シャプラニールの事務所の前と横はまだ空き地になっていて、夕方になると近所の子どもたちが遊びにきて賑やかになる。遊びに来る大体顔ぶれは決まっていて、大きいの、小さいの合わせた4名が常連だ。

彼らにとっては、落ちているダンボール、建設用の資材(レンガや砂)が立派な遊び道具だ。しかも、かなりワイルドに遊ぶので、うちのガードやスタッフに注意されることもしばしば。先日は落ちているガラスをボールのように棒でたたいて遊んでいたので、前任者の小松さんに追いかけられていた。

私はネパール語が判らないので、よく彼らにからかわれる。

何語ともつかない言葉で話しかけられ(日本語のつもりなのだろうが)「解りません」と真面目なネパール語で答えると、彼らの悪ふざけはエスカレートする。そんな時にやり返せると面白いのだろうが、文字通り私には返す言葉を持ち合わせていない。でも相手にしてもらえるのは実は結構嬉しいことだ。

そして昨日。いつものようにワンパクぼうずたちがいた。

何と呼んだらいいのか知らないが、自転車のチューブを棒で転がして遊んでいたのが、目ざとく私の手元に気が付いた。外出の途中で買ってきたプラムだった。事務所で食べる分を取り分けた残りだったのに目をつけて「それは何?」と聞いてきた。

「何だと思う?」

「何でもいいからちょうだい」「ちょうだい」「ちょうだい」

それでは、と一つずつ上げたら

「2つちょうだい」ときた。

だめだめと毅然として態度で「一つずつだけ!」と言うと、結構あっさりと引き下がった。

雨が降りそうだったのでその場を離れたが、一番小さいのがすかさずプラムにかぶりついていた。うちのスタッフ曰く「体調によっては胃痛をおこすから気をつけたほうが良い」とのことだが、一ケだから多分大丈夫。

また明日も元気で遊ぼうね。