| 第4回: |
『バングラの台所で日本の料理
〜その1、材料を集めよう!〜』 |
よく日本の友人・知人から、毎日バングラデシュの食べ物を食べているのかと聞かれる。ベンガル料理はおいしくて好きなので毎日食べてもいいとは思っているが、実際はウチではあまり食べていない。夫もこちらの食べ物は大好きだが、昼食を職場でとる(給食のおばさんが作るベンガル料理を食べている)ので、ウチに帰ったら夕食ぐらいは日本の料理がいいだろうと思うのだ。
日本の料理、といってもいわゆる和食ばかりではない。日本の家庭の食卓は和洋折衷の上、中華風やエスニックなどもあり多国籍料理だと思う。ウチもそうである。とはいえ、ご飯、味噌汁、醤油味のおかずは欠かせない。
お米はローカル・マーケットで各種山積みにして売られているが、細くてパサパサする種類が多い。バングラの料理にはピッタリだがチャーハン以外の日本の料理には合わない。それでバングラデシュ在住の日本人用に特別に生産されている日本米を買っている。日本人の間で注文が取りまとめられ、10キロ650タカ(約1,950円)で購入することができる。
醤油は、最近はダッカのどの雑貨屋でもたいてい売られている。外国産のものは高いがバングラ産のものは225mlで22タカ(約66円)、味は日本のものとさほど変わらない。味噌は普通には手に入らない。私は日本から持ってきて使っている。
ダッカの普通のローカル・マーケットで手に入らないものを挙げ出したらキリがない。例えばお酒(イスラム教の国なので)。日本茶。米酢、みりん、とんかつソース、わさび、七味唐辛子などの調味料や薬味。ひじき、わかめ、きりぼし大根など海草や乾燥食品。豚肉もないが、牛肉でも柔らかい薄切り肉はない。刺身などの生魚は当然ない。野菜は、ごぼう、れんこんをはじめ無いものだらけだ。こんな調子なので料理を始めるまでが大変だ。なんとか食材を手に入れなければならない。手っ取り早いのは日本から持ってくるか、持ってきてもらうというもの。
次にデューティー・フリーの店を利用するというテがある。ここではお酒類各種と外国の食品が手に入るが、「パス・ブック」を持っていないと買い物ができない。パス・ブックというのは国連や政府関係機関に勤務している人に支給されるもので、当然ながら私たちは持っていない。だから、パス・ブックを持っている友人に少し多めに買ってもらいこっそり分けてもらうことになる。
民間企業の駐在員は(本人または家族が)タイやシンガポールに買い出しに行ったりする。彼らは肉や魚も冷凍空輸している。スゴイことだ。といいながら、私(NGO駐在員の妻)は彼らにお願いして多少のモノを買ってきてもらったりしている。
野菜等は自分の庭で作ることもできる。しそ、みつば、ねぎなどを作っている人は結構いる。私もベランダで鉢に多少作っているが、アブラムシが付きやすく四苦八苦している。私は普段はウチの近くのローカル・マーケットで買い物を済ませるが、グルシャン(外国人居住地区)のマーケットにいけば、ねぎ、にら、白菜、ピーマン、セロリ、とうもろこし、といった外国の野菜も買うことができる。多少高く付くが、たまには食べたいので時間をかけて買いに行く。
グルシャン地区にはまた、外国人向けに看板を出さずに商売している店がある。中国人の豆腐屋とドイツ人の肉屋。豆腐屋では餃子、春巻、もやしも手に入る。肉屋では豚肉もあり加工食品(ソーセージ、ハムなど)を売っている。この2軒の店にも月1回くらいの割で買い物に行っている。
さて、材料は揃った。いよいよ料理に移る。野菜を洗い始める。と、うっ、にょろにょろする虫がいる。きゃー!どうにかして!私は虫は苦手である。
(…つづく。次回はなぜ料理が嫌か、についてお話しします。)
97年〜99年滞在時の日記は以下でご覧いただけます。
白幡めぐみ(しらはた・めぐみ)
1967年千葉県生まれ。大学卒業後、アメリカのNGOでインターンとして1年間ボランティア活動に従事。帰国後の92年9月から97年3月までシャプラニールのスタッフとして東京事務局勤務。97年から99年までバングラデシュの首都、ダッカに在住。2001年8月から2005年12月まで、再度夫の白幡利雄(シャプラニールダッカ事務所長)とともにダッカに滞在。
|
|