昨年末、ダッカ中心部より100㎞ほど北西に離れたタンガイルという町にある、クラフトリンクのパートナー団体「プロボルトナ」の工房へ、現地スタッフが赴きました。「藍染めのトートバッグ」をつくる生産者のインタビューを、2回にわけてたっぷりご紹介していきます。

インタビューの様子 (3)

ムーン・アクタール・ムンニさん(左)とシャプラニールのマフザ職員(右)

プロボルトナは、機械織により衰退しつつあった手織産業の活性化や自然染料を使用した商品開発に力を入れています。クラフトリンクでロングセラーの「バングラデシュの手ぬぐいガムチャ」もプロボルトナで織られています。

機械には出せない魅力あふれる商品たち、ぜひ、クラフトリンク オンラインショップと合わせてご覧ください。

インタビューの様子

笑顔でインタビューに答えるムーンさん 着ている服も染めが素敵!

 インタビューに答えてくれたのは、プロボルトナでの仕事で一人娘を育てているムーンアクタールさん(32歳)。商品の絞り染めの工程に携わっています。

絞り染めは、布に模様に沿って一針ひと針縫いを施した後に、染料で染めていくとても手間のかかる仕事です。糸で刺した部分には染料が入らず、染めた後に糸を抜くと模様が浮かび上がります。クラフトリンクの「藍染のトートバッグ」は小さなサイズでポイントで模様がはいっていますが、1つ分を縫うのに約30分かかるそうです。通常、模様を刺し、一度に3ヤードの布を染めます。この3ヤードの布で9つ分を作ることができますが、それには3日間を要するとのこと。(1ヤードは約91㎝) 時間と手間をかけて、機械では生み出せない味わいが生まれているんですね…!

「糸で縫って布が硬くなった後に、その糸を引いて絞る工程が難しいです。また、布に縫いを施した後、模様の位置が変わってきてしまうことがあります。実際に、指定の位置とは違う場所に模様が入ってしまい、商品にならなかったこともありました。」

絞ったところ

〈絞ったところ〉糸で縫っていくと布が硬くなるのでそれを絞って縛っていくのが難しい。

クラフトリンクでは、商品の検品を現地と日本に入荷してからの2回行っています。生産者がひとつずつ丁寧に作った時間と苦労を考えると、全てのものが愛おしく選別するのは難しい作業です。(そしてもっと価格を上げたくなってしまうのが本音です…)ただ、日本のお客様が求めることを伝え、より良い商品をつくるためのコミュニケーションも大切で、これからも丁寧に行っていきたいと思っています。日本で正規商品とならなかったものは、マルシェなどで特別価格にて販売しています。

ムーンさんと彼女の夫は、もともと二人共にプロボルトナで働いていたそうです。「結婚後に夫はマレーシアに出稼ぎに行き、懸命に働いていますが家族の分の仕送りはできずにいます。その間、私はこの仕事を続けています。プロボルトナは遅れることなく給料を支払ってくれるので、家族の全ての出費を賄うことができています。」

2020年より現在も、世界中で猛威をふるっているCOVID-19は、そんなムーンさんにも影響を与えました。

*****後半に続きます。*****
後半ではムーンさんが夢についても語ってくれています。

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ムーンさんたちが手がける藍染の商品はこちらから購入できます
クラフトリンク  オンラインショップ:https://craftlink.shop/
藍染めトートバック 商品ページ: 「花」 「三角」 「四角」