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インド洋津波・スマトラ地震の被災者救援募金にご協力を
 

◆ニュース

05/04/22

スリランカ現地調査報告を掲載スマトラ沖地震:募金にご協力を

05/04/06
アンダマン・ニコバル諸島の調査報告を掲載
アンダマン・ニコバル諸島の被災地の写真を掲載
◆イベント
05/02/27
チャリティ・コンサート〜スマトラ沖地震・津波被災地へ愛よ届け〜終了しました
05/03/13

チャリティ・コンサート for 国際協力(シャプラニール・ユース主催)終了しました




シャプラニールは、緊急救援原則のもと、2004年12月26日の大地震発生の翌日から、活動地であるバングラデシュの被災状況を確認した。また、被害の大きいスリランカ、インド南部での現地NGOを通じた救援活動の実施を決定し、現地調査のために駐在員を派遣、日本国内での募金の呼びかけを開始した。

スマトラ島沖地震・インド洋津波〜スリランカでの救援活動

1. スリランカの被害状況
(2005年2月1日現在)

死者30,974名、行方不明者4,698名、
被災世帯248,266家族、国内避難民(IDPs)553,287名

2. 現地視察・調査について

  • 第一次派遣:(小松カトマンズ事務所長)
    2004年12月29日〜2005年1月8日
  • 第二次派遣:(藤崎)
    2005年1月18日〜2月7日
  • 第三次派遣:(小松カトマンズ事務所長)
    2005年3月16日〜3月31日
  • 第四次派遣:(防災対策専門家ロフィクール・アロム氏、藤崎)
    2005年3月28日〜4月14日
3. 支援内容
スリランカからのレポート
現地NGO
説明
活動地域
支援内容
知己のスリランカ最大規模のNGO。日本政府や緊急救援NGOもここと協力関係にある。
特定せず
スリランカからのレポート他ドナーからの資金がつきにくい管理費(臨時雇用スタッフ人件費、通信費など)
ネパールのNGO連合会(農地改革や農業改良のための中小NGOの連合体)から紹介された。この連合体や傘下の団体・関係者が行う活動を支援。
特定せず
(1) 避難キャンプにおける衛生状態の悪化を防ぐためのタミール語、シンハラ語の啓蒙ポスターとリーフレットの作成配布。
(2) 非被災地のボランティアを被災地域に送り、瓦礫撤去などの活動を行うのに際し発生する交通費や用具の購入
東部アンパラ県
(3)政府やNGOの支援が届きにくいムスリムコミュニティでの仮設住宅建設。
TECH
知己のNGOでタミル人中心。LTTE支配地域で活動を実施。
Mulaitivu
もしくはTrincomalee
飲料用掘り抜き井戸の洗浄(海水などによる汚染状態にある)のためのポンプ10機購入とそれを操作するための燃料費、人件費
スリランカからのレポート
インド洋津波〜インドでの救援活動

1. 現地視察・調査について

  • 第一次派遣(白幡ダッカ事務所長)
    ナーガパトナム県、カダロール県をソムニードと合同調査
    2005年1月6日〜1月10日
  • 第二次派遣:(白幡ダッカ事務所長、ダッカ事務所スタッフの2名)
    アンダマン・ニコバル諸島を調査
    2005年3月12日〜3月19日 

3. 支援内容

インドからのレポート
現地NGO
説明
活動地域
支援内容
南インドで活動する日本のNGOで当会の友好団体でもある。ソムニードは被害が最も甚大だった南部タミル・ナドゥ州での救援活動を実施。
ナーガパトナム県、カダロール県
インドからのレポート左記地域を中心に被害状況を調査。政府の支援が入りにくい県境地域での活動を検討中。
PRAYAS
路上生活を余儀なくされたり、児童労働に従事させられる子どもの人権を守ることを目的に、デリー、グジャラート、ビハール、ハルヤナ、アッサムの5州で活動。
アンダマン・ニコバル諸島
ポートブレアにてチャイルド・ヘルプライン(こども電話相談窓口)と危機管理センターを設置して、ホームレスや身寄りのない子どもたちを対象とした支援活動を行う。
SEEDS
地域に根ざした防災・環境マネジメントを行うインドのNGO。緊急救援・復興活動や、防災対策を10年以上にわたって行う
アンダマン・ニコバル諸島
行政と協働しながら避難キャンプの運営と被害の実態調査を実施。キャンプ内ではシェルター、食糧配給、トイレやキッチンなどの衛生設備、テレビやラジオなどを提供。

