結局、農村調査は決行することになり、11日にダッカからイショルゴンジに向けて出発、調査を終えて16日に帰ってきました。

想定していたとおり、12日からアワミ連盟率いる14党連合による選挙管理内閣への抗議行動として「無期限道路封鎖」が始まり、日中は幹線道路を通れない状態になってしまいました。農村の中にいれば静かなもので、調査自体にはまったく影響なかったのですが、問題はダッカにどうやって帰るか。

調査も終わりに近づいた15日、道路封鎖が終わらなければ夜中の3時ごろ出て朝着く時間帯で帰るのが一番いいだろう、ということになりました。バングラデシュ人スタッフは「抗議行動やってる連中も夜中は翌日に備えて寝るから、夜ピケを張ることはないよ。独立戦争のときだって夜中はみんな寝てたもんね」というのですが、一方でべつの問題が。こういう治安があまりよくない時期、夜中に人気のない道を走ると盗賊(ダカイツ)が出る危険があり、また朝晩急に気温が下がってきたこの季節、明け方辺りが真っ白になって見えなくなるほどの霧が出るのです。

IMGA0009.jpgぎりぎりまで様子を見て、もし道路封鎖が解除されなかったら、夜中から明け方走って帰ろう、とほぼ決め、当地の某旅行会社社長の入れ知恵で、万一抗議行動の群集に出会った場合に逃れやすいよう、車に海外ジャーナリストを装った貼り紙をし、市場で車につける垂れ幕(ベンガル語で「海外プレス」と書いてあるもの。費用は70タカ=約120円ナリ)までつくってスタンバイしていました。しかし、ラッキーというか拍子抜けなことに15日(水)の夜、市民の生活の便宜のため、木曜から日曜まで封鎖プログラムを一時休止するという宣言が出、垂れ幕を使うことなく普通に翌日帰ってくることができました。

写真は15日の夕方、撮ったもの。日暮れ時に慣れないカメラで撮ったらえらく暗い画面になってしまいましたが、ものものしい車の垂れ幕が見えるでしょうか?この垂れ幕、次の「いざという場面」に備えて車の中にしまってあります。

今回農村でどんな調査をしたかについてはまた後日。あさってあたりからまた交通封鎖が始まりそうでやれやれです。今のうちに食料品を買いこんでおかないといけません。