2026年8月26日にネパール・ラスワ郡(首都カトマンズの北約60km)の中国国境を越えて流れるボテコシ川(トリスリ川)流域で発生した土石流(Flash Flood)による大規模洪水は、広範囲で川沿いの町を押し流し、多くの死傷者および安否不明者を出しています。シャプラニールは、CWINなど現地パートナー団体や他関係機関と密にやり取りをしながら、現在、今後の対応を検討しています。


シャプラニールの現地パートナー団体「CWIN(シー・ウィン)」(児童労働の削減と予防事業)からの情報をお伝えします。CWINスタッフは、8月29日より被災地に入り、現地の被災状況とニーズ確認を行っています。現在は、ラスワ郡の南側に位置し、5つの市村が特に大きな被害を受けたヌワコット郡の郡都・ビドゥルの避難所(Holding Center)を中心に活動しています。

ヌワコット郡の避難所にてー子どもたちが精神的・心理的に安全に過ごせるためには
CWINでは、精神科医、臨床心理士、チャイルド・ヘルプ・ライン(※1)担当スタッフら5名がヌワコット郡のビドゥルの避難所をまわり、子ども、女性、妊産婦の状況を確認しています。避難所はヌワコット郡には19あり(9月1日時点)、学校の他、病院、パーティパレス(※2)などが使用されており、8月30日に訪問した6カ所でには1,090人が身を寄せていました。うち228人が子ども、若者でした。

子どもたちは避難所の中で遊んだり、リラックスする時間を持てていなかったため、2つの避難所でおもちゃなど遊具を渡しました。また、メンタルヘルスケアの一環として、避難者の状況を確認し、必要に応じてカウンセリングをしたり、専門機関につないだり、避難所スタッフらに避難者対応のガイダンスをしたりしました。避難所は、利用者数に対して狭く混雑しており、仕切りもありません。生活環境は悪く、衛生状態も心配されています。

避難所の子どもの健康状態を確認
チャイルド・ヘルプ・ラインを通じて乳幼児がいる世帯への支援

避難所は現在、地域のユースクラブやボランティアによって運営されていますが、彼らも自分たちの生活や仕事と長期的に両立させることが難しく、これからの運営には課題が出てきそうです。避難所には、保護者といえるおとながいない子どももおり、彼らを含めた子どもたちが心理的・身体的に安全に過ごせるような対応が必要と考えています。また、今後、家や土地を失くした人々の避難所滞在が長く続く可能性がありますが、避難所として学校が利用されているケースも多く、子どもの教育への影響も懸念されています。

ヌワコット郡では、行政、国際援助機関およびNGO等が集まり連携会議を行い、各団体からの情報共有や今後の役割について話がなされています。CWINは、避難所運営のアドバイスをしていくことやメンタルヘルスケアにかかわる支援をしていくこととしています。

ヌワコット郡から北に位置するラスワ郡への移動は、橋や道路が流されて交通網が寸断されており難しく、本災害の被害の全容とニーズの把握が困難な状況が続いています。シャプラニールの今後の対応については、ウェブサイトやSNS等でお知らせいたします。

※1)チャイルド・ヘルプ・ライン:児童労働や虐待などの被害を受けた子どもたちのための電話相談サービス。CWINはネパール政府から委託を受けて運営。電話相談だけでなく、必要なメンタル、法的、医療支援等も行う。シャプラニールは2017年から継続的に支援を行っている。詳細はこちら
※2)パーティパレス:結婚パーティや家族のお祝い事、団体の式やセミナー等を開くイベント会場のこと


これまでの「ネパール・ラスワ郡で発生した土石流による大規模洪水について」のレポートはこちらをご覧ください。