インドからのレポート

■シャプラニールの救援原則

1.シャプラニールの規模災害に対する対応原則

  • シャプラニールの活動地である、バングラデシュとネパールで大規模な災害があった場合には、通常の活動を中断し、全力で自ら直接に救援活動を行う。
  • 他の南アジアの国での災害では地元のNGOを通じて救援活動を行う。

2.他の南アジア諸国で直接実施しない理由

  • 現地事情に詳しくない、緊急救援が専門ではない、さらに緊急援助の初動に必要な十分な資金を持たない私たちが現地で活動しても、効果的・効率的ではないし、却って邪魔になることもある。
  • バングラデシュやネパールでのネットワークを通じて、現地の信頼できるNGOとパートナーシップ関係を持てる。但しスタッフの現地への派遣はなるべく行い、信頼関係の情勢や活動の支援を行う。


■救援活動と対応で意識した点


1.スリランカ

  • 民族紛争とLTTE支配地域
  • 他の援助機関が見落としがち/避けたがる項目や分野の支援、現地のボランタリズムの振興
  • 災害常襲国バングラデシュにおける、民衆中心の災害予防やコントロールの視点の共有
  • 大規模ドナーによる、構造物を中心とした復興計画への警告 

2.インド

  • タミル・ナードゥ州:最大の被災地として、最初に報道と注目
    -インド政府の「外国援助お断り」と外国資金に対する規制緩和(FCRA)
  • アンダマン・ニコバル諸島:
    −震源地に極めて近いが、報道も注目も少なく、被害の詳細が伝わらない
    −アンダマンは外国人の、ニコバルはインド人も、立ち入りが規制された地域
    −アンダマンでは、軍事基地とインド人リゾート客が被災
    −ニコバル諸島には、いくつかの先住少数民族、当初絶滅の報道がなされた
    −インドのNGOのネットワークを通じてのNGO探し

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▼最新情報

■スマトラ沖地震・インド洋津波救援・復興活動
〜スリランカ現地調査報告〜
(4月22日 17:00 小松豊明カトマンズ事務所長)

3月16日〜4月2日にかけて、インド洋大津波被害者支援活動に関し、スリランカへ出張した。以下にその報告を行う。

1. 目的
1) 今後の支援活動の形成
2) これまで支援してきた活動のモニタリング
3) バングラデシュ専門家派遣に関する調整業務

2. 現地視察報告

1) 東部アンパーライ郡における仮設住宅建設

Kumariたちが建設した仮設住宅
Kumariたちが建設した仮設住宅
シャプラニールの資金によって建設中の仮設住宅
シャプラニールの資金によって建設中の仮設住宅

シャプラニールの資金によって建設中の仮設住宅

TECHによって洗浄された井戸

Kumariと現地の青年が共同で取り組む仮設住宅建設の現場を訪ねた。タミル居住地区に17世帯分、ムスリム居住地に21世帯分の仮設住宅を建設済みで、それぞれで人々が生活している。これらはKumariの友人などから個人的な寄付金を得て行われたものである。タミル地区の居住者はみな大工を生業としており、仮設住宅の建設時も彼らの協力を得て行われた。シャプラニールからの資金100万ルピーにより、ミーラナハルと呼ばれる地域で、ムスリムを対象とした26世帯分の仮設住宅の建設を行う予定である。訪問時は6世帯分の住宅が建設中であった。土地はその地域の有志が恒久住宅建設まで一時的に提供してくれたものである。これら建設中の住宅に入居予定の人々にも会って話を聞いたが、いずれも現在友人や親戚の家に仮住まいをしているとのことであった。

付近では他のNGOなどが同様に仮設住宅の建設を行っており、それぞれモデルが異なる。Kumariの説明によれば、当初屋根も壁もトタンで囲われた住宅が多く室内の温度が非常に高くなっていることが想像されたが、彼女たちによって建設されたカジャン屋根、木製壁のモデルを見て、他の団体もカジャンを用いたりトタンを一部木材に変更したりしているようである。

