こんにちは!国内活動インターンの浅野です。

「国際協力は100人いれば100通り」

ご自身の国際協力との関わり方を模索しつつ、多くのひとに関心をもってもらうのが目標と語る、元インターンの吉川みのりさんにお話を伺いました。


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元海外活動グループ・インターン 吉川 みのりさん

インタービュー/文:国内活動グループインターン 浅野 遥花

学生だからこそ発信できる「国際協力」

浅野:こんにちは!国内活動インターンの浅野です。本日はよろしくお願いします。
早速ですが、シャプラニールのインターンはなぜやろうと思ったのですか?

吉川:インターンを始めたきっかけは、バングラデシュと国際協力に関心があったからです。大学時代はベンガル語(バングラデシュの言語)と国際協力を専攻していました。2年生の時にバングラデシュへの留学が決まっていたのですが、2015年にバングラデシュで日本人が亡くなったことにより、留学が中止になってしまいました。その後もバングラデシュに関わりたいという思いがあり、以前から知っていたシャプラニールの海外活動グループのインターン募集をみて応募しました。留学に行けなかった悔しさを引きずっていた私にとって、インターンに応募することはすごく自然なことでした。

浅野:そうだったんですね。私も国際協力を学んでいるので、現地を見に行きたいという気持ちはとても分かりますし、国際協力の現場を知りたいと思ってインターンの応募も決めたので、とても重なるところがある気がします。

シャプラニールでインターンをして良かったなと思うことや、インターンならではの経験から感じたことはありますか?

吉川:当時の主な業務は、クラウドファンディングのための広報に使う文章を書くことだったので、支援してくださる方々にバングラデシュについて知ってもらうために、バングラデシュでの滞在経験を生かして衣食住や文化について書いていました。一般の方々にバングラデシュや国際協力について文章で説明することは簡単ではありませんでしたが、私の文章を通じて知ってもらえることにやりがいを感じていました。

国際協力というと、一部の意識の高い人が行う大変なことという印象を持っている方もいるかもしれません。だからこそ、私のような一学生が自分の言葉でバングラデシュや国際協力について発信することは、世の中の人の国際協力へのハードルを下げるのではないかと思っていました。私たちのような学生インターンの活動によって、国際協力の世界に飛びこむ一歩を後押しできたらいいなと思っていました。

浅野:たしかに、キャリアやスキルという意味では浅いかもしれませんが、学生目線だからこそ発信できることがありますよね。今回の企画も、私たちインターンや元インターンの皆さんが感じている「国際協力」を発信することで、より身近に感じてもらいたいと思っています。

大学院時代の現地NGOでのインタビュー後の記念写真

大学院時代の現地NGOでのインタビュー後の記念写真

 

途上国のことが自分事に

浅野:国際協力を身近に感じたエピソードはありますか?
吉川:もう10年以上前の話になりますが、中学生の時に途上国の子どもたちに文房具を送りたくて、クラスのみんなに呼びかけたことがあります。中学校にNGOの職員の方が来て途上国の貧しい子どもたちの話をしてくれました。その話を聞いて私は胸を打たれました。

配られた資料の中に文房具の寄付を受け付けているというチラシを見つけ、何かしたいという気持ちが大きかった私は部活のみんなに相談して、支援物資を集めることに決めました。新品でないといけないのに使い古しのものや対象物資ではないものを持ってくる子がいて、中学生ながら支援物資を集める難しさを感じました。最終的に数クラスの協力のおかげでかなりの量になりました。当時手芸をする部にいたため、部活の時間に文房具を入れるための巾着を作り、そして習ったばかりの英語で書いた手紙を添えて物資を送りました。しばらくしてそのNGOから、感謝の手紙と、子どもたちが私たちの手紙を持って笑っている写真が送られてきました。すごく嬉しくてがんばって良かったと思ったのを今でも覚えています。

今思えば、国際協力に携わりたいと考え始めたのはこの頃なのでしょう。このエピソードは、私に国際協力への一歩を踏み出させてくれた大切な思い出であり、国際協力を身近に感じたきっかけでもあります。

浅野:そんなエピソードがあったんですね!行動力がすごいですね。自分が集めた文房具が実際に相手に届いた経験がきっと、自分にもできることはあるという気づきに繋がったのだなと感じました。

 

今目の前のことに一生懸命に

浅野:吉川さんは国際協力をずっと学んでこられて、今は国際協力とは違う分野のお仕事に就いているとのことですが、なぜ違う道を選んだのですか?

