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藤岡駐在員のブログ1998年から3年弱インドに住んだのをきっかけに南アジアとの縁ができ、引き寄せられるようにシャプラニールへ…。そして2005年5月からダッカへやってきました。最近の趣味は、そぞろ歩きを楽しむダッカ市民に混じり、サルワール・カミーズにスニーカーを履いて夕方の公園でウォーキングすること。バングラデシュの村や都市で今起こりつつある変化をなるべくコマメにお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしく。

特定非営利活動法人
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TEL:03-3202-7863
FAX:03-3202-4593
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藤岡駐在員のブログ

2009年6月 6日

 海水が飲料水に?

今回のサイクロンAilaの被害で、南西沿岸部を今後サイクロン被害から救うには、2つのことについて対策がされなければ根本的解決にならない、延々と同じこと(サイクロン→高潮被害→緊急救援→救援物資・とくに飲料水が足りない→汚れた水を飲んで下痢蔓延)が繰り返されるだけ、ということがはっきりわかりました。

その2つとはズバリ、「高潮を防ぐ堤防」と「飲料水確保」です。

5月29日のこのブログに「塩水から簡単に短時間に、大掛かりな装置も使わずに塩を抜く方法があれば、ずいぶん多くの人が助かるのに...。でもそんな方法があったら人類はとっくに海水を飲料水にしてますよね。」と書いたんですが、その後「海水淡水化」で検索したら、ドバーっと日本国内の海水淡水化プラントやら、淡水化装置の情報が出てきました。

Wikipediaの「海水淡水化」の項によると、海水の淡水化で実用化されている方式には「多段フラッシュ」という蒸留法と、逆浸透膜(RO膜)を使って圧力をかける「逆浸透法」ってのがあるそう。そして、この海水淡水化用の逆浸透膜をもっとも多く製造している国は日本であると推定される、と。

知らなかった...こんなに実用化されていたとは。日本のプラントが中東やら地中海やらにどんどん輸出されてるんですね。それに福岡には海水淡水化センター(まみずピア)なんて立派な施設もある。こういう施設がバングラデシュ沿岸部にもあれば...。

そして6月4日の東京新聞にこんな記事が。

海水から飲料水、自然の力で 民活機構など横浜・山下公園で実験

山下公園なんかでやってないで、今すぐバングラデシュに持ってきてシャトキラで実験して!と叫びそうです。この移動式ってのがいいじゃないですか。でも高いんだろうなあー。それに壊れたらそう簡単には直せないよね、きっと。でもこれ実用化されたらほんとに助かりますよ。1日1500人分の飲料水が作れたらたいしたものです。シャプラニールに1台もらえませんかね...。

今日のDaily StarにもBUET(バングラデシュ工科大学)の先生がこんな記事を書いていました。

Ailaによる破壊への対処

この記事でとくに私が目を止めたのは、「政府は塩水を淡水化する装置を災害対策として導入すべきだ」という部分。私は全然知らなかったんですが、

「2004年のインド洋津波被害の際、インドのタミール・ナド州では飲料水源が高潮のため汚染された。その際、タミール・ナド州政府の要請に応え、Tata Projects Ltd.が1時間に3500リットルの水がつくれる移動式の塩水淡水化装置を設置した。この装置は今も活用されている」

んだそう。で、

「食糧・災害対策省(バングラデシュで災害対策を担当する省)はディーゼルエンジンで動くこういう装置を沿岸部に設置すべきだ」

と。...賛成!救援のたびに毎回ミネラルウォーターを運んだって、全然需要に足りないし非効率でナンセンスだ。インドでTataが作ってるなら、日本やアメリカ製のを買うよりずっと価格もお手ごろなはず。それを買えないものかバングラデシュ政府よ。

中東ではもっと大掛かりな塩水淡水化装置が使われているそうですが、それは蒸留法が多いそう。これには多大な電力が必要だからバングラデシュには適さないでしょう、ですと。その通りですね。バングラデシュでもっともこいういう装置を必要としている地域はほとんど電気通ってないですしね。

