で堂々と自分の意見を述べる子どもたちの姿があったと言います。

気候変動会議で子どもたちが採択した宣言…とても具体的です。

しかし、同時に共通の大きな課題があります。

それは、政策決定の権限を持っている大人たちに若者の想いや声が十分に伝わっていない、または伝わったとしても、行動変容に繋がっていないという現実です。
だからこそ、私たちひとりひとりが考え、行動を起こし、社会の大きなうねりとなり、変革を促す必要があるのだと思います。

では、どうするか

では、そうした現実を前に、私たちはどうすればよいのでしょうか。
佐座さんと内山さん、双方が述べられていたのが、「大人が子どもの声を聴くシステム」づくりの重要性です。
気候変動対策を訴える若者たちは、決して大人の敵ではありません。同じ目的を見据えて歩調を合わせることができれば、これほど心強い味方はいないのではないでしょうか。
だからこそ、政策決定者が属人的判断で耳を貸すのではなく、システムとして存在することの意義は大きいのではないかと感じます。

気候変動に関する絵画コンテストに参加したバングラデシュの若者

また、「対話の重要性」も挙げられていました。
知ること、経験を共有することだけでも、大きなインパクトをもたらす可能性があります。
例えば、バングラデシュで立ち上がる子どもたちの存在を知ることは、日本の子どもたちの背中を押すかもしれません。そして、模擬COPを経て議席を獲得した若者たちをロールモデルとして知っていれば、心が折れそうな誰かの心の支えになるかもしれません。

そして何よりも重要なことが、「気候変動を自分ごと化する」ことです。
例えば、地球上の全人類が日本の生活水準になったならば、地球2.9個分の資源が必要になるのだそうです。日本の中流家庭に生まれただけで特権階級だ、という話を聞いたことがありますが、背筋が伸びる思いがしました。
私は幸い干ばつや洪水の被害を受けたことはありませんが、例え小さな取組みであっても、マイバッグ・マイボトルの使用を徹底しようと思います。

最後に

今回のトークイベントを通して、思い出したことが2つあります。

1つ目は、アメリカンインディアンに伝わる「地球は先祖から譲り受けたものではなく、子孫からの借り物である」という言葉です。

2つ目は、「『未来世代』という架空の人物を議論のテーブルに着かせる」という実験です。
今ここには実在しない『未来世代』を、架空ではありますが可視化し議論に参加させた結果、議論の中でサステナブルな選択をする可能性が約32%増加したそうです。

佐座さんと内山事務所長のお話を聞いて、自分にできる日々の小さな取り組みを行いつつ、本やニュースなどで知る作業を怠らないようにして、常にアンテナを張っておきたいと思いました。

「いつやるの?」と言う弱気な自分を叱咤して、「今でしょ!」と即答・即行動するために。

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シャプラニールでは気候変動の影響を強く受ける南アジアで、異常気象・災害に立ち向かう子どもたちを支援する事業をおこなっています。

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https://camp-fire.jp/projects/view/707632

事業推進グループ インターン 岡庭 尚代