1世帯分のコストがおよそ22,000ルピーなので、約40世帯分建設できる計算だが、残りの14世帯分についてはティルコヴィルというアッカライパットゥよりももう少し南に位置する場所に建設したいとの申し出があった。これは、ティルコヴィルにおける被害状況に比べて支援の手がまだ充分届いていないという認識からである。シャプラニールとしては、より手の届いていないところへの支援を行いたいという基本的な考えがあるため、ティルコヴィルでの建設についても問題ないと伝えた。

尚、Kumariたちは今後必要な活動として更なる仮設住宅建設のほか、漁民に対するボートやネットの支給、親を失くした子どもへの対応、女性世帯への鶏の配給、学校へ通うための自転車の支給、地域図書館の再建、といったことを考えているとのことであった。

トリンコマリ郡へ移動後、TECHが行う当会の活動地であるキニヤを訪れた。海岸から近く、大きな被害が出た場所である。トリンコマリ中心部からキニヤへ行くためには小さな湾を渡るため、政府が運営する無料はしけを利用する。私たちが訪ねた場所に住んでいるのはほとんどがムスリムとのことだった。ここでは、TECHによるコーディネーションの下、現地のボランティアが井戸の洗浄作業に当たっている。そのうち中心的役割を果たしている1人に話を聞いた。

ジャリルさん:
ジャリルさんとポンプキニヤのファイサルナガルという集落に居住。雑貨店を営む。彼の家には津波は到達しなかったが、孫を2人失くしている。村にある井戸のうち住民からの要望があった井戸について洗浄作業を行なっており、これまでに75基の洗浄を終えた。他に2人の村人とほぼ毎日井戸の洗浄作業に当たっている。この日も、7軒を回ったそうで、夕方日が暮れてから家に戻ってきたところをようやくつかまえて話を聞くことができた。井戸の洗浄は水を汲み上げて水を入れ替えればよいというものではなく、そこに溜まった塩分を含んだ砂の掻き出しなどを含め何度か作業を繰り返さなければならない。1基につき3〜4回は繰り返す必要がある。他のNGOも井戸の洗浄をしにやってくることがあるが一度水を汲み上げるだけで帰ってしまうためあまり役に立っていない。店は妻が守っている。

「お金にはならないけれど、同じ村に住む人々のためだから」と言う彼の淡々とした表情が印象的だった。

【ケーススタディ
ロフィック・ハッサン・バワさん
ロフィックさんが開いた茶店妻と子ども2人、父母、妹と一緒に暮らしている。津波に襲われた際、走って逃げた。3日後に家に戻ったところ何も残っていなかった。波に流されたものもあるだろうが、誰かが盗んでいったんだろうと言う。家財道具のほかに現金2万ルピーと1万ルピー相当の貴金属類を失った。しばらく学校の建物を利用したキャンプ地で生活していたが、1月の3週目に家に戻って生活を再開した。元々、他の人のボートを借りて漁を営む漁師だったが、怖くて海には戻れず、政府から支給された現金を元手に家の横に小さな茶店をオープンさせた。1日当たりおよそ1,000ルピーの売り上げがあり、利益としては200ルピー程度である。これでは家族を養うのに充分ではないという。彼の家の井戸もジャリルさんたちによって3度洗浄が行われ、現在その水を飲料水としても使っているという。味も大丈夫だし今までのところ健康上の問題も現れていない。

井戸洗浄活動翌日(3月28日)、TECHのもうひとつの活動地(井戸洗浄に関して)であるイッチランパットゥへ向かった。トリンコマリ市街から南へおよそ50km、車で2時間半ほど走ったところにある。ここではVirutcham(ヴィルットシャム=一番大きいもの、という意味)という地元NGOを通じて井戸の洗浄活動を行っている。これまでに200基ほどの井戸について2回ずつ洗浄を行った。このうちいくつかの井戸はICRCによる水質チェックをパスし、被災者用に設置されている給水タンクの水源として利用されている。

2) SEWALANKA活動地視察
3月29日から31日にかけてゴール、マータラ、ハンバントタの各郡を視察。ハンバントタ郡では、タンゴールという地域に建設された仮設住宅をいくつか見てまわった。

31日、コロンボへの帰路、再びSEWALANKAのゴール事務所へ寄り、MONLARのメンバー団体でゴールとマータラへボンラティアを派遣し井戸の洗浄や瓦礫の片付けなどを行っているSavisthriのメンバーと話をした。