このBUETの先生の記事、もうひとつ気になることが書いてありました。曰く、南西沿岸部シャトキラ付近で堤防が壊れやすくなっている理由のひとつは、エビの養殖のために塩水を引く無数のプラスチックのパイプが堤防を通っていたからだ、と。

約20年前から始まり、南西沿岸部で拡大しつつあるブラックタイガーなどのエビの養殖は、バングラデシュの貴重な外貨収入源のひとつですが、土壌や水の塩害とそれによる生態系の破壊という深刻な影響を地域に及ぼしています。

サイクロン、塩害、エビの養殖...バングラデシュ南西部の人々の生活向上について考えていると、「水」をめぐって繋がっている様々な問題の連鎖がみえてきます。


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投稿者: 藤岡 日時: 17:57 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年6月 5日

 池の水抜き

第二次救援活動で「池の水抜き作業」を行います、という記事を見て、「は?」と思われた方もあるかもしれません。なんで緊急救援で池の水を抜く必要があるのか?池なんてあとにしとけば。と思われるかも。

でも、これが実はこの地域にはとても大事なんです。飲料水の確保のために最優先でやってほしい、と村人たちが望んでいることです。

今回サイクロンの被害にあったバングラデシュ南西沿岸部は、前にも書いたかもしれませんが、地下水に塩分が混じっていて、井戸を掘っても塩水が出てしまう地域が多いのです。日本みたいな水道なんて村の中には通ってないから、井戸がダメだとなると頼りは池とか川の水、そして雨水しかありません。

私たちが活動しているボクルトラ村も村人の飲み水や生活用水は池の水がたよりです。3000人の村人が暮らす村の中に、大小とりまぜ約500もの池があります。しかし、そのほとんどが今回のAILAによる高潮の被害で塩分の混じった汚い水が入ってしまい、以前のように生活用水として使えなくなってしまったのです。

折りしもバングラデシュはこれから本格的な雨期。しかもAilaの影響もあって今年はモンスーンの雨がいつもより早く降り出すと言われています。この貴重な雨水を池に溜めて使えるように、今すぐ池に溜まった汚い水をポンプで抜き出さなければなりません。

この作業は今すぐに始めて雨期の雨が本格的に降り出す前に完了したいと思っています。なので、池が500あっても実際できるのは30がせいぜい。1つのポンプで池の水抜きを行うと、3日3晩かかります。ポンプ3つで1つの池をいっぺんに水抜きすれば1日ですみますが、いずれにしろ私たちのキャパでは30日で30の池がやっと、というところ。この30の池、どれを選ぶかはよく検討して、多くの村人が共有の池としてとくに飲み水のために使っているものを優先します。

池の汚水をきれいに抜いて中を掃除し、池にとりつけた水の濾過装置の中もきれいにし、そこに新しい雨水が溜まれば、また村人たちはその水を使えるようになります。モンスーンが来るまでに1つでも多くの池の水を抜きたい。時間との闘いです。


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投稿者: 藤岡 日時: 15:24 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年6月 2日

 バングラデシュ政府が堤防修復へ

政府が昨日Aila被災者救援についての閣僚会議を開き、堤防修復を含む緊急救援・復興支援内容を決め、発表しました。

Daily Star 6月1日 バングラデシュ政府Aila被災者へ1億タカの救援

この記事によると、昨日1億タカ相当の飲料水の緊急救援を出したとのこと(遅すぎるよ今ごろ。それが届くのにあと何日かかるのか)。そして11億6千万タカ(約16億2千万円)をかけて堤防の修復も行うそうです。被災者の「堤防を直して!」の叫びがようやく通じたか...。

沿岸部の河川の堤防は計200kmが完全に壊れ、1128kmが部分的に壊れているそうです。単純に16億2千万円を1328kmで割ってみたら、1kmあたり約120万円。JJSが見積もったkmあたりの修復に必要な金額とほぼ同じです。まあ計算としてはイイ線だということでしょう。ただしこの11億6千万タカ、4億1千万タカがキャッシュで、残りは7億5千万タカ相当の米と麦だそう。Food for Workでやるってことなのか。

