昨日、私たちがダッカで実施している「家事使用人として働く少女支援プロジェクト」の活動地のひとつであるコライル・スラムに行ってきたプログラム・オフィサーのサイフルが、「いやー、やっぱり大変だ。ヘルプセンターの女の子たちもみんななんだか痩せちゃってるよ」と言いながら帰ってきました。

コライル・スラムのヘルプセンターに通う少女たちは、スラムの親元で暮らしながらパートタイムで家事使用人(お手伝いさん)の仕事をしています。その子たちにサイフルが聞いてみると、多くの子が朝早くから安いお米を買うためにBDRマーケットに並んでいると答えたそうです。

「何時から並んでるの?」と聞いたら、「朝5時から」というのは序の口で、「3時から」という子もいたとか。朝3時から並び続けてお米が買えたのは朝9時半だというのです。いまやBDRマーケットは需要に比べ供給量が大幅に足りなくなっているらしく、早くから並ばないとお米がなくなってしまうのだとか。ひとり頭5キロまで、ということになっていますが、実際計ってみると5キロより少ないといいます。場所によってはひとり2キロまでにしたところもあるようです。

おじいさんと妹と.jpg「ファテマもなんだかやせちゃったよ。朝からおじいさん、おばあさんと行列に並んでいるらしいけど。」とサイフル。ファテマというのは昨年の夏期募金のお願いのとき紹介した女の子(写真右)で、とても活発ではっきりものを言う子です。「お米の値段は高いし、仕事はクビになっちゃうし、これじゃ食べていけないよ。どうしたらいいの、サイフルバイ!」と訴えられてしまったそうです。中流階級の家庭も台所事情が厳しくなってきているので、パートタイムの使用人を辞めさせる家庭も増えてきているらしいのです。

サイフルがヘルプセンターに行ったのは午後でしたが、朝早くご飯を食べたきり、夜まで食べられない、という子が8人もいたとか。こんな状況になる前はスラム暮らしでもなんとか日に3度食べていた家族が、今は日に2度に切り詰めているというケースが少なくないことが実証されました。

育ち盛りなのにろくにご飯も食べられない少女たち。こんな状況が続くようであれば何か対策を考えなければ…。