ガイジンには見えないもの

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物価の上昇が甚だしく、事務所のスタッフたちも、うちのお手伝いさんのイラも、口を開けばその話題です。以下は今日の事務所での会話。
プログラムオフィサーS「アパ、ぼくはここ3年ぐらい、同じ店で同じ品物がいくらしたか、主なものを記録にとってるんですけどね」
私「へー、そうなの」
S「ここ2、3年の物価の上昇率より、ここ2、3ヶ月の上昇率のほうが高いんだよ。とくに大豆油、米、玉ネギなんかね。」
私「ほんとに?そこまでなの?」
S「そうだよ。今日ジャットラバリ(ストリートチルドレンのプロジェクトがある場所)のBDRマーケット(政府の安売り仮設市場)でキロ25タカの米を買うために並んでる人たちを見たけどね(注:普通の市場ではいまやキロ32タカ以下の米を探すのは難しい)、もはや経済的下層階級の人たちだけじゃなくて、ミドルクラスの下のほうの人たちも並んでますよ。ぼくたちもいつ並ぶようになるか、って感じ」
私「…」
S「今日ジャットラバリから事務所までバスで帰ってくるとき、他の乗客の人たちの話も聞いてみたけど、みんなの心の中に怒りがたまってきてる感じだね。ちょっと前まではそこまで怒ってるのはロウワー・クラスの一部の人たちだけだったんだけど、それが確実にもっと上のほうまで広がってるね」
プログラムオフィサーP「そうだよ、アパ。いまこの国の状態はかなりヤバイよ。何かをきっかけに人々の怒りに火がついたらみんなどーっと道に繰り出してくるかもしれないよ」
S「エルシャドの頃なんかはねえ、学生たちがそういうリーダーシップをとったものだけど。いまの学生はそこまで熱くないからねえ」
私「そういうみんなの怒りがたまってきたヤバイ感じっていつ頃から感じてる?」
S「うーん、1月ぐらいからかなあ。ここ3ヶ月ぐらいだね。この物価上昇には僕たちぐらいのミドルクラスレベルでも確実に苦しくなったと感じてるからね。うちも下の娘の家庭教師はそれでやめたし(笑)リキシャやCNG運転してる人たちなんかどれだけきついか。でも政府は公務員の給料を上げることぐらいしか考えてない。政府は公務員のためだけにあるわけじゃないのに、他の国民はほったらかしだ。みんなそりゃ怒るよね」
私「そういえば、最近日雇い労働の相場が下がってるって聞いたけど、ほんと?」
S「ほんとだと思うよ。建築資材の値上がりで建てかけのフラットやビルの工事がいくつも中止になったりしてるからね。労働者のほうがいっぱい余ってるんだよ。そうなると賃金が安くても仕事にありつければ人は働くからね。賃金は下がるわ、物価が上がるわじゃ生活していけないよね」
うーん、物価上昇もニュースとしては見聞きしていますが、少々高くてもスーパーで買い物しちゃうガイジンに過ぎない私には、その苦しさは実感としてはあまり感じられません。巷の人ごみを見ても、みんなそんなに怒ってるようには思えず、いつもと変わらないのんびりした感じに見えてしまいます。でもうちのスタッフは皆、「かなりやばくなってきている」と言うのです。やはりバングラデシュ人の彼らには、ガイジンの私には見えない何かが見えているんじゃないかと思います。
これから次の選挙予定時期まであと約9ヶ月。波乱の山はいつ頃やってくるのか…。
そんな状況の中、明日は独立記念日です。

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