12月の第三週に予定されている総選挙に先立ち、昨日(8月4日)、地方選挙の一部が実施され、開票結果が出ています。昨日実施されたのは、バングラデシュの6つのディビジョン(いくつかの県のかたまりがディビジョン。日本でいえば「関東地方」「東北地方」のような感じ)のうち、ラッシャヒ、クルナ、シレット、ボリシャルの4つのディビジョンの長を決める選挙と、9つの県の県庁所在地の市長選挙です。

結果はアワミ連盟の圧勝。4つのディビジョンは4つともアワミの候補者が勝ち、9つの市長選挙ではボグラをのぞく8つの市長戦でアワミが勝ちました。

今わたしが出張で来ているクルナなどは前の与党であるBNPが元々強い地域で、ここ25年ぐらいアワミ連盟の候補者が選挙に勝ったことがない、という土地柄。それでもアワミが勝ちました。

この結果の原因のひとつはBNPの分裂、さらにアワミのトップレベルのリーダーたちが各地方に飛んで選挙運動をしたのに引き換え、BNPはまったくそれをしなかったこと、BNPと連立を組んでいるジャマテ・イスラミも動きが遅かったことなどがあるだろうと言われています。政府の選挙対策委員会が国会議員レベルのリーダーたちが地方選挙の応援に行くことを禁止していたためですが、アワミ連盟はこれを押し切って応援行脚をし、最高裁もこれを「憲法上問題なし」と後押ししていました。

ちなみにアワミ連盟の総裁シェイク・ハシナはいま「治療のため」一時保釈されてアメリカにいます。BNPのカレダ・ジアはいまだ国会議事堂の敷地内の建物に軟禁状態にあります。

選挙は非常事態宣言下であったこともあり、全般に平穏に行われて大きな問題もなく(僅差だったボリシャルで多少結果をめぐりもめているようですが)、投票率もかなり高かったようです。新聞には杖をつかなければ歩けないようなおばあちゃんも投票に行っている写真が出ていました。新たに導入された写真入IDカードについては、このカードをちゃんと取得した人が選挙会場に行ったらリストに自分のカード番号がない、といった問題が多少あったようです。これについては政府が陳謝し「総選挙までには必ずこういう問題をなくす」ということです。

この後、時期は未定ですがダッカとチッタゴンのディビジョンおよび市長選挙、また10月のイード明けには、様々な議論を経て今回導入されることになった県評議会選挙が予定されています。