バングラデシュでは金・土が週末。ダッカにいるときは金曜日は家でたらーっとしていることが多いのですが、昨日はいつになく忙しく、また私にしては気前のよい金曜日でした。そんな1日をご紹介。

<午前中~昼すぎ> 

ダッカ日本人会の総会に出席。これはホテルのホールを借り切って年1回行われるもので、日本人会の理事の選挙もここで行われます。行きのCNG(天然ガスで走るオート三輪タクシー)の運転手が道を間違え、グルシャン界隈をぐるぐる回って約30分遅刻。私は外国人が多い住宅街から離れたところに住んでいるので、日本人の友人・知人とはご無沙汰しがち。ホテルのビュッフェとワインなど楽しみつつ、日本女性どうしのお喋りが楽しかった~。忙しい中、理事を引き受けてくださっている方々に感謝。

タクシーでの帰り道では、路上の子どもがポップコーンを売りに来ました。私は自分ではほとんどポップコーンを食べないのですが、先日花で後悔したこともあり、今日は買うか…と1パック10タカで購入。そのポップコーンは自宅フラットのガードマンたちにあげました。

<夕方その1>

一度自宅に戻ったあと、5時に事務所近くの通称「大家さん」のお宅へ。ここは、過去にシャプラニールの駐在員が何代にもわたって間借りしていたお宅で、この家のご主人は人々に尊敬される有名な歌手でした。病気もされずお元気だったのですが、先月急に眠るように86歳で亡くなりました。

昨日は亡くなってほぼ1ヶ月後の、ミラットとよばれる法事。日本でいえば四十九日のようなものでしょうか。ご自宅の1階に女性たち、2階に男性たちが座り、法事自体は2階の男性の部屋で行われ、イスラム導師の声はスピーカーで1階にも聞こえるようになっていました。

イスラム教の法事は普通こういう風に、男女のスペースが分かれています。法事が始まる冒頭の説教は、「親のある人は親を大切にしなさい、もう親のない人は、なくなった親の魂のために祈りなさい」という主旨のお話でしたが、口調はなんだか講談師みたい。誰にでもわかるようにこういう話し方を工夫するんでしょうね。

長く連れ添ったお連れ合いを亡くされた夫人は、「ほんとうに寂しくて、辛くてねえ…」と話しながらもまめまめしく来客の世話をされていました。

その後パックされたビリヤニが配られたのですが、私はその後直接友人宅へ行く予定で、そこでご馳走になることがわかっていたので、どうしよう…としばし思案。結局事務所へ歩いていき、ひとりで警備をしているガードマンにあげました。彼はもちろん大喜び。

事務所前にいた“知り合い”の犬2匹も、私が「気前イイ・モード」になっていることを感知したらしく、尻尾をふりながらついてきました。6タカでパンを買い、犬にも喜捨。

<夕方その2>

ミラット終了後、またCNGに乗ってミルプールの友人、ディプとジュムルの家へ。ディプのお母さんと一番上のお姉さんがボリシャルからいらしたということで、またまた招んでもらいました。私のお土産は道路際で買ったマンゴー2kg、120タカ。

サンタルのお手伝いの少女、シルピーは前に会った時より、元気になったみたいで、昨日買ってもらったばかりという赤いワンピースを着ていました。ディプに今回さらに詳しく聞いた話では、シルピーはここに引き取られる直前は一時母方のおばあさんの家にいたそう。そこも日に1度食べられるかどうか、という非常な貧しさで、ディプがシルピーに「おばあちゃんちでは何を食べてたの?」と聞いたところ、「ご飯がないから食べ物を盗んで食べてた」と言ったそう。その時に比べれば今はお手伝いの仕事はあるものの、服も買ってもらえ、お腹いっぱい食べられて安心でしょう。

この家ではいつも何種類ものベンガル料理をジュムルがつくってくれ、もっと食べろ、食べろ、と限界まで勧められます。昨日も海老、鶏、山羊、ダール、ビリヤニ、果物など盛りだくさんで、断わって断わってそれでもどう考えても食べ過ぎ。

いざ帰る段になってディプと大通りでタクシーを探していたら、急にお腹が痛くなり、通りに近いディプのおばさんの家に駆け込んでトイレを借りるはめに…。しかもその家の居間では、ディプも昼間参加したという彼の従兄弟の婚礼内輪パーティが継続中で、みんながギターを弾いて歌ったりして賑やか。そんな中、すみませーーんと入っていって案内されたトイレは新郎新婦のベッドルーム付属のもの。こんな部屋に入っていいのか?と思いましたが、急を要するので、ジャスミンやバラの花びらで飾られた新婚のベッドの横をすり抜け、お手洗いを借りました。助かった…。嫌な顔ひとつせず、親切だったご一家、ありがとう。

ディプにタクシーで自宅まで送ってもらい、強力ワカモト9錠を飲んで私の金曜日は終わりました。