前回ブログで書いたように、いままで携帯電話そのものをモデムとして利用していたのですが、新しいモデムもゲットしたし、重く大きな携帯電話は売ってしまって、手軽な安い携帯電話に替えようと思っていました。

今まで使っていた携帯電話は、私には不要な機能がいろいろついていて、見るからに高そうで、使い勝手が悪かったのです。先週、それを買ってくれる相手も決まったので、今日は早速新しい携帯電話を購入しに出かけました。

たくさんの機種の中から、軽くてフラッシュライト付、ラジオ付、の手軽なものを購入することができました。これで来週今までの携帯電話を売ってしまえば、完璧!と満足して、たまにはダッカ市内にある高級ホテルのラウンジでお茶でもしようと、気分よく過ごしていました。

悲劇はこのあとに。。。

夕方になり、そろそろ帰ろうかとホテルを出ました。CNG(ベビータクシー)を止めようとホテルの外にでました。すると、おせっかいな若者が私のかわりにCNGを止めてくれました。

なんか、へんなヤツ、無視しておいたほうがよさそうだ、

とそのCNGではなく、他のCNGを止めてドライバーに値段を聞いていると、突然、路上で花を売っていた8歳くらいの男の子が私にぶつかってきました。

なに?なんだ?!

と思ったその瞬間!!!

その男の子の後ろにいた男が走っていったのです。先ほどCNGを止めた男です!

や、やられた!すぐにバッグを確認すると、携帯電話がない!!!

と気づいたときにはすでに遅し。渋滞の車にまぎれてその男の姿は見えなくなってしまいました。

花を売っていた男の子は、

「あの人があなたの携帯電話を盗んだよ!ぼくの首をつかんで、ぼくを盾にしたんだ。あっちに行ったよ、追いかけよう」

と男の子は私についてくるように言うのです。

私にも明らかに、あの男がこの子を盾にしたのはわかったので、その子と一緒に道をわたり、男が逃げていった方向に、とにかく行ってみることに。

道の向こう側にいたおじさんたちが、何事だ?どうした?携帯電話とられたのか?と大騒ぎ。中には、その男の子にお前がとったのか、と言い出す人もいて、私は「男がこの子を盾にして、私のバッグから盗んだんです、この子が盗んだんじゃないですよ。この子が言っていることはうそじゃないですよ」と説明しながら、歩いていました。そう言わないとこの子が悪者にされてしまいそうでした。

その中にいたビジネスマンらしきおじさんは、どんなヤツだったか、どっちに行った?とその男の子に聞き、一緒に犯人探しをしてくれました。そのおじさんと男の子と私の3人組で、今走って逃げて行ったヤツはいなかったか、と周りの人に聞きつつ、しばらく歩き回りました。

「この人ごみの中で盗んだ男を探し出すのは、無理。顔もちゃんと覚えていないし、無理だよ」と言うと、男の子は「ぼくは顔覚えているよ、ちゃんと探そう」とあきらめかけている私を励ましてくれる。

歩き回っていると、まわりの人たちが、この人携帯電話盗まれたんだって、と勝手に口々に説明している。どんな携帯だ?どうやってとられたんだ?どこでとられたんだ?と質問攻めに。

人だかりができそうな雰囲気になってきたので、私は、とにかくここにいるのはやめようと思い

「もう、いいよ。探してもみつからないよ、あの男はどこか逃げて消えちゃったよ」と言って、その男の子にお礼を言って、その場から離れることにしました。

とは言いつつ、怒りがおさまらない。

CNGを止めて乗ろうとすると、周りの人たちが、このドライバーにも「この人今携帯電話とられちゃったんだよ」って説明している。私もこの怒りを、ドライバーにぶつけ、とられた状況を説明していました。そんな私に、ドライバーは冷静に「高級ホテルの周りで、そういうことは何度も見ているよ。ダッカはそういうところだよ、気をつけなきゃだめだよ」と諭されてしまった。

そうだよね、私が油断したんだ。ホテルから出てきたときに、時計を見たくて携帯電話(古い高価なほう)をバッグから出した。そのときにあの男が狙いをさだめて近づいてきたのでしょう。

私が甘かった。私の携帯電話は、狙われて当然だった。ダッカ市内を歩くときは気をつけようと思っていたのに、油断していた。そんな油断をした自分が情けなく、悔しい。

少し冷静になって、状況を考えてみる。

幸い、とられたのは今まで使っていた携帯電話だけ。バッグごととられていたら、財布やカード、家のカギもすべてなくしていた。今日買ったばかりの携帯電話も無事。それに新しい携帯電話にSIMカードを入れ替えておいたので、電話番号も電話帳も無事である。

それに、今までは携帯電話一つで電話もインターネットも接続していたから、一度に通信手段をなくすところだった。幸い新しいモデムも電話も買った直後だった。電話もインターネットも通信手段を確保できている。なんというタイミング。犯人は知っていたかのよう(苦笑)。

でも悔しい、うーん、油断した。

そして、あの携帯電話は高く売れる予定だったのに(まだあきらめきれない)。

うーん、悔しい。

子どもを盾に使って盗みをするなんて、その精神が許せない!

CNGを止めた時点で怪しいヤツだ、と思っておきながら油断した。

明日、あの携帯電話を買ってくれる予定だった人に、盗まれちゃった、と伝えなくては。。。

ダッカは一見安全そうに見えるのですが、油断は禁物です。

私が体験した、今日のようなことがないように、みなさん、お気をつけください。