シャプラニール=市民による海外協力の会
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シャプラニールについて

藤岡ダッカ事務所長のブログ1998年から3年弱インドに住んだのをきっかけに南アジアとの縁ができ、引き寄せられるようにシャプラニールへ…。そして2005年5月からダッカへやってきました。最近の趣味は、そぞろ歩きを楽しむダッカ市民に混じり、サルワール・カミーズにスニーカーを履いて夕方の公園でウォーキングすること。バングラデシュの村や都市で今起こりつつある変化をなるべくコマメにお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしく。

特定非営利活動法人
シャプラニール=
市民による海外協力の会(地図・住所
〒169-8611
東京都新宿区西早稲田2-3-1
早稲田奉仕園内
TEL:03-3202-7863
FAX:03-3202-4593
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2008年03月22日

蝉の季節、ツアー到着

バングラデシュではもうかなり暑くなっていて、日中の気温は30℃を超えています。おととい農村に行ったら、蝉がジージー鳴いていました。こちらへ来てからあまり蝉の声は聞いた記憶がなく、バングラデシュは洪水が多いから蝉が少ないのかしら、などと思っていたら、今年はいつになくたくさん蝉が鳴いています。もっとも、蝉の声を聞いたのは洪水の少ないマイメンシン県だったので、他の地域では少ないのかもしれません。日本の真夏の蝉よりちょっとおとなしい鳴き声です。

日本で「もうすぐ桜前線が...」などと言っている季節、バングラデシュでは蝉の声。これからどんどん暑くなり、湿度も上がっていきます。エアコンを使うようになると停電も増えるでしょう。でも今はまだ暑さ・湿度も不快なほどではなく、夜の風も気持ちよくて、いい季節です。

ちなみに蝉はベンガル語で「ジージーポカ」と言います。ポカ=虫、なので、蝉の名前は直訳すれば「ジージー虫」。うーん、なんてわかりやすいんだ。それからゴキブリは「テラポカ」です。「テール」が油の意味なので、直訳すれば「油虫」。そのまんまですね。

果物の旬は今、スイカです。フットボールのような俵型のスイカがあちこちで山積みになっています。

今日の午後、スタディツアーの一行が到着しました。今日オリエンテーションをして、明日はダッカのストリートチルドレン支援活動と家事使用人として働く少女支援活動を見ていただき、あさってはクラフトの生産者を訪問、しあさってから農村3日間、そのあとはダッカ市内観光と振り返り、という日程です。

私が参加するのは初日と最終日だけで、同行は日本から引率してきた小嶋・元駐在員と内山・現駐在員の二人。農村の夜は村芝居も予定されています。1週間、毎日カレー味ベンガル料理の日々になりますが、参加者の皆さんにはお腹に気をつけて、昼は蝉が鳴き、夜は蛍が飛び交う3月のバングラデシュ農村を満喫していただきたいと思います。

よい出会いと発見がありますように。


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2007年10月24日

新スタッフのMCMデビュー

今日はダッカ事務所の月次ミーティングの日でした。Monthly Coordination Meetingを略してMCMと呼んでいるんですが、このミーティングには駐在員と上級スタッフ全員が参加します。上級スタッフというのは、今のところ、総務担当、会計担当各1名、プログラム・オフィサー3名、プログラム・アシスタント1名の全部で6名。駐在員を合わせると8人(新駐在員の内山さんが入れば一時的に9人になります)が参加するミーティングです。

MCMでは、それぞれのスタッフが、担当している業務の先月の状況について報告します。だいたい月の半ばに実施しているのは、各パートナー団体から出される月次報告を待って、それを基に担当者がレポートをまとめるため。前の月にあったこと、うまくいったこと、問題だったことなどを各担当が報告し、それについて他のスタッフが質問したり意見を言ったりします。担当業務の枠を超えて、今行っている仕事を皆が把握し、意見交換をする貴重な場です。

レポートはすべて英語で書かれていますが、このミーティングでのディスカッションに使用している言語は、ほぼ100%ベンガル語。私が来て最初のうちは主に英語でやっていたのですが、その当時は現場で何がどうなっているかもロクにわからず、いちいち質問しながら司会をしていたので、ひどく時間がかかりました。2005年度の最初の数回は、朝から始めて夕方まで、ほぼ丸1日かけてえんえんやっていたような状況でした。だんだんベンガル語の割合が増えて時間が短縮され、今は午前だけ、とか午後だけでできるようになりましたが、スタッフは皆よくしゃべり、脱線しやすいので、それを制御しつつ司会し、大事なポイントをつかむのもちょっとコツが要ります。

今日は、先月から新しく入った女性のプログラム・オフィサー、ウンメ・ハビバさんのMCMデビューでした。飲み込みの早い彼女、まだ入って1ヶ月、しかも休み明けすぐでