夕食後、家でメールをチェックしていたら、「明石書店の石井社長がマグサイサイ賞受賞!」というニュースが飛び込んできました。出版不況といわれる中、強い信念をもって人権問題などをテーマにした良書を出し続けてこられた石井社長のお顔が浮かんできて、なんだか胸が熱くなりました。本当におめでとうございます。

シャプラニールの歩みをまとめた本、「進化する国際協力NPO-アジア・市民・エンパワーメント-」も、ダッカ駐在員座右の書、「バングラデシュを知るための60章」も出版社は明石書店です。ふとダッカの自宅の本棚にある明石書店の本を数えたら、15冊ありました。ロバート・チェンバースの「第三世界の農村開発-貧困の解決 私たちにできること-」「参加型ワークショップ入門」や片倉もとこ先生が訳された「イスラームを知る32章」など、ここで活動していく上での教科書として大切な本たち、シャプラニールの大橋前代表の「『不可触民』と教育-インド・ガンディー主義の農地改革とブイヤーンの人びと」、高田峰夫さんの「バングラデシュ民衆社会のムスリム意識の変動-デシュとイスラーム-」、斉藤千宏さんの「NGO大国インド-悠久の国の市民ネットワーク事情-」など、先輩たちの貴重な研究。明石書店のような出版社さんがなかったら、これらの本とも出会えなかったかもしれません。日本の家に置いてきた本や図書館で読んだ本なども入れたら、学生時代から本当に多くのことを明石書店の本から学んできたんだなあ、と思います。

国際協力に携わる私たちにとってなくてはならない本をたくさん出してくれた明石書店、そして石井社長にあらためて感謝したいと思います。

気恥ずかしいので最後になりましたが、私も6年ほど前に翻訳したインドのウルワシー・ブターリアさんの本、「沈黙の向こう側-インド・パキスタン分離独立と引き裂かれた人々の声-」を明石書店から出版していただき、大変お世話になりました。その翌年、ウルワシーさんは第8回日経アジア賞・文化部門を受賞され、授賞式には石井社長もみえてとても喜んでくださいました。そうか、ウルワシーにもこのニュースを伝えなきゃ。

石井社長、そして明石書店さん、今後ともどうぞよろしくお願いします。これからもたくさん貴重な本を出版してください。