先週はイスラム教のイード(犠牲祭)とヒンドゥ教のドゥルガプジャのため、事務所は一週間の休みだった。週末もあわせると九連休になり、故郷へ帰る人が多いダッカは閑散としていた。

さて明日から仕事が始まるという昨日の夜(バングラデシュは金・土曜が日本でいうところの週末)、9時過ぎに携帯電話が鳴った。

こんな時間に電話がかかってくる時は、大抵良いニュースではない。

女性スタッフ、サビハからの電話だ。電話を取ると案の定、沈んだ声がする。休暇で田舎に戻ったお手伝いさんが仕事を辞めると連絡してきたとのだという。

P1040794.JPG<小学校の先生とその子ども ディナジプールにて>

サビハは今年1月に双子を産んで、7月に産休から復帰したばかり。夫婦共働きの上、どちらの実家もダッカから車で10時間近い北西部にあり、身近に親戚はいないため、勤務時間中は子どもの世話をお手伝いさんに頼るしかない。そんな状況で、お手伝いさんが突然「ダッカには戻りません」と言ってきた。

とりあえず故郷に住む姉に応援を頼んだが、帰省Uターンラッシュのため、明後日到着のバスチケットがやっと取れた状態だという。そのため、あと2日休暇を取りたいということだった。

バングラデシュ、特にダッカでは核家族化が著しい。シャプラニールで働く女性スタッフ5人のうち、結婚をして子どもがいるのは4人。仕事をしている間、子どもの面倒を見てもらえるような親戚が一緒に住んでいるのは2人。残り2人は、日中もしくは住み込みのお手伝いさんの手を借りて仕事を続けている。

最近はこの国でも女性の仕事が多様化し、お手伝いさんをする女性を見つけるのも一苦労。しかも幼い子どもを安心して預けられる人を探すとなったら更にハードルは高くなる。日本でも子どもの預け先がなかなか見つからないという事を聞くが、保育園のような施設がまだ一般的でないバングラデシュの女性たちも状況は同じなのだ。

働く女性に優しい保育施設のニーズはこれから先、どんどん増えてくるだろう。家事使用人として働く少女支援事業を行うPhulkiは、縫製工場に託児所を作りその運営を行うという実績もあるので、シャプラニールの新規事業として考える可能性もあるかもしれない。

いやいや、その前に事務所併設託児所の検討の方が現実的かな。