バゲルハット県ショロンコラ郡(私たちが緊急救援を行っているところ)とシャトキラ県のアサスニ、シャムノゴルは軍が、その他の場所はWater Development Boardが直すそうです。

しかしこれを聞いて安心するのはまだ早い。今朝のべつの新聞記事によると、これから雨期に入ってしまうので、本格的な堤防修復工事を始められるのは雨期が明けてから(10月か11月ごろ)になってしまい、まだあと何ヶ月も先になるというのです。応急手当的な修復は10日以内に始める、ということですが...。

Daily Star 6月1日 Ailaの苦しみは数ヶ月続く- 堤防修復に長期間要 

9月から12月にかけて次のサイクロン・シーズンが来てしまうことを考えると、被災した沿岸部住民はまだ当分のあいだ高潮再来の恐怖に怯え続けなければならないことになります。


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投稿者: 藤岡 日時: 02:52 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年6月 1日

 救援よりも堤防を!被災住民の叫び

今朝のベンガル語紙、「プロトム・アロ(最初の光、の意)」の一面の写真に目が釘付けになりました。ネット版でも見られるので以下のリンクを見てみてください。

プロトム・アロ 5月31日 無視される沿岸部住民2千万人

今回のサイクロン、Ailaによる高潮のために大きな被害を受けたクルナ県ダコープ郡で、川沿いに住む男性たちが必死の形相で川の堤防を直している写真です。スコップさえなく、まったくの手作業。泥を素手で掴んでは投げ上げ、素足で踏みしめて壊れた堤防を修復しようとしているのです。被災した彼ら、ろくに食事もとれていないだろうに、もう政府をいくら待ってもダメだ、自分たちでやるしかない、と腰まで水に浸かって、まるで賽の河原で石を積むような作業を始めたのです。

昨夜のテレビニュースでも、救援の食糧配給の列に並ぶ男性が叫ぶように訴えていました。「私が求めることはたったひとつだ。堤防を直してほしい。俺たちは何度も何度も救援の列に並びたくなんかないんだ。堤防をちゃんと直してくれ。ただそれだけだ。」

私たちが現在救援活動を行っているバゲルハット県ショロンコラ郡サウスカリ・ユニオンでも、約17kmにわたってバレッショル川の堤防がガタガタに壊れています。堤防といってもコンクリートなどが使われているわけではなく、土を盛り上げた土手です。2007年のSIDRのあと、この土手はついに本格的に修復されることがありませんでした。政府はいつ修復工事を始めるのだろう、と待っても待っても工事は開始されず、ついに修復されないまま今回のAilaの水害に至りました。

ショロンコラ郡の行政は今回のサイクロンAilaの被害を受け、地元のNGOを集めたコーディネーションミーティングで、参加したNGO関係者たちに要求しました。あんたたちで堤防を直してくれ、と。

しかし、私たちは知っています。SIDRのあと、堤防や道路の修復のためとして何十億という単位の資金が日本を含む先進国のODAからバングラデシュ政府に貸し出されたり供与されたりしたことを。いったいそのお金は何に使われたんだろう?道路や橋も重要だけれど、人の命を守るため、次なる災害を防ぐためには堤防は最優先で直される対象だったはず。しかし、今度のAilaの被害でわかりました。ショロンコラだけでなく、ポトゥアカリでも、クルナでも、SIDRで壊れた堤防は放置されてたんだ。

私たちのパートナー団体として現地で救援活動にあたっているJJSがざっと見積もったところでは、堤防の修復には少なくとも1kmあたり80万TK(約120万円)はかかるだろう、とのこと。17km直そうと思ったら、2千万円以上。とてもじゃないけど私らみたいなNGOの手には負えません。でも、SIDRのときがっぽり復興支援の資金を得たはずのバングラデシュ政府にとっては2千万円なんてはした金のはず。土嚢を積んだ程度じゃまた壊れるかもしれないけど、まったくやらないよりはずっといい。今朝の新聞の写真みたいに男たちが手づかみで泥を投げ上げるよりは、ずっとちゃんとした堤防修復ができるはず。1億円あれば5ヶ所直せる。2億円あれば10ヶ所直せるじゃないか。なんでバングラデシュ政府はやらないの?なんでドナー政府はバングラデシュ政府に堤防を優先させるように言わないの?なんで大金貸したあと堤防が直ってるかどうかチェックしないの?

