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バンダ
ネパールではストライキのことを「バンダ(=閉める、という意味)」と言います。政党などがこの「バンダ」を宣言すると、その日は商店や企業は閉鎖、バスやタクシーなど交通機関も一切動かなくなります。特に90年代後半以降はマオイスト(毛沢東主義派、反政府武装闘争を行っている)によるバンダが頻繁に行われてきました。
しかし昨年末からマオイストよりも政党や学生グループによるバンダが盛んに実施されるようになりました。2002年10月に国王が強権発動して当時の内閣を解散、自ら新首相を指名するという出来事があったのですが、それが憲法違反であり民主化の流れに反するものであるという主張に基づき、国王および現政権に対する抗議活動が続いていました。ある時、デモを行っていた学生グループの数人が警察に逮捕・拘禁されるという出来事があり、自由な政治活動を保証した憲法に反すると、学生側は猛反発。投石や車両破壊など暴力的な抗議運動へと発展しました。現政権に反対する各政党もこの学生グループの動きを支持、首都カトマンズ市内および国内各地で抗議活動が続いています。その流れで1月29日に学生グループが、2月2日には各政党がそれぞれバンダを実施、同時に行われた抗議集会やデモでは逮捕者や怪我人も出る事態となりました。
ちょうどこの時、日本人のNGOスタッフを対象とした研修プログラムを実施中だったのですが、移動手段がないことや安全確保のため何度もスケジュールの変更を余儀なくされました。私も用事を足しに行った市内中心部で、警察が催涙ガス弾を発射し集会の参加者が一斉に逃げ出す場面に出くわしました。路上には流血の痕があり、騒然とした雰囲気に一瞬緊張しました。
今月中、国内各地でバンダが予定されており、事の成り行きによっては事態が急激に悪化する可能性もあるため、予断を許さない状況です。
写真1:
普段は車の行き来が絶えないカトマンズ中心部の道路。武装警察が警備に当たっている。
写真2:
急遽バンダになった月曜日、抗議運動の一方で広場でくつろぐ市民。その向こうでは軍が演習を行っている。
(2004年2月4日 小松豊明)
第一回:ツバメの家(2003/2/18)
第二回:ダルバートはわんこそばだ!(2003/3/8)
第三回:色の祭り−街が赤く染まる日(2003/3/17)
第四回:ネパールのピクニック(2003/4/15)
第五回:巨大な山車(2003/5/18)
第六回:フェアトレードデー(2003/5/18)
第七回:ダサイン Dashain(2003/10/11)
第八回:真夜中の銃撃戦(2003/12/16)
第九回:バンダ(2004/2/4)
第十回:ルンビニ訪問のはずが(2004/2/18)
第十一回:洞窟探検ツアー(2004/2/19)
第十二回:山車が倒れた!(2004/5/11)
第十三回:クマリの本(2004/11/24)
第十四回:ネパールでの復興支援(2005/2/2)
第十五回:ガネシュ(2005/8/26)
小松豊明(こまつとよあき)
シャプラニール・前カトマンズ事務所長。2002年12月〜2006年4月まで赴任。現在はクラフトリンク部門のチーフとして奮闘中。
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