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Home > 活動紹介> 活動報告 > ネパール編

バルディヤ郡への出張報告

ネパールでは海外のNGOが活動する場合には必ず現地のNGOをパートナーとすることとされているため、ダイレクトにプロジェクトを実施することは基本的にできません。これに則り、シャプラニールも現在3つ(今年開始したリサーチプロジェクトを含めると4つ)の団体をパートナーとして活動を進めているのですが、今回は、2003年1月末に行ったバルディヤ郡への出張に関する報告です。

シャプラニールはSPACEというNGOと共に、カマイヤと呼ばれる農業労働者とその家族を対象とした支援活動を行っていますが(SPACEの活動詳細についてはこちら→)、今回の出張は現行のプロジェクト視察の他に、もうひとつ大きな目的がありました。それは2000年7月にネパール政府からカマイヤ解放令が出された後、新たに土地の配給を受け再定住した人々の状況を知ることです。解放された元カマイヤとその家族は当初地主の下を離れ難民化し、いくつかのキャンプに押し込められる形となったのですが、その後政府が土地の配給を約束し、徐々に再定住が進んでいきました。しかし、その土地配給を受けるためには元の地主から証明書にサインをもらわなければならない、当初の要求の半分しか配給されないなど、いくつもの問題点が指摘されていました。今回の出張では、住民との対話を通し、今も土地の配給を受けられずにキャンプに住まざるを得ない人々、そして最近ようやく再定住を果たした人々が抱える問題が非常に多岐にわたり、かつ複雑であることを痛感しました。問題点のいくつかを以下に挙げてみます。

・認定作業の杜撰さ
土地交付を受けるためには元カマイヤであることの証明が必要だが、その認定作業にかなり問題があった。担当官が元カマイヤのリストを作成するために現地へ行った際に、たまたま外へ出ていてその場にいなかったがためにリストから外された、あるいは兄弟が何人もいて数世帯が存在するにもかかわらず1世帯としてカウントされた等。

・認定基準の曖昧さ
元カマイヤの認定段階で、土地所有の有無によりカテゴリーが設けられ(全く土地を持たない者/家とそれを建てるだけの土地を持っている者/いくらかの耕作地を持っている者、など)、全く土地を持たない者が政府から支援を受ける際優先されたが、その判断基準や認定作業にやはり問題があった。例えば、担当官の「土地を持っているか」という質問に対し、不法に占拠している土地ではあるがとりあえず使用している範囲という意味で「これだけの土地がある」と答えたばかりに「土地の所有権を持っている」と解釈されてしまった、あるいは確かに多少の土地は所有しているものの新たに配給された土地が全く離れた場所にあるため使い物にならない、等。

以上のような政府の対応の杜撰さから住民の間には不満と不公平感が広がっています。改善を求めて役所に抗議活動を行っているケースもありますが、簡単ではありません。また実際の生活面では、以下のような問題が顕著でした。

・雇用機会の不足
耕作面積の不足や灌漑設備がないこと等から農業から得られる食糧および収入は限られており、また再定住地は一様に幹線道路から離れた交通の便が悪い場所にあることから、農業以外の収入を得ようにも非常に難しい状況にある。

・飲み水の不足

援助団体により手押しポンプが設置されている集落も多いが、壊れて使い物にならないなどのケースもある。

・教育機会の不在
学校がない。自分たちで教室を開いているところもあるが、校舎はおろか文房具すらない。

NGOや他国の援助機関がそれぞれのメニューで支援活動を展開しているのですが、政府と同様全く土地を持たない世帯を優先したり、他団体が組織した住民グループは支援対象から外すなど、同じ地域内で格差を産む要因にもなっています。
今回訪れたのは我々の活動地であるバルディヤ郡の数カ村ですが、元カマイヤが多く住む地域は近隣の5郡に渡ります。これら5郡全体の情報収集に努めると共に、今後この大きな問題にどう関わっていくべきか、早急に検討を進めなければなりません。

(小松豊明:2003年1月末)

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