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ある1週間 vol.2(新年は、アートな日々編)
前回の「冬の風景」から打って変わってダッカは猛暑です。昨日は夕方、そこに嵐が吹き荒れ、電気はぶっ飛ぶわ、小石は降ってくるわ、バザールの入り口の大木は倒れるわ、若いお兄ちゃんたちは落っこちてくる青いマンゴーを上向いて待っているわ、おじちゃんは石鹸出してきて道でゴショール(水浴び)してるわ、子どもは真っ裸で踊ってるわ、真っ暗なのに意外に皆冷静に「やるべきこと」をこなしていて面白かったです。ちなみ帰宅すると自宅は水浸しに!きゃー。というわけでそんな日常をまたまた「約1週間日記」で振り返ってみました。
4月13日(水)
4日間にわたる出張最終日。ダッカより北西に4時間余りのところにあるジャマルプールのクラフト生産者グループ訪問・撮影。シャプラニールは愛・地球博で「バングラデシュの刺繍」館を出展するのだが、そのメイン展示になる2.5メートル×4メートルの超大型ノクシカタ「ベフラ・ロッキンダール」の製作が最終段階に入ったのだ。そのため今回は長くシャプラニールとお付き合いくださっている写真家の吉村繁氏に撮影を依頼し、同行して頂いている。大型ノクシの仕上がりは実に実に素晴らしく、息を飲んだ。ヒンドゥーの昔話をモチーフにデザインを作るところから始めて全過程を見てきただけに、感慨もひとしお。また何度も通ったジャマルプールのセンターのメンバーはこの半年で結婚する者あり、離婚する者あり、村を出た者あり、本当に色々なそして現実の決して生易しくない「村の女性の姿」があった。このノクシカタは、そんな彼女たちの毎日を少しずつすこしずつ吸いこんで、だからこんなに人の心を打つんだ、と思った。生産が終わるともうここのみんなにも会えなくなっちゃうのかな。センターではみんなで歌ったり踊ったり、色々な話しをしたね。この素晴らしいノクシカタや、彼女達の横顔は万博でじっくりご紹介しますので、みなさま8月は是非会場へ!必見!
4月14日(木)
本日実はベンガル新年なのである。1412年なのである。そして事務所はお休みなのである。ケイタイのメールには同僚や仕事のパートナーから「シュボ・ノボボルショー!(新年オメデトウ!)」のメッセージ。いい天気だが実はかなり暑い中、新年を楽しむために、なぜか「川に行ってくる」と言い残し出かけて行くとてもエラい一部メンバーを見送って、残りの同業友人らと朝からのんびりビール。更に「あ、ビデオあるよ」と持ってきてくれたのが計らずも日本のお正月番組!最新(?)のお笑いをなんと6時間ぶっ続けで見入ってしまった後は、人知れず「ヒロシです」など真似てみる。なんだかだらしない寝正月にて新年開始。そうだそうだ、今日の夜見る夢は初夢のはず。鷹、富士山、茄子…どうやってみりゃいいんだ(泣)!
4月18日(月)
皆様のお手元にクラフトリンク・南風2005年春夏カタログは届いたでしょうか?まだの方、すぐにお申し込みを。かしこちら東京・ダッカではすでに来年の春夏用商品開発が始まっているのデス。本日から27日まで掛けてパートナー団体及び色々な関係者廻りを行う。私はあんな素材、こんなものを揃えて来い!この素材について調査してこい!という東京のボスの指令に従って奔走中。本日はBRAC-Aarongの本部にてミーティング。ここで何を集めてきたか?それはヒ・ミ・ツ。来年の春夏をお楽しみに。しかしこの「サンプル収集」のお仕事はとてもキケン。なぜなら私自身のお買い物熱もあがってしまうから!今日は以前から欲しいと思っていたノクシカタのベットカバーを奮発して買ってしまった、トホホ…。その後、リキシャ・アートの展覧会へ。これまた愛・地球博用のリキシャを発注するのだが、そのペイントを依頼する予定のアーティストの作品が今回展示されているのだ。この女性は父親の代から有名なペインター一家で、来週早々に詳細打ち合わせの予定。展覧会ではコンテンポラリーなリキシャ・アートもあり、また会場がフランス系の文化施設だったこともあって、とてもおしゃれな空間だった。ここでもまたリキシャ・アートの絵を購入してしまった。大出費じゃん。…自分こそショミティ作って貯金せねば。
4月19日(火)
朝から外出が続く。MSSという団体を訪問し、市内スラム街での女性グループの活動を視察。シャプラニールは現在都市部の問題としてはストリート・チルドレン支援活動をしているが、この急速な都市化の中で、更に深刻になっている問題や新しい問題についても常にアンテナを張っている必要があり、現在特に女性、少女の状況や問題、支援の可能性についてリサーチを行っているのだ。午後もショナルガオン・ホテルにて行われる「女性への暴力」に関するカンファレンスに出席。しかし午後のカンファレンスのスピーチ、アメリカ大使のすさまじい巻き舌なベンガル語には驚愕。スピーチ原稿を誰かがベンガル語に訳して、大使サマはそれを(恐らく)意味もわからず棒読みされているようなのだが、ワタシの貧弱な理解力ではどうにもこうにも太刀打ちできず、とうとう一言も解らなかった…。挨拶くらいならカワイイガイジンで済むが、本文は頼むから英語にしてくれぇー!…って月次会議の時は私もみんなにそう思われているのよねきっと(痛)。ごめんね、ダッカの同僚のみなさま☆