3. まとめ
以上の現地訪問およびその他から得られた情報から、スリランカにおける復興支援の現状を以下にまとめる。

1)住宅建設
各地で仮設住宅の建設が進み、多くの被災者が現在仮設住宅で生活している。当初学校などがキャンプ地になっていたが、現在はそうしたキャンプ地はほとんど残っていない。

LTTE支配地域では仮設住宅のデザインが統一されており(カジャン屋根、コンクリートブロック壁)、全ての仮設集落はTROが管理している。一方、それ以外の地域ではNGOなどが独自のデザインによる仮設住宅の建設を行っており、各NGOへ担当地区の割り当てが行われている。ただし、トリンコマリでみられたように政府による土地の確保が遅れたため、仮設の建設がほとんど始まっておらず、みなテントでの生活を余儀なくされているという地域もある。

ドイツの団体によって再建が進められている住宅また、Planが新たな土地で恒久住宅の建設を始めているほか、ドイツの団体が残された基礎や窓枠など建物の一部を利用する形での住宅の建て直しを行うなど、恒久住宅の建設事業も始まっている。しかし全体としては、100〜200m以内の住宅建設禁止問題などを含め、政府による土地の配給政策が思うように進んでいないことから、いつ、どこに新たな土地と住宅が与えられるのか、明確な見通しは立っていない。

2)政府による補償
2月から被災世帯に対して月額Rs.5,000が支給されている他、米やダル、砂糖、油といった食糧の配給も行われている。これは親戚や友人宅に仮住まいしている世帯も対象となっている。また、死亡した人の家族に対して見舞金の支給も行われている(具体的な金額は不明)。尚、SEWALANKAを含め独自に食糧の継続的な配給を行っているNGOもある。

3)Water and Sanitation
仮設区域には給水タンクが設置され、定期的に給水車による飲料水の補給が行われている。トイレに関しては2〜4世帯に対し1つの割合で設置されている。元々あった井戸を利用できる世帯に関してはMONLARやTECHを含めNGO等による井戸の洗浄作業が行なわれている。井戸に関しては飲料水としての利用を再開するためには複数回にわたる洗浄が必要であり、また水質検査も行われるべきである。

3)生活手段再興への支援
多くの漁民が被災し生活手段を失ったことから、ボートや網の配給、修理費用の支給をいくつかの団体が実施している。これらの多くは元々ボートを保有していた被災者が対象であり、ボートを借り受けていた漁業従事者に対する支援とはなっていない。また、一人の漁業者が複数の団体から船の配給を受けるといった重複のケースもあるようだ。

各支援団体は次のステップとして、こうした生計手段の建て直しに向けての支援活動を実施しようとしているが、多くはボートの配給、ミシンの配給、といったモノの無償供与となっている。SEWALANKAでは小規模融資のアイディアも聞かれたが、まだ具体的には始まっていない。
また、一部NGOがCash for Workによる道路拡張事業などを行っている(GOAなど)。

尚、同行したロフィック氏からは以下のようなコメントが出されている。

  • 住宅建設等に関して:多くの場合、仮設住宅の建設コストが高い(例:SEWALANKAが建設しているモデルはRs.78,000/unit)。また破壊された建物の資材(レンガやブロックなど)が仮設の基礎やトイレの建設等に利用されるべきである。トタン屋根は内部の温度が上がりやすく、子どもの顔に熱射病(?)による発疹が現れている例も目撃された。

  • 農業関連:仮設地区も含め、ココナツなど塩分を含んだ土地でも生育可能な植物を植えてはどうか。また早期にリターンが期待できるバナナを植えることも収入向上の面で有効。塩害にあった田畑では、塩分を取り除くことだけではなく現状にあった作物の導入を指導することも考えるべき。養鶏などの普及も有効。

  • 災害サイクルに基づいた活動:救援、復興/再建、開発というサイクルに基づいて活動計画を立てなければならない。スリランカの現状を見ると全てが一緒くたになっている感がある。また、被災者の援助への依存を防ぐためにも食糧等の無償供与は最長でも120日間に限られるべき。

  • 今後の防災対策:数日前に発生したスマトラ沖の地震でも明らかになったように、津波発生から3カ月以上が経過した今も、有効な防災対策が立てられていない。バングラデシュの経験から言えば、警報システムや日頃の準備を含め、有効な防災対策が行われ災害発生時に適当な対策が行われれば、今回各世帯が経験した損失の多くは防ぐことが出来る。

