おとといはベンガルの新年、「ポイラ・ボイシャキ」でした。
バングラデシュでは西暦の1月1日はまったくの平日。お祝いする人はほとんどいないし、職場も休みになりません。ベンガル人にとってのお正月は、ベンガル暦の新年にあたる4月14日なのです。
この日、女性たちは赤と白の華やかなサリーに身を包み、新年を祝います。
私にとってバングラデシュでベンガル新年を迎えるのは始めて。実は少し前から買い物に出るたび、「なんでどの店も赤と白のサリーやサロワール・カミーズばかりなんだろ。暑いんだからブルー系のほうが涼しげなのに」などと無知にも思っていたのです。
しかしこれは新年を迎える晴れ着だったのでした。紅白の衣装でお祝い、というのはなんとなく日本の感覚にも似ていますよね。
商売をしている人はこの日に新しい帳簿をおろすのが習慣で、借金の返済なども年の終わりに終え、すっきりしたところでお祝いする、というのが本来の慣わしだそう。借金や借り物は年を越さずに返さないと、という感覚もなんとなく日本と似ています。
そしてベンガル正月の食べものといえば、国の魚のイリッシュ、じゃがいものボッタ(ゆでた野菜や魚などをつぶして香辛料といっしょに丸めたもの)、そしてパンタ・バート(お茶漬けならぬご飯の水漬け)が定番だそうです。
おとといは「元旦」だというのに自宅でひとり。
前夜、日本に帰国する友人のお別れ会で少々夜更かしし、朝遅く起きたら、外からトントコ太鼓の音が響いてきました。窓に駆け寄ってみると、紅白の服を着た子どもたちが、太鼓を鳴らし、おみこしやのぼりのような飾りを持って、家の前の道を行列していくのがみえました。
テレビをつけると広場に続々と集まり、旗やカラフルなウチワを持ったり、顔にペイントしたりしてはしゃぐ若者たち。
いいなあ、ひとりはつまんないなあ、と思っていた「ピンポーン」とドアに誰かが。それは大家さんからの届け物でした。素焼きの小さな器にきれいに盛り付けられたベンガルのお菓子。温かい気遣いにうれしくなりながら、もし私が日本でアパートの大家だったら、そしてそこにバングラデシュ人の住人がいたら、お正月にわたしは何をしてあげるのだろうか、とふと思いました。
前にも書きましたがベンガル暦はほんとうにここの季節に合っていて、不思議なほどです。
月の変わり目にあわせて気候が変わっていきます。
正月であるボイシャク月の直前からスコールがはじまりました。
「大晦日」にあたる日は夕刻から嵐が来て雷とともに雹が降り、外に出られず事務所で雨が止むのを待っていたら、ベンガル人の同僚が「年の終わりはいつもこうなんだよ」と言っていました。
乾期の間中苦しめられた私の咳は、本格的な雨がふりはじめた途端ぴたりと止まりました。
これからどんどん暑くなり、湿気も高まっていきます。
蒸し暑い気候の中、毎日停電続きでしんどいですが、5月になればライチのシーズン。そしてそのあとは待ちに待ったマンゴーの季節がやってきます。
(2006年4月17日)