私たちももっと声を上げるべきだったんだ。堤防が直ってない!このままじゃまた高潮の水が村の中に流れ込む!って言い続けるべきだったんだ。

このまま各地の堤防が直されなかったら、今年の秋のサイクロン・シーズンにもまた多くの人が高潮で命や家財を失い、救援が必要な事態になるでしょう。それ以前にも、次に大潮が来るとき、また壊れた堤防の隙間から水が村の中に流れ込むのではないか、と沿岸部の人々は恐れています。

今度の大潮は満月となる6月8日頃です。また川の水が溢れて被害が出ないか私たちも心配です。


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投稿者: 藤岡 日時: 00:42 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年5月29日

 Aila来襲から3日

サイクロンAilaによる被害は想像以上に大きなものになってしまいました。政府の発表によるとこのサイクロンによるバングラデシュ国内の死者は147名(155名という報告も)、被災者総数は350万人以上にのぼるということです。インドの西ベンガル州でも大きな被害が出ています。

人々が早めにサイクロン・シェルターなどに避難していたこともあり、Sidrに比べると死傷者はずっと少なかったですが、それでも今回被災した350万の人々の窮状は生半可なものではありません。まず、悲惨なのは今回被災した人の多くが、2007年のSidrの被災者であり、まだ立ち直りきれないうちに新たな災害に遭ってしまった、ということ。また、Sidrの際は頭上を越すような高潮が来たものの、翌朝には水が引いていたのですが、今回はちょうど大潮の時期とサイクロンの上陸が重なってしまったため、満ち潮になるたびに高潮が何度も押し寄せて来て水が何日も引かなかったのも、人々のパニックに拍車をかけました。私たちがSidrの復興支援に重なるような形で今回のAila被災者の緊急救援を始めたバゲルハット県のショロンコラ郡のボクルトラ村周辺では、今日はもう7割がた水は引いたのですが、地域によってはまだ水が引いていないところもかなりあるようです。

「まわり中見渡す限り水、水、水。でも飲み水はない」

これが昨日送られてきた現地NGOからの報告の最初の一行でした。安全な飲料水の確保がとにかく最重要課題ですが、水というのは重いものなので遠くから大量に運ぶのは困難ですし、ミネラル・ウォーターのボトルなどは数本ずつ配ったところですぐに使い切ってしまいます。そのため、現地になるべく近いところで水源を探し、その水を濾過したり沸かしたりして安全な状態にして使用することが現実的だといえましょう。

幸い、私たちが支援活動を行っているボクルトラ村では、村にいくつかあるPond Sand Filter(PSF)という石や砂利、砂を層にした濾過装置が設置されている池の中で、ひとつだけ高潮の水をかぶらずにすんだものがあり、その池の水が村の命の水となっています。昨日から村の中で炊き出しによる食糧支援を始めましたが、その料理に使う水もこの池のフィルターを通した水を運び、沸かして使っています。また、高潮が来た直後は塩辛くなっていた川の水の塩分濃度が日を追うにつれ下がってきたということで、その水を沸かして飲んでいる人もいるそうです。しかし、飲める水が得られる場所が極端に限られてしまった今、高潮の水が引いたばかりの村の中は歩けば膝まで足が埋まるようなぬかるみで、遠くまで水を汲みにいくのは大変なことです。

塩分のない水は十分に煮沸したり浄水剤を使えば飲料水として使えるようになりますが、いったん塩水が混ざってしまうと、水から塩を抜くのは簡単なことではありません。Pond Sand Filterでも、浄水剤でも塩は抜けないですし、いくらきれいな水でも塩辛かったら人は飲めません。塩水から簡単に短時間に、大掛かりな装置も使わずに塩を抜く方法があれば、ずいぶん多くの人が助かるのに...。でもそんな方法があったら人類はとっくに海水を飲料水にしてますよね。

