こんにちは。広報の長瀬です。先日、ピースボート災害ボランティアセンター(以下PBV)が開催した「西日本豪雨支援 中間報告会」に参加しました。

シャプラニールとのつながりは、2016年の熊本地震で現地でのPBVの緊急救援支援に加わったことがきっかけでした。わたしもシャプラニール派遣スタッフとして、今年7月の西日本豪雨が発生した際には岡山県倉敷市真備町の災害ボランティアセンターのサテライト運営(ボランティアコーディネーターを担う)の活動に加わりました。詳しい活動内容はこちらからご覧ください。

さて、今回の中間報告会のお話の中心は、現在の真備町とこれからについて。
現在もある課題の中でも大きいのは、発災当時に住民の方々が心配をしていた「コミュニティのつながりが薄くなること」。発災後に移り住んだ場所は広く点在しているため、コミュニティの再形成やネットワークの再構築などを希望する声が上がっています。そういった住民の声を調査し、真備ではバラバラになっていた人々が再会できるサロンや気軽に参加できるイベントの開催を積極的に行っているそうです。

シャプラニールの東日本大震災復興支援の中で、交流スペース「ぶらっと」の運営をしたこともあり、やはり住民同士のつながりを取り戻すにはコミュニティ形成は不可欠だと改めて感じました。pbv_houkoku_01
PBVの活動地では、これからもボランティアの力はもちろんさまざまな支援を必要しています。私たちが活動に加わった発災直後と8月中旬から変わらず、現在も住民からの家屋清掃の作業要請(ニーズ)があり、新たな支援ニーズも寄せられるため、1ヶ月のニーズ数は少なってきているとは言え、約150件となっているそうです。夏は猛暑との闘いでしたが、これからもっと寒くなる中での作業は時間も限られます。多くの方の力が必要と話されていました。主な作業はカビなどの被害から家屋を保全するための家屋清掃です。(詳しくは以下★1)
pbv_houkoku_sagyo02pbv_houkoku_sagyo03

今回はこうした活動のお話をスタッフから聞いたあと、さまざまな立場からこれまで真備の復興活動に尽力された方々の中お三人からもお話を聞くことができました。発災時の実体験や現地での苦労や嬉しかったこと、さまざまな想い持ってこの日を迎えたこと、率直な言葉で、想いが溢れときには涙ながらに話されました。

まずは倉敷市選挙管理委員会事務局の高槻さん。発災当時1人で避難所の開設を担った倉敷市の職員で、避難者約2,000名の受け入れを行ったそうです。初めての災害時対応で苦心したこと、受け入れる側の難しさを痛感したといいいます。

そして、私たちもお世話になった箭田まちづくり推進協議会の守屋さん。ご自身も被災されたなか、災害ボランティアセンターという支援団体と協働しながらボランティアが真備地区で活動するための環境を整えてくださったキーパーソン。現在はこのような被害を二度と出ないよう決壊した河川のことを学び、行政と協働しながら自らのコミュニティでも管理に積極的に携わっていくことを決めているそうです。

最後に、倉敷市社会福祉協議会の山本さん。サテライトでは住民の窓口として関わりながら現在は個別の支援にとどまらず、サロン活動の場づくりコーディネーターの役割を担っているそうです。

・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

発災から5ヵ月経ちました。もう5ヵ月と思うかもしれませんし、まだ5ヵ月と思う方もしれません。でもこの5ヵ月でたくさんの方の生活が変化しました。住民からの声を拾い、形にすることで、一度無くなりかけていたコミュニティが少しずつ小さな輪を広げているのが分かりました。自分たちの育った大切なまちを守っていきたい、という強い気持ちが地域の力になっているようでした。

これからもさまざまな地域での復興支援活動は続きます。
こうした活動があること、現地では何が起こっているのか、ぜひ知ってほしいです。
pbv_houkoku
『災害は人ごとじゃない』、真備の方々が言っていた言葉です。

年末を機会に、もう一度、お住まいの地域の防災マップを広げて見てみませんか。
避難場所や災害時の連絡方法など基本から、まだ知らないことがきっとあるはず。

※写真提供:ピースボート災害ボランティアセンター

================================

▼「今できる支援」想いを形に。

  1. 現地で必要とされているものを寄付する
    SmartSupply
    「必要な人に、必要な支援を、必要な分だけ」
    支援したい方、支援がほしい方の支援物資やサービスのマッチングできる支援システムです。
  2. ボランティアとして現地で支援する
    倉敷市災害ボランティアセンター
    被災者の支援ニーズに答えるためボランティアセンターを運営しています。特に壁や床、天井など解体の知識と技術をお持ち方(大工や建築関係の技術者)も募集しています。まずは現地の最新情報、参加申込などをご覧いただけます。
    ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)★1
    ピースボート災害ボランティアセンターではボランティア募集を来年2019年3月まで延長することを決定しています。参加をご検討、参加をされたい方は以下より情報をご覧ください。
  3. 寄付をする
    赤い羽根共同募金
    中央共同募金会の赤い羽根共同募金では、被災された方々をい支援することを目的に支援金、義援金を現在も呼びかけを行っています。
  4. 現地の情報をリアルタイムで知る・共有する
    各自治体のホームページやSNSからご確認ください。
    ・倉敷市災害ボランティアセンター Twitter / Facebook