予定よりも一ヶ月長くダッカ所長の任を務め、8月1日から菅原職員に役を引き継いで、今日ダッカを離れた。今、バンコクの空港でブログをしたためている。
後任の仕事ぶりを見ながら、ゆっくりとこの2年を振り返る1ヶ月にしようと思っていたのに、うまくはいかないもので、7月1日に起きたダッカ人質事件の後は通常業務を返上してダッカ事務所の安全対策に集中してきた。ダッカ事務所のスタッフが開いてくれた送別会でも言われたように「いつも大変な時」にあたっていたようだが、私自身はあまりそれが苦にもならずに過せたのは幸いだった。

サンタルの児童就学支援事業より

サンタルの児童就学支援事業より

2001年に初めて赴任してから15年、バングラデシュという国に関わり続けるというのは本当に得がたい経験である。久々のパートナーシップ、初めての都市問題への取り組みだったストリートチルドレン支援事業は試行錯誤の連続であったが、バングラデシュの社会を理解するために必要な軸を与えてくれた。そこで出会った人々や子どもたち(既におとなに成長しているが)に受け入れてもらえたお陰で、どんな場所でも飛び込んでいける自信がついた。

ダッカ事務所長を務めたこの4年間に新しく始まった事業が、10年後私にバングラデシュや国際協力の新しい地平を見せてくれることを願って、改めて自分にできることを一つひとつやりながら育てていきたいと思っている。

ダッカ事務所やパートナー団体のスタッフ、バングラデシュのみんな、本当に充実した時間をありがとう。そしてシャプラニールの活動をいつも応援してくださる皆様へ深い感謝をこめて。

藤﨑文子