この3日というもの、ひどい下痢で苦しんでおります。下世話な話で恐縮ですが、もーまったく「水」です。最初の1日は我慢しつつなんとか外出や会議もこなしたものの、2日目(つまり昨日)は、仕事を休んでベッドとトイレの往復。今日午後になってようやく、トイレから少し離れていても大丈夫になり、パソコンを開く元気が出たところ。

出張者の来訪中、夜は外食続きで、いささか食べ過ぎたのがよくなかったのでしょう。会議でストレスがたまったからとて、それだけで下痢するようなヤワな身体ではないのですが、ストレスを「食べて」発散しようとする傾向がよくないんですね…。反省。しかも、この3日ほどダッカはとっても暑い。エアコンを入れていない部屋の温度計を見たら、今33.5度でした。

独りバングラデシュの地でお腹をこわして伏せっていると、だんだん考えることもネガティブになってきて、子どもの頃や中学・高校時代、それに就職してからの自分のダメなエピソードばかりが思い出されます。とくに最後の最後でがんばりきれずに負けた…というようなもの。

例えば、高校の体育祭のスエーデン・リレー。部内ではもっとも遅かったものの一応陸上部だった私は、三走でアンカーにバトンを渡す役割。トップできた二走者からバトンを受けて最初は快調に走っていたのですが、後ろから私よりずっと速い陸上部の仲間が追ってくる。300メートルの最後の50メートル、腿が上がらなくなり、結局抜かされた…。周囲から聞こえる「あ~あ」のため息…。

自分の力量不足に忸怩たる思いでいるときに身体を壊すと、こういう状況になりますね…。

そんなトホホな私を今、支えてくれているのは、ポカリスエットと梅干入りお粥、そして出張者が持ってきてくれた池波正太郎の『剣客商売』の続編数冊。

常盤新平氏が「剣客商売三『陽炎の男』」の解説の最後に、「このシリーズを八年前に夢中で読んでいたことを私は思い出す。不幸なことを忘れたいために読んでいた。ちょうど八月の暑いさかりだった。そのころ『剣客商売』は慰めであり励ましだった」と書かれています。私は別に不幸なことを忘れたい状況にあるわけではないけれど、ちょっとめげているので「剣客商売」が慰めであり励ましであることには強く同感。

池波正太郎先生、『剣客商売』シリーズをありがとう。私め、ふつつかなれど、なんとかこの週末中に立ち直りまする。