バングラデシュの沿岸部では、井戸を掘っても塩水が出てしまうので日頃から池や川の水に飲料水を頼っている地域が多くあります。ボクルトラ村もそういう場所のひとつで、私たちもSidrの復興支援活動の中で事務所兼研修センターの横に飲料水用の大きな池を掘ってPSFをとりつけ、毎日150世帯ぐらいがこの池の水を使っていました。飲料水用の池だからと水浴びも禁止し、周囲の住民たちも大切に使っていました。この池はサイクロン時に高潮の水がさかのぼってくるバレッショル川から1km以上離れていたし、池の周囲も土盛りしてかなり高くしていたのに、Sidrから2年もたたないうちにまさかの高潮がここまで押し寄せてきて大切な池を飲み込みました。この池の水は一度ポンプで全部抜き出して中を掃除し、雨期の雨水をあらためて溜められるようにしなければなりません。これはかなりの大作業になります。まったくもって悔しいことです。

今日からボクルトラ村、隣のラエンダ村の2ヵ所のサイクロン・シェルターを拠点に炊き出しを始め、計2000人以上の人々にキチュリ(ダール豆、野菜、じゃがいもなどが入ったカレー味のお粥)を提供しました。今日の昼過ぎ、現場に行っていたダッカ事務所のプログラム・コーディネーター、ポリモールからの電話の後ろでは、炊き出しの行列でごった返す人々のざわめきが聞こえてきました。

明日はもっとたくさんの人が来るでしょう。現場での活動を担うパートナー団体のJJSのスタッフたちは、自分たちも衣類を流されたりしながらがんばっています。今のところ政府の支援もこの村の人々にはまったく届いておらず、備蓄していた米や食器も水に流されて家で料理もできず、この炊き出しのキチュリだけが今日の食事、という人がほとんどだったようです。

できるだけ早く人々に元のような生活に戻ってもらえるようにしなければなりませんが、それにはまだだいぶ時間がかかりそうです。現地の状況を注意深く見守りながら、今後の短期・長期の対策を考える日々が続きます。

 


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投稿者: 藤岡 日時: 02:05 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年5月25日

 サイクロンAILA、クルナ沿岸へ

久しぶりのブログがサイクロン報告になってしまいました。 

土曜日にベンガル湾上に発生した熱帯低気圧がサイクロンとなってAILA(アイラ)と名づけられ、現在バングラデシュのクルナ沿岸を横断中です。このサイクロン、2007年のSIDRのようにパワフルなものではないので、暴風の被害はそれほどないと思われますが、悪いことに今日は新月、つまり大潮にあたっており、高潮の被害がすでにかなり出ている模様です。沿岸部の人々の多くはサイクロン・シェルターなどに避難しています。 

私たちが復興支援活動を行っているバゲルハット県ショロンコラ郡ボクルトラ村付近も川の堤防が決壊して水が村に流れ込み、かなり被害が出ているとの報告が入ってきています。私たちの活動の根拠地である開発センター(事務所兼研修センター)の中にも水が入ってきてしまい、飲料水用の池の上まで川の水が来てしまったとのこと。村の農業支援用に購入した耕耘機やバイクなども比較的高い場所に避難させているものの、これ以上増水すると水に漬かってしまうかもしれない、とのこと。それ以上に、村の中のサイクロン・シェルターがすでに満杯で避難できない人が出ているらしいことが心配です。

 人口の多い村内にもっとシェルターが必要なことはわかっていたのですが、私たちの資金ではSIDRのあとシェルターを建てるところまではムリでした。しかし、これはなんとかしてシェルターを増設しないと、今後も被害が出てしまいます。それより先に川の堤防を直すべき。これは政府がやるはずの仕事ですが、なぜちゃんとやらなかったのか。政府もあれほどSIDR直後に堤防や道路や橋を直すための資金を日本含めドナー国から得ていたはずなのに。 

今夜暗くなる前にサイクロンが通過し、水が引くといいのですが...。そうでないと電気のない村は真っ暗になることもあり、死傷者が出ないか心配です。ぎゅうぎゅう詰めのシェルターに避難している人たちもそのまま夜を越さなければならないことになると大変です。 