■スマトラ沖地震・インド洋津波救援・復興活動
〜アンダマン・ニコバル諸島の調査報告〜

(4月6日 14:00 
白幡ダッカ事務所長)

桟橋が津波で壊れたため仮設の桟橋を使って物資の積み下ろしをしている、ハットベイ
リトルアンダマン島ハットベイの被災状況
ポートブレアにある政府のキャンプ、通路をテント代わりにしている

<調査日程>
 2005年3月12日(土)から19日(土)までの8日間にわたり、ダッカ事務所長の白幡利雄ならびにプログラム・オフィサーのポリモール・クマール・ライの2名がアンダマン・ニコバル諸島にて調査を行った。
 
<調査目的>
 パートナー団体であるSEEDSおよびPRAYASの活動状況を視察すること。また、今後の活動内容とそれに対する追加送金をする必要の有無を判断する。

<津波による被害状況>
アンダマン・ニコバル諸島全体で被害が大きかったのは、南から順にキャンプベルベイ(グレートニコバル島の東部)、カールニコバル島とその南につらなるナンコウリ小島群、ハットベイ(リトルアンダマン島の東南部)の3地域だったといえる。これらの場所でも人的被害が大きかったのはニコバル諸島、特にカールニコバル島とナンコウリ小島群(死者はカッチャル島に集中)に偏っており、これ以外の場所は沿岸部の建物に甚大な被害が生じたものの、人的被害は軽微だったといえる。

以下の表は、3月23日付けでインド政府が発表した被災状況報告から、人的被害の部分のみを一覧にしたものである。なお、地域のまとめ方等は分かりやすくするため、筆者の方で若干の編集を施した。


アンダマン・ニコバル諸島の被災状況

この一覧から分かるように、現在確認されている死亡者数は1,405人だが、依然として行方不明になっている住民が約5,800人おり、最終的な死亡者総数は7,000人を超えるだろうといわれている。またそのほとんどがニコバル諸島に集中していることも明らかである。

<パートナー団体の活動状況>
(1)SEEDS

SEEDSが建設中の仮設住宅、4月15日までに600戸設置予定、ハットベイ

1月28日から主に2つのキャンプでの救援物資配給活動を実施したが、SEEDSとしてはキャンプおよびキャンプでの支援活動を長く続けることは、被災者の自主的な生活再建を疎外するだけだという認識があり、救援活動は2月中旬で終了。その後、2月20日にようやくインド政府から仮設住宅建設の許可と600戸分の配分を受けることができ、翌日からリトルアンダマン島のハットベイにて建設作業を開始した。4月中旬以降、モンスーンによる雨期が始まるため、4月15日までにすべての建設を終えることが目下の急務であり、現在はこの仮設住宅建設を中心に活動を展開している。

(2)PRAYAS

リトルアンダマン島では津波後、マラリアの患者が増加した、PRAYASは夜間緊急診療用のテントを設置するなどの支援を実施
PRAYASの子どもクラス、ハットベイのベンガル人集落
PRAYASの子どもクラスの様子、リトルアンダマン島ハットベイ

1月7日にポートブレアの社会福祉局内の一室を借りて事務所を設置し、同時にチャイルドラインの活動を開始。2月末までは政府が設置した各キャンプにおいて、救援活動としての物資配給(蚊帳、ビスケット、生理用品等)を実施した。子どもたちに焦点をしぼったケアを行うことがPRAYASの特長であり、現在はポートブレア、ハットベイ(リトルアンダマン島)、カールニコバル島、キャンプベルベイ(グレートニコバル島)の4カ所に事務所を置き、それぞれローカルスタッフを10名前後雇用する体制となっている。その活動の中心は、各キャンプにおいて毎日午後の1時間半ほど、子どもたちを集めてのレクリエーションの時間をもつことで、同時に必要なカウンセリングサービスも提供している。

