1週間ちょっとの一時帰国を終えて、おとといの午後帰国しました。戻ってみたら洪水の水はかなり引いたということでよかったものの、毎日どんより曇っているのに気温も湿度も高いわ毎晩停電するわで、こりゃもう不快指数(最近聞かなくなりましたね)100%、という感じ。暑くてもすかっとした青空が広がり、白い雲が浮かび、早朝や夜は涼しい関東の夏が、早くもちょっと懐かしいです。

先週の土曜日にはシャプラニールの東京事務所のある早稲田にて、「ダッカで家事使用人として働く少女支援事業」について講演をさせていただきました。ひときわ暑い日で、しかも午後2時から4時という一番暑い時間帯だったので、お申し込みされてもいらっしゃらない方も多いかも…と思いきや、43人の方が参加してくださいました。約半分を占めた会員やサポーターの方に加え、よくこのブログにコメントをくださるj、フォキールさん、MARIさん、いのくまさんもいらしてくださったし、友人やNGO関係者の仲間たち、以前スタディツアーでバングラデシュにみえた方たちの顔もみえ、皆さん活発に質問したりご意見もくださって、私はたくさんの方々に応援していただいて今活動しているんだなあ、ということをあらためて感じました。暑い中、講演会にいらしてくださった皆様、本当にありがとうございました。

この講演会にいらしてくださった方々の中に小学生の参加者が2人いらっしゃいました。計2時間の予定が私のプレゼンは50分ぐらいで終わってしまい、あとは会場の皆さんとの質疑応答の時間にあてたのですが、その中で、ひとりの小学生の男の子が、「ストリート・チルドレンてなんですか?」と質問してくれました。

私はちょっと詰まりました。どう言えばわかってもらえるんだろう?

結局、私の答えは、ストリートというのは道路のこと。道路の上で暮らしたり、働いたりしている子どものことをストリートチルドレンといいます…というような表面的な説明で終わってしまいました。

せっかく勇気を出して手を上げて質問してくれたのに、きっと私の答えではよくわからなかっただろうなあ…と思います。道路で働くって、なんで働かなければいけないの?道路とか外で暮らすってどういうこと?と。時間はまだあったのだから、もっと丁寧に時間をかけて説明すればよかった、とあとあと悔やみました。

講演会のあとで晩御飯につきあってくれた友人たちとこのことについて話したところ、「まず、あの男の子に質問するところから始めればよかったんじゃないかな」と言ったのは自身も2児の母のYさん。「あなたは誰と一緒に住んでる?どうやってご飯を食べてる?そういう質問から始めて、でもバングラデシュにはそれができない子どもがいる、という話につなげたらうまく説明できたんじゃないの」と言われて、なるほど…と思いました。

また、「藤岡さん、あの子への説明の中で『スラム』って言葉使ったでしょ。でも、『スラム』についても説明がなければわからないんじゃないかと思ったよ」と指摘してくれたのは、カンボジアで活動するNGOの役員のOさん。そうですね、説明するつもりで、よけい疑問を増やしてしまったのかも…。

私はシャプラニールに入る前、子どもの権利にかかわるNGOのスタッフや役員もしていたことがあるのですが、裏方の役回りが多かったので、実際に子どもを相手に自分が話をしたり、ワークショップのファシリテーターをしたりした経験はないのです。他の人がやっているのは何度も見たことがあるんですが、頭でわかってることと実際に自分がやるのはべつのこと。活動について子どもにわかりやすく、きちんと説明するスキルが私はぜんぜんなってないなあ…と、自分でもよくわかり、こりゃいかんと思いました。

バングラデシュの働く子どもたちのことについては、日本の子どもたちも関心があるようです。参加してくれた2人は最後まで静かにしっかり聞いてくれていました。

質問してくれた男の子、ちゃんと説明できなくてごめんね。お隣に座っていたお母さんに、だいぶフォローしていただいたようだけど…。いつか、子どもたちだけを対象に、ちゃんと準備して、バングラデシュの働く子どもたちのことについてお話ができたらと思います。