3月に予定しているコルカタ出張のアレンジをメールでいろいろやりながら、そろそろ昼休みだな、とふっとニュースサイトを見たら、インドでの列車爆発のニュースが入ってきました。パキスタンからインドへ向かう列車がインド北部で爆発・炎上し、少なくとも64人が死亡、とのこと。テロの可能性が高いらしい。記事の写真を見ると列車は黒こげでひどい爆発。嫌だなあ…。そういえばインドの外相は今日からバングラデシュ入りしてたはずだけど。

この朝日の記事にもありますが、インドのニューデリーとパキスタンのラホールを結ぶこの列車は、印パ間の友好の象徴です。インドとパキスタンには1947年の分離独立で親族や家族が離れ離れになった人がたくさんいて、お互い思うように行き来が出来ない状況にあります。この列車やバスの開通にどれだけの人が喜んだか。こんなことがあると、また印パの間の門が狭まってしまいそうです。

手前味噌で恐縮ですが、以前ニューデリーに住んでいたことのある私、印パ分離独立時の悲劇についてインドの女性が書いた本を1冊翻訳しております。「沈黙の向こう側~インド・パキスタンの分離独立と引き裂かれた人々の声」(ウルワシー・ブターリア著、明石書店)という本で、あまり本屋さんには置いてないと思いますが、もし印パの分離独立と今にいたるまでの印パ間の政治的確執が普通の人々にどんな影響を与えているのか、興味がある方がいらっしゃいましたら、お手にとってみてください。

追記(2月22日):

列車事故で亡くなった人は結局67人に及び、そのほとんどがパキスタンから長い年月を経て故郷の地へ里帰りを果たしたパキスタン国籍の人たちでした。インド側の親戚が、パキスタン側の親戚(被害者の直接の家族)に辛い知らせの電話を泣きながらしているのをインドのテレビが伝えており、この人たちが楽しみにしていたであろう再会のあまりに悲劇的な結末に胸が痛みました。

インド、パキスタンとも「この事故が両国の和平のプロセスを妨げることはない」と発言し、冷静な姿勢を保っていることが救いです。