4月20日(水)
午前中ストリートチルドレン支援関連打ち合わせ。ドロップ・イン・センターで行っている技術訓練が思うように進まない。研修内容や子どものセレクト以前に、このやり方、本当に子どものニーズに合っているのだろうか?そんな疑問が湧き、まずはもう一度きちんと子どもたちに話しを聞いてみようというとになったのだ。ただこちらのスタッフ、こういう指令をすると「子どもに話しを聞くためのガイドラインがないと出来ない」(ひえっ!!!)から始まり結論に至っては「ニーズ」とか「モチベーション」とか「エンパワーメント」なんていう中身のない開発言葉ばっかりになってしまう。だからとにかく、難しい言葉を一切抜きにして、いつものとおり話しををすればいいんだよ、とよくよくよくよく打ち合わせる。スタッフも子どもと話しが出来ないわけじゃなくて「偉いボス(つまり私)」が「レポートをだせ」となると「彼らは貧しくて、だから教育が必要で、そのためにはコンピュータの研修が必要で…」と全く現実離れした紋切り型の回答になってしまうのだ。だからといって私がやってはいけない。スタッフが自分で話しを聞き、自分で考える訓練をしなくては。時々意識して足元をしっかりさせないと「開発プロジェクト」は実際の問題から離れて浮いていってしまう。この辺はむしろ「偉いヒト」なワタシの方が上手にコントロールしなければならないところだ。こうしてこれから集中的に子どもの労働環境に関して聞き取りが始まる。午後はクラフト2団体訪問して帰宅。今日もずっと溜めている報告書に手付かず…ああ、だめな「偉いヒト」。
4月21日(木)
ここ数日で起こった「衝動」の戦利品であるリキシャ・アートやベットカバー、その他ごちゃごちゃ買い集めたガラクタを前に、昨晩は長い間ほったらかしになっていた自宅のゲストルームを大改造することにした。そのうちカーテンにしようと思ってとっておいたサリーもハサミでちょきちょき工作した。これで日が入るようになり部屋がぐっと明るくなった!物置状態の小部屋も多少マシに。そして最後の仕上げに今日、朝の出勤途中に事務所近くの仕立屋さんに寄ったのだ。このサリーをこうやってこうやって切って、ここを縫い合わせて…と言ったら「これ、どうするの?」と聞かれた。ベットカバーとクッションカバーにするのよん。仕上がりは26日。楽しみだなぁ。この日も午後はシレイコンというスリモンゴルの少数民族のクラフトを扱う団体で会議&サンプル収集。代表のロビンさんに会う度に声を大にして叫びたい衝動との戦いだ。「ロビンさーん、あなた藤田まことにそっくりですよー!」。夜は写真家吉村さん、シャプラのボランティアとしても活躍してくれており現在それぞれバングラデシュ滞在中の学生さん2人と、いつもお世話になっているベンガル人のご主人&日本人の奥様ご夫婦のお宅で夕食会。お腹いっぱい。至福。
4月22日(金)
同業者の先輩の一人が任期を終了し日本に帰国されるとのことで、空港までお見送りに。同時期に赴任した方々が徐々に帰国しつつある。不思議なことじゃない、私だってバングラデシュに来て2年近くが経ったのだから。しかし未だに分からないこと、出来ないことばかりでつくづく自分の能力のなさには落ち込んでしまう。全く何か一つでも残せることがあるのだろうか、もっと時間を有効に使うことも出来たのではないか、もっと勉強できたのではないか…など考え始めると限がない。もちろんこうした思いはバングラデシュにいなくても常によぎることだが。しかし過ぎた時間をくよくよしても仕方ないよね、残された時間を大事にしないとね、などと考えてみる。でもこの暑さったら、こんな殊勝な気持ちもぶっ飛んじゃうよー!ばかー!
それでは次回までご機嫌よう。
(2005年5月06日)
第一回:ベンガル語コトハジメ(2003/7/3)
第二回:★バングラ仕様で行こう!(2003/7/31)
第三回:チワワが飼いたい。(2003/9/3)
第四回:ベッカムに恋して(2003/10/4)
第五回:「大」停電がやってきた!(2003/11/08)
第六回:最新ダッカ「空港」事情(2004/2/3)
第七回:4月のダッカに、サンタ来たる(2004/5/19)
第八回:ある一週間(ダッカ・ライフ編)(2004/7/6)
第九回:断食観察記(2004/11/30)
第十回:冬の風景(2005/1/22)
第十回:ある一週間Vol2(新年は、アートな日々編)
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