今日、12月16日はバングラデシュのVictory Day(戦勝記念日)。1971年のこの日、9ヶ月の独立戦争の末、パキスタン軍が無条件降伏し、バングラデシュ独立軍が勝利したことを記念する日です(ちなみに独立記念日はバングラデシュが独立を宣言した3月26日)。

朝からボンボンと大砲だか花火のような音が聞こえ、家々の屋根には緑地に赤い丸の国旗がはためいています。12月中旬のバングラデシュはちょうど日本の10月初旬のような気候なので、屋外イベントにもちょうどよく、この日はあちこちで記念イベントや運動会などが行われます。

私たちの活動地でも、マイメンシン県イショルゴンジ郡で活動するパートナー団体のCOLIが、貧しい子どものための補習教室や働く子どもの夜間教室に通う子どもたちの運動会と、識字教室修了者のための作文コンテストの表彰式を今日行う予定にしていて、私もマイメンシンまで出張してこれに参加するのを楽しみにしていました。

本当なら今頃そのご報告ができるところだったのですが、おとといの晩から不覚にも熱をだしてひっくり返ってしまい、出張はキャンセルして家で寝ているはめに。出張を理由にお断りした食事会のお誘いもあったのに、なんとも面目ない状況です。パン食い競争でぴょんぴょん跳ねる子どもたちの姿や、作文コンテストに入賞して山羊をもらって喜ぶ村の人の顔が見られなかったことがとても残念。きっといい写真も撮れたのになあ...。

と悔しがっていても仕方ないので、独立35年後の今、バングラデシュの人々は独立戦争勝利の頃をどんな風に振り返っているのか、その気分を感じさせる今日の新聞の社説の一節をご紹介。訳は大雑把でゴメンナサイ。

●Daily Star 社説「戦勝記念日~本当の勝利は未だ手に入らず?」より(原文はコチラ

(前略)今日、私たちがあの歓びの瞬間を思い出すとき、それがとても遠く、あたかも別の惑星の、別の人々の上に、まったく別の時代に起こったことのように感じられるのは何故だろう?今日のバングラデシュが、私たちの遠い日の夢に遥かに及ばないためだろうか?民主主義や法による支配、庶民の共和国という、35年前に私たちが描いたことが未だに実現されていないためか?私たちが自らの夢を実現できていないばかりでなく、その夢自体がどんなものだったかを忘れかけているためか?これらの疑問への答えは単純にイエスやノーで答えられるものではない。そこにはイエスもノーも、そしてもっと多くのものが含まれている。

 しかし、今日ここで私たちが大声で叫びたいのは、成し得なかったことも、実現できていない夢もあるけれども、私たちは自由で、独立した、私たち自身の国を持っているのだということだ。私たちは自身の事柄についての悪いマネジャーだったかもしれないが、それでもマネジャーは部外者ではなく、私たち自身なのだ。いろいろな面で私たちは同胞を失望させたが、別の面ではいくつかの可能性を実現した。戦勝記念日に際し、私たちは誓いを新たにし、過去の失敗に腐るばかりでなく(しかし確実にそこから学び)、私たちが成し遂げられたことを継続できるよう努力しよう。悪い政治は未だに私たちにとって最大の破滅のもとだが、よい政治こそがその一番の解毒剤だ。民主主義に代わるものはないが、私たちはまだそれが十分機能するほど努力していない。私たちが悪いものをいつどうやって善いものに置き換えられるか、という未解決の問題への答えは、今日ますます薄れかかっている。この吉日に際し、私たちの指導者たちの上に良識が広がることを切に祈る。