現地のスタッフもサイクロン直撃中の今は自分の身を守らねばならず、避難している状況です。被害状況把握と対応を開始できるのは明日の朝になりそうです。

 

 


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投稿者: 藤岡 日時: 17:57 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年4月 5日

 賊は涼しい夜を狙う

それはちょうど1週間前、3月29日のこと。夕方5時半ごろからダッカでは約5ヶ月ぶりに大雨が降りました。激しい雷と叩きつけるような雨はなかなか止まず、バチバチと音を立てて大粒の雹も降りました。ちょうど仕事を終えて人々が帰宅する時間だったので多くの人が足止めを食いましたが、それでもなんとか皆が雨の中家に帰りつく頃、ダッカの町は早くから人通りが少なくなりました。大雨と雹が降った後なので、ホコリも洗い流され、空気はすーっと涼しくなりました。

その夜、午前3時ごろ。私が住むラルマティア地区の7階建てフラットの駐車場に、塀を乗り越えて5-6人の賊が押し入り、6台の車からスティアリングやカーステレオなどのパーツを盗んで立ち去りました。ガードマンの手首を縛り、口にテープを貼ってナイフで脅しての犯行でした。

朝になって犯行が明らかになり、フラット住民は大騒ぎ。脅されて縮こまっていたガードマンは賊の手引きをしたと疑われて泣きの涙で弁解。車のパーツを盗まれる事件はダッカでは珍しくもないこととはいえ、さすがに集団犯に6台いっぺんにやられることはそうそうなかったようで、うちのフラットは不名誉にもテレビニュースにまで出てしまったのでした。

狙われた車は新車や高価な車ばかり。私は自分の車は持っていないので(持ってたとしてもボロ車だったでしょう)被害はありませんでしたが、後から大家さんの妹(国際航空会社勤務・30代後半)の4ヶ月前に買ったばかりの新車も被害に遭ったと聞きました。保険に入っていたので修理費は出るそうですが、ピッカピカのブラン・ニュー・カーだっただけに一家で大ショックだったそう。

ふむ、それにしても...と私は思ったのですが、暑さが和らぎすーっと涼しくなって人々がぐっすり寝入っている夜を狙う、というのは盗みの王道ですな。私の愛読書・鬼平犯科帳にも、盗人の秘伝の書きつけに、「一、家やしきへ忍び入るには、やしき内の人のねむりふかければもっともよし。(中略)夏去らむとして冷気きたるころこそ、つとめばたらきにはもっともよし。」などとあったりするんですが、これって時代と場所を越えて共通なのね。さらに言えば、「人を殺傷せず、証拠を残さず、朝まで気付かれず、盗られて困らぬ人から盗る」というのは、かなり「本格の盗人」と言えましょう。感心している場合じゃないですが...。賊らは下見もしていたに違いありません。夕方のあの大雨の最中から、「よし、狙うなら今夜だぜ」「おう」などと示し合わせていたのでしょうか。

我がフラットではその後、多少セキュリティも厳しくなり、夜はガードマンが二人になったようです。フラットの自治会長の話によれば、賊に乗り越えられた塀とフラットの間の隙間も金属の柵で埋めるそう。

今回は自分の住むフラットとはいえ、被害にあったのは「他人さまの車」のみで怪我人もなかったので余裕でブログに書いたりしてますが、これがもし事務所でウチの会のだいじな車をやられてたりしたら、逆上して「おのれにっくき賊めが!」などとわめいていたことでしょう。

うちの事務所にはタイガー2号という、夜よく吠えて近所から苦情が来るわ、飛びついて言うことを聞かぬわ、というちょっとおバカな犬がいるんですが、事務所のガードマンがうちのフラットの事件の話を聞いて、「夜タイガーがいることでどれだけ心強いか」と真剣に言ってました。そっかタイガーもあれでちゃんと役に立っていたんだね。

ダッカ在住の皆さま、暑い日々の合間に急にすーっと涼しくなった夜は要注意です。鍵をしっかり二重にかけましょう。いい車をお持ちの方はとくにお気をつけて。

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タイガー2号。とろいクセに屋根の上が好き。一度落ちて腰を打った。おバカな子だねほんとに。