<今後の課題>

4月中旬以降に始まるモンスーンによる雨期を前に、救援活動から復興支援段階へと移行しつつあり、全体的に落ち着いた状況にあるといえる。しかしながら、政府による中長期的な復興計画がいまだ策定されておらず、当面の仮設住宅建設しか具体的な活動がないことが、住民にとって大きな問題となっている。また、津波による被害がニコバル諸島方面に偏っていたことも、今後の事態をより不透明なものとしている。復興支援段階では、大手NGOの大半がニコバル諸島での活動を中心にする予定とのことだが、もともとカールニコバル島を中心に居住しているニコバリーの人々は、そのほとんどがChurch of North Indiaというプロテスタント系のキリスト教会に属しており、その牧師を兼ねている族長が絶対的な権力をもつ閉鎖的な社会を構成している。こうした先住民族の社会に対して、外部者であるNGOなり政府なりが、どの程度中長期的な開発活動を実施していけるのかが、今後注目すべき点であると言える。

 



■スマトラ沖地震・インド洋津波救援・復興活動
〜スリランカにバングラデシュの防災対策専門家を派遣〜
(3月26日 17:00)

スリランカにバングラデシュ人の防災対策専門家ロフィクール・アロム氏(BDPC:Bangladesh Disaster Preparedness Centre、民衆中心の防災活動に歴史と定評をもつバングラデシュNGO)を、3月28日〜4月10日の日程で派遣します。

被災地を視察し、民衆中心の災害対策が進むバングラデシュの事例と比較しながら、シャプラニールが支援する地元NGOや有識者との意見交換を行います。訪問の最後には、津波復興支援を行うNGOや組織に対する提言を行う会議をコロンボで予定しています。

同氏の派遣に伴い、東京事務局の藤崎をスリランカへ派遣(3月28日〜4月14日)。ロフィクール氏に同行するとともに、同氏の提言を受けたプロジェクト形成の可否をパートナー団体とともに協議します。



■スマトラ沖地震・インド洋津波救援・復興活動
〜募金の受付を終了しました〜
(3月23日 11:30)

シャプラニールは3月22日(火)をもちまして、スマトラ地震・インド洋被災者救援・復興活動に関する募金の受付を終了しました。これまでたくさんの個人、企業、団体の方からのご協力をいただき本当にありがとうございました。

募金の受付は終了しますが、津波被災者の復興活動は今後とも継続していきます。復興活動に関する最新情報は引き続きインターネットにて掲載していきますので今後ともよろしくお願いいたします。

※もしも、3月22日以降にご寄付頂いた方がいらした場合は、きちんと津波被災者復興支援活動の資金に充てさせてさせていただきますのでご安心ください。


■スマトラ沖地震・インド洋津波救援・復興活動
〜アンダマン・ニコバル諸島からの報告1〜
(3月19日 11:30 白幡ダッカ事務所長)

◆全体状況

  • アンダマン&ニコバル諸島全体で、被害が大きかったのは3ヵ所。キャンプベル・ベイ(グレートニコバル島の南部)、カールニコバル島、ハット・ベイ(リトルアンダマン島の東南部)。これ以外の場所は沿岸部の建物に被害が生じたが、人的被害は軽微(ハット・ベイも人的被害は少なかった)

  • 地政学的に重要な位置を占め、かつ先住民族の扱い等微妙な問題を抱えている地域のため、当初からすべての緊急救援と復興計画は政府の完全な支配下におかれ、実際物資の配給等も政府からのものがかなりの割合を占めた。これまでに先住民族も含め、家屋に被害のあった世帯には一律13,000ルピーが、また貧困世帯には2,000ルピーの現金が、それぞれ支給されている。

  • 国策として移住計画が進められてきた歴史経過もあり、就業人口の約半分が公務員か、あるいは行政からの下請けの業務に従事しており、識字率も高く、経済的に非常に恵まれていると言える。また被害の少なかったポートブレア周辺では、家屋と家財をなくした人にとって厳しい状況が続いているとはいえるが、すでにピーク時と比べて半減したといわれるキャンプを回っても、非常に落ち着いた状況が見られた。

  • 4月中旬からモンスーンが始まるため、それまでに仮設住宅を1万軒作ることが目下の急務。このうち、3,850(SEEDSはうち600)がNGOの業務として配分されたが、ここまでの決定に時間がかかったため、各NGOは建設をなんとか4月15日までに終わらせるよう、急いで仕事を進めている。その後の恒久的な住宅建設や復興計画は、状況を見ながら作られていく模様。

  • カールニコバル島からは津波後、政府が船とヘリコプターで多くの住民をポートブレアのキャンプに連れてきたが、2月下旬から徐々に住民の帰還が始まっている。他のキャンプも、仮設住宅の建設が終わり次第、そこへの入居をもってすべて撤去される予定。