吉川:6年間途上国研究や国際協力に関する研究をしていたので、別の可能性を知りたいと思ったのが理由です。国際協力の道に進むか進まないかは、就職してから決めたらいいと思っていたので、あまり深い理由はありません。国際協力に進む人の中には、将来をしっかりと見据えている人もいますが、進路をガチガチに固めない方法もありだと勝手に思っています。この4月に就職したばかりでまだ先のことはわかりませんが、国際協力業界に戻る可能性は十分にあると思います。

浅野:なるほど。あえて国際協力から離れてみると、また見えてくるものありそうですね。将来は国際協力とどんな風に関わりたいですか?

吉川:正直まだ具体的にはわかりません。国際協力のあり方は100人いれば100通りあると思っているので、無理に急いで決めなくていいというのが私の考えです。でも、ひとつ言えることは、国際協力や途上国研究をしている時の自分が一番生き生きしているということです。大学6年間は大変なこともありましたが、研究をやめたいと思ったことはありません。それぐらい国際協力やバングラデシュにかかわるのが楽しかったのだと思います。人生80年、100年あるので好きなことを仕事にできるのであれば幸せだなと感じます。

どう関わりたいかという質問は難しいですね。自分に何ができるのか、自分が何をしたいのか、それを具体的に見つけたいです。そのためには目の前のこと、今の会社での仕事を一生懸命にすることが大切かなと思っています。国際協力の仕事をすると言ってもさまざまなアプローチ方法があるでしょう。自分に合った関わり方を見つけたいです。

浅野:たしかに無理に焦って決める必要もないですよね。就職したからといって人生が決まるわけではないし、国際協力には本当にいろいろな関わり方があるし、今目の前のことを一生懸命やっていたら、自ずとやるべきことも見えてくるという気がしました。

まずは関心を持つこと

浅野:最後に、皆さんへのメッセージや、今後目指していることをお願いします。

吉川:国際協力との関わり方は、100人いれば100通りあると思っています。ステナイ生活に切手を送ることも、シャプラニール事務局で仕分けのボランティアをすることも、スーパーのコーヒー売り場で見つけたフェアトレードマークについて調べることも、すべて国際協力だと思います。お金だけが支援ではないですし、まずは関心を持つことだと思っています。私自身が国際協力にかかわると同時に、周りの人にも国際協力に関心を持ってもらえる活動をすることが私の今の目標です。

浅野:素敵なメッセージと目標をありがとうございます。改めて国際協力ってなんだろうと考えさせられました。まずは「このコーヒーは誰が作っているんだろう」という風に、何かをきっかけに普段気にもしなかった遠くの国で暮らしている人のことを身近に感じて、「誰かのために何かしたい」という、誰かが誰かを思う気持ちこそが大事だなと思いました。

本日は貴重なお話、ありがとうございました!

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【プロフィール】

吉川 みのり(よしかわ みのり)

2015年10月〜2016年3月の半年間、海外活動グループでインターン。大学生の時に国際協力とベンガル語を専攻し、大学院ではバングラデシュの児童労働について研究。2020年3月に大学院を卒業し、4月にIT企業に新卒で入社。

この情報は2020年4月時点です。

 


吉川さんにお話を伺って、国際協力を仕事にしようがしまいが、世界のどこかで起こっていることや、暮らしている人のことに関心を持つことを忘れないでいたいし、それこそが「国際協力」なのではないかなと思いました。原点を忘れず、これからも自分なりの方法で関わっていきたいです。

今後も元インターン生へのインタビューをどんどん更新していきますので、ぜひご覧ください!
(過去のインタビューはこちらからご覧いただけます)