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ダッカ専業主婦の日記

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第1回: ダッカでの生活が始まる!

「ダッカ『専業主婦』日記」などというタイトルをつけてしまってから、しまったと思った。どちらかというと「ダッカ『駐在員の妻』日記」といった方があたっている。というのは、ダッカに長いこと住んでいるわけでもなく、これから末長くここに住むつもりもない(もちろん、夫がシャプラニール駐在員としてダッカで仕事を続ける限り、私もこちらに滞在するつもりだが…)。だから「ダッカで専業主婦」とはちょっと大げさだったかな、と思ったのだ。「夫がバングラデシュで駐在員という仕事をしているなら、私もその妻という仕事をしてみましょうか」というのが本音。

「月刊V」の読者の中には「専業主婦」などという言葉を使うのはけしからんという向きもあろう。そう、だから専業主婦に「」がついているのだ。一方で中には「あら、私は誇りをもって専業主婦よ」という方もおられるに違いない。実は一度、私もやってみたいと思っていた。これからどの位の間「専業主婦」を続けることになるのか、今は何ともわからない。とはいえ私の現在の職業はまぎれもなくダッカで暮らす「専業主婦」であり、「駐在員の妻」でもある。

結婚してダッカに来る前は、私はシャプラニールの事務局スタッフだった。「NGOの職員」という、世間とは少し変わった仕事をしていたものの、東京で一人暮らしをし、毎日職場で遅くまで働き、週末はたっぷり寝坊してからノソノソと遊びに行く、普通の(?)OLだった。週に1〜2回、近くのスーパーで買い物をしてもせいぜい手抜き料理をするか、めんどうなら友人とおいしいものを食べに行く。もともと料理をするのは好きだったのだが、忙しい毎日に追われ、職場に弁当を持参することもまれで、ほとんど昼食は外食だった。

約1年前、去年の4月26日(土)から私のダッカ暮らしは始まった。バングラデシュの暦では夏。暑い土地に住んだことがある方はご存知だろうが、体が慣れてくれば暑さも結構しのげるものだ。気温が36度、湿度が95パーセントでもたいしたことはない(当時、実際はもう少し気温・湿度とも低かったかも知れないが、記憶が確かでない)。しかし4月といえば東京はようやく春。寒さが和らぎ暖かくなってきた、という気候に慣れていた私にはちょっと辛かった。だいたい私は小さい頃から暑いのが嫌いだった。
ダッカでの新生活は一方ではものめずらしく、楽しかった。しかし暑いせいか、毎日なんとなく頭痛がする。湿気で体がだるい。これといって病気をしないのはありがたいが、どうもだらーっとしてしまう。

シャプラニール東京事務所でこっそり職場恋愛をしていて、その相手がダッカ駐在員に決まったのが2年数ヵ月前のこと。極秘で遠距離恋愛を続けていたが、8ヶ月たったところで結婚を決めた。シャプラニールの仕事は(何度もヤメタイと思ったことはあったが)ますます面白くなっていて、ほとんど「仕事=命」のような生活をしていたから、退職を前に仕事の引継ぎと残務処理に忙しい思いをした。その上、結婚式の準備や結婚に伴う諸手続き、一人暮らしのアパートからの引越し、渡航準備とバタバタし、半年後、フト気が付けばダッカでの新生活が始まっていた。そのくらいのことを軽くこなす人は世の中大勢いるだろうが、私はそれまでの目まぐるしさから突然解放されて、いきなりぼーっとしてしまったのだ。暇があれば休む、昼寝をする。

それでもダッカについた日からすることがあった。夫が1年前からダッカに住んでいてすでに知り合いも多かったので、まずはベンガル人の大家さん一家に挨拶をし、翌日から在ダッカ日本人のグループの集まりに毎晩出かけていくことになるのだった。


バックナンバー

第1回
第2回 ごぶさた〜!
第3回 「ボクシーシ」と「ガリ・ダオ」の間


97年〜99年滞在時の日記は以下でご覧いただけます。

第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回 私のベンガル語の先生
最終回 『アッという間の2年間でした』

白幡めぐみ(しらはた・めぐみ)
1967年千葉県生まれ。大学卒業後、アメリカのNGOでインターンとして1年間ボランティア活動に従事。帰国後の92年9月から97年3月までシャプラニールのスタッフとして東京事務局勤務。97年から99年までバングラデシュの首都、ダッカに在住。2001年8月から2005年12月まで、再度夫の白幡利雄(シャプラニールダッカ事務所長)とともにダッカに滞在。

 

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