  • アンダマン&ニコバル諸島で活動するNGOはすべてポートブレアに拠点をおいているが、独自の事務所を開いているところは少なく、ホテルに仮の事務所をおいているところが多い。SEEDSもそうで、隣のホテルにはADRAインディアとActionAid、さらに隣にはWorldVsionが入っている。また私たちが泊まっているホテルには、Oxfamが事務所を置いている。Prayasは社会福祉省のビルの中に部屋をもらって事務所としている。

  • 被害の大きかった3ヵ所のうち、NGOが活動できているのはハット・ベイのみで、キャンプベル・ベイでは限られたNGO(Prayasuもその一つ)が通常とは別の許可をとって活動している。ただし、キャンプベル・ベイは船で片道3日半もかかる遠隔地にあることも、政治的なこと以外に大きな理由となっている模様。

  • カールニコバル島は島全体が平らだったことが、被害を甚大にした模様。いまだに行方不明者が5千人以上ともいわれており、被害の実態は正確につかめていない。もともと先住民族のほとんどがクリスチャンということもあり、その宗派系のNGO、Church of North India が政府以外の組織としては唯一、活動を許されている。カールニコバル島を含め、アンダマン&ニコバル諸島全体に大きな影響力をもつ、先住民族評議員会(Tribal Council=正式名称は調査中)とも太いパイプをもっていることが重要なようで、この団体はそれもクリアしているとのこと。ただし、Prayasが現在、カールニコバル島での活動許可のとりつけに成功しそうな状況にあるため、今後はもう少し情報が入ってくる可能性はある。


◆リトルアンダマン島の状況

  • 現在も7つあるキャンプへの支援物資は順調に届いており、だぶつき気味なのはポートブレアと同様。しかし、もともと20キロ以上続く長い砂浜沿いにほとんどの住民が集中して住んでいたことから、家屋やその他建物への被害は甚大。津波から2ヵ月半が経ったとは思えないような惨状をいまだに呈している。学校もまだ再開されていない(ポートブレアでは1月末から再開)。

  • 地震の際、大きな波は4回にわたって襲ってきたが、最初の比較的小さな波で皆避難したため、人的被害は少なかった(それでも30人強が死亡)。先住民のオンギの人々が住む小島は訪問が禁じられているため実態は分からないが、死者はほとんどなかった模様。また家屋についても、もともと葉や木ギレを使った簡素なものだったため、すぐに自分たちで再建しているとのこと。

  • 島の人口は1万数千人と言われており、最大派閥はベンガル人(主にココナツ油や観光業等のビジネスに従事)。その他テルグ(漁民が中心)、ニコバリー、オンギ等がいるという構成。千数百人いると言われるニコバリーの集落も訪問禁止だが、Prayas の活動地ということで、訪ねることができた。もともと群生するココヤシを乾燥させたもの(コプラ=ヤシ油の原料)を生活の糧にしていて、比較的豊かな生活をしてきた基盤があり、Church of North India(ニコバリーの帰依する宗団、ここのビショップがトライバル・カウンシルのメンバーに入っているらしい)と政府の支援もよく行き届いていた。自宅の再建も、自分たちの力ですでに開始されている(仮設住宅は生活スタイルが異なるため、拒否している)。

  • NGOは SEEDS、Prayas を含めて10数団体が活動している。しかし移動の不便さと政府との関係、コミュニティへの足がかり等の問題から、例えば WorldVision のような大きな団体でも直接の活動は行わず、Prayas を通じての物資供給に留めるなど、全体的に活動のしづらさが目につく。以前は観光のメッカとして多くあったホテルやロッジなども全滅してしまい、宿泊施設の確保ができないのも一因。


■スマトラ沖地震・インド洋津波被災者救援・復興活動
〜アンダマン・ニコバル諸島とスリランカへスタッフを派遣〜
(3月15日 PM19:00)

アンダマン・ニコバル諸島スリランカへ支援先団体のモニタリングと復興支援活動の調査のため下記の日程でスタッフを派遣。調査報告は随時掲載していきます。

  • アンダマン・ニコバル諸島(2005年3月12日〜3月19日)
    白幡ダッカ事務所長とダッカ事務所スタッフの計2名を派遣。

  • スリランカ(2005年3月16日〜3月31日)
    小松カトマンズ事務所長を派遣。

   
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