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投稿者: shaplaneer 日時: 23:18 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年3月27日

 春はボロボロ

しばらくご無沙汰してしまいました。

今頃日本でも花粉症の方はしんどい思いをされていると思いますが、バングラデシュの乾期も鼻や喉の弱い私のような人間にはけっこう辛いものです。1月から2月にかけては毎年次年度の計画や予算づくりの仕事が立て込んでかなり忙しいのですが、それが一段落ついたところで疲れが出てくるのもこの時期。そこへ来て数ヶ月雨が降らずホコリっぽさは頂点に達しているし、急激に暑くなって気温は30度を超え、停電も1日7時間ぐらいに増えています(オフィスアワー中は4時間ぐらい)。

そういうときに風邪を引いたりすると、私の場合、持病の副鼻腔炎が一気に悪化してしまいます。副鼻腔炎てのはやっかいなもので、慢性化するとなかなか治らないんですよね。鼻の奥と目と耳というのは全部つながってるので、悪くなると目や耳にも炎症が飛んでしまうし(耳はとくに飛行機に乗るとダメ)、まったくもって嫌なもんです。去年の今頃は炎症が鼻から目に来て、真っ赤な目のままドナー団体の方とサイクロン被災地に出張したりしてたっけ...。今年は気をつけて抗菌目薬を差し続けてるので目には来てませんが、鼻水・鼻づまりに加え、左の鼻筋から目の周り、頬骨、奥歯の辺りにかけての顔面痛が何日も治らないんです。顔が痛いってヤですよ。リキシャでガタガタ道を通勤するときも響くし...。

昨日は独立記念日、今日・明日は金・土の週末休みで、せっかくの3連休なのですが、食べ物の味もあまり感じないので食欲もなく、顔が痛いので外に出る気もせず、食糧がつきても買い物に出る気もせず、ひたすら寝床の上に丸まって鬼平犯科帳を読むだけ、というトホホな休暇です。(でもなんでそういうとき読むのが鬼平犯科帳なんだろ?自分でもよくわかりませんが、これが一番なんですよ。)

こっちの病院に行けばいいんですけど、それも億劫で...。前に日本で処方してもらった薬の残りを飲みつつなんとか凌いでいます。早く治ってくれー。がんばれ、身体の自然治癒力よ。でも今日はパソコンに向かう気になっただけ少しは回復したのかも。(って書いてる内容はグチだけど。)

3月18日から21日までダッカ事務所のスタッフ全員で年次合宿のためバンドルボンに行ったこととか(これがあったせいでよけいバテた)、BDR事件のその後とか、書きたいことはいろいろあるんですが、元気になってからにします。皆様も年度末の忙しい時期(それに花冷えの季節ですね)、お身体に気をつけて。

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死んだように寝てる犬。あたしとおんなじね。


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投稿者: shaplaneer 日時: 15:21 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年3月15日

 暑い。雨降らない。下痢蔓延。

今年はなんだか早くから暑いです。わずか1ヶ月前、農村出張の際にフリースを着込んで、夜は厚い布団をかぶって寝てたなんて嘘みたいです。まだ朝晩は多少涼しいので窓を開けてファンを回していればそれなりに凌げますが、日中の炎天下や風通しの悪い室内の暑さはもうかなりキツくなってきたな、という感じです。

それに雨が降らないんですよね。もう何ヶ月もまとまった雨は降っていません。2月の半ばにちょっとパラッときてすぐ上がったことが1~2回あった程度です。ダッカも乾ききって空気に粉ボコリが混ざって白っぽくなってる感じ。外を少し歩いただけで鼻の穴が黒くなり、目がチカチカします。農村部の舗装していない道の脇の草木は土ぼこりを浴びて真っ白で苦しそう。おまけに電気不足が日に日にひどくなってきて、停電が頻発。そのせいで水の供給にも支障が出て、ダッカ市内でもとくにミルプールあたりはかなり水事情が悪くなっているようです。

先ほど、災害発生時にいつもSituation Reportを送ってくれるDisaster ForumというNGOから「Situation Report #1」と題するメールが届きました。まだ洪水の季節でもないのに何のSituation Reportだろ?と思って見てみたら...「下痢が蔓延、平年の3倍」という内容でした。

3~4月ごろの急に暑くなる時期、バングラデシュでは下痢が蔓延し、ダッカにあるバングラデシュ国際保健人口研究センター(旧名国際下痢性疾病研究センター:略称ICDDR,B)の入院病棟が満杯になっている写真が毎年新聞に載るんですが、今年は下痢の蔓延の時期がいつもより相当早いらしいんです。送られてきたSituation Reportに載っていたICDDR,Bの医師の談話によると、昨年の今頃は毎日の新規入院患者数が1日250人ぐらいだったのが今年は700人を超えているそう。通常下痢蔓延のピークは4月後半なんだそうですが、そのピーク並みの状況が今年はもう来てしまっているのだそうです。

昨年の3月の1ヶ月間の総入院患者数が7890人、おととしは6765人だったそうですが、今年は3月11日から14日までのたった4日間でもう2792人になってしまったとのこと。その多くは小さな子ども、それもスラムや都市周辺の住環境の悪いところに住む貧しい人たちです。こういったところに住む人たちは汚れた水を飲まざるを得ず、暑さで腐りかけた食べ物を口にすることも多いからです。

シャプラニールの2つのダッカでのプロジェクト、「ストリートチルドレン支援プロジェクト」と「家事使用人として働く少女支援プロジェクト」で支援する子どもたちにも、下痢や体調不良がかなり出始めているようです。子どもたちがセンターやスラムの家などで口にする水や食べ物によくよく気をつけるよう、各プロジェクトの現場を受け持つパートナー団体のスタッフには例年以上に気を配ってもらわないといけません。

私も今朝から風邪を引きました。朝、目が覚めたとき、暑いと思って寝ながら天井のファンを回したら、5分で喉が痛くなりました。鼻水ポタポタでツライです。お腹は元気ですが...。

いよいよ、しんどくて長ーい、バングラデシュの暑い夏の始まりです。

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砂の地面に穴を掘って入り込んでいるニワトリ。時々盛大に羽を広げてバタバタして砂を浴びる。そんなことして気持ちイイのかい、トリよ?


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投稿者: shaplaneer 日時: 23:41 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

2009年3月14日

 ボシュンドラ火事・続報

ボシュンドラ・シティでの火事はなんとか昨夜9時ごろおさまったようです。今朝の新聞によるとこの火事で少なくとも7名が死亡、20名負傷ということです。8階以下のショッピングモールには火は回らずにすみましたが、ボシュンドラ・グループのオフィスが入っていたオフィス棟の6階分が燃えてしまいました。

きのうのブログに「ショッピングモールは休みだった」と書きましたが、それは間違いで、モールはやってたみたいですね。お店にも映画館やフードコートにもたくさん人はいたけれど脱出したようです。かなりパニック状態だったようですが、映画館にもたくさん人はいたにもかかわらず、脱出時に将棋倒しになるような事故が起こらなかったのは本当によかったです。

それにしても昨日ボシュンドラ・シティを取り囲んだ見物人のすごかったこと。何千人、何万人という人が道に溢れていました。家族や自分の店を心配して見守っていた人ももちろんたくさんいたはずですが、大半は野次馬です。携帯片手に写真を撮る人も。ボシュンドラ・シティ前の道路、Panta Pathは人の海で、消火や救助のための車両が駆けつけるのにも支障を来たす始末。

そして後からわかったのは、ボシュンドラ・シティのビルの中にはちゃんと自動消火装置はついていたのだけれど、スプリンクラーに給水するタンクに水が入っていなかったため作動しなかったということ。どんな立派な装置をつけても水が入ってなきゃ意味がないじゃないか!これを機にショッピングモールの消火装置の点検が厳しくなるといいんですが。

ショッピングモールは焼けずにすみ、バングラデシュ最初のマルチ・シネプレックスも無事でしたが、モールは2日間休業するそうです。


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投稿者: shaplaneer 日時: 13:10 | | コメント (0) | トラックバック (0)

 

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