今日はなかなか忙しい一日だった。しかも昨日設置したインターネットのブロードバンドが思うようにつながらず、朝から英語とネパール語を使って悪戦苦闘。日本語であってもコンピューターの事になるとからきしだめなのだから、英語やネパール語となればどれだけの苦労か…。しかしその甲斐あって、午前中にスタッフ全員のコンピューターからメールとインターネットができるようになった。

お昼前にパタンのジャワラケルという場所に移動。CFJ(チャイルドファンドジャパン)ネパール事務所の開所式に出席。治安状況の悪化を理由にプロジェクト縮小、もしくはネパールから撤退してしまう団体もあるそうだが、新しいNGOが活動を拡大するというのはとても心強い。事務所も近いし、いろいろな形で関係が築けたらと楽しみにしている。

さてその後一旦事務所に戻ってから、パタンにあるグワルコという場所へ行った。ストリートチルドレン支援活動のパートナーであるJAFONの子どもたちがストリートドラマを演じるということでご招待を受けたのだ。これはお芝居に興味がある子どもたち約10人がスタッフと一緒に作ったもので、今日が初めてのお披露目となった。

初めて行ったグワルコの交差点は交通量が多い場所だった。車を降りて、ぐるりと見渡すと人ごみの中でも、ちょっと異なる雰囲気のグループがいる。ストリートドラマのグループだ。

準備中のドラマグループ.jpg観客集めのためにスタッフと子どもたちが歌に合わせて踊っていた。10分ぐらいだったろうか、ある程度周囲に人が集まったところで芝居が始まった。主人公はストリートチルドレン。路上にやってきて、大人や他のストリートチルドレンに嫌がらせを受けたりしながらも仲間同士で助け合う彼らの生活が演じられていた。主人公の少年が病気で亡くなってしまう悲しい結末、その頃には観客もすっかりお芝居に引き込まれていた。芝居が終わり、最後はJAFONが運営するHamro Sansar(直訳すると「私たちの世界」、子どもたちが食事をしたり宿泊ができる他、簡単な読み書きなどを教わることもできるセンター)の事を紹介する歌をうたって終了となった。

演じる子どもたち.jpg演じ終えた子どもたちは満足した顔で「どうだった?」と聞いてきた。楽しかったよ、と言うと照れくさそうな表情になった。帰り道子どもたちと一緒に歩いていると、軽く食べていこうと誘われた。もう一つ予定が入っていたので残念ながら私はそこから事務所に向かうことにしたが、スタッフと子どもたちがお茶屋に入っていく姿を見て、とても嬉しい気持ちになった。

子どもたちの生活は芝居のストーリーのように厳しいだろう、でも人の前で自分を表現することやみんなで一つの事を作り上げる楽しさ、自分の可能性に気付くことでそれらを跳ね飛ばす力につながっていく。その第一歩を踏み出したと感じた一日だった。(JAFONとのプロジェクトは2007年7月をもって終了となりました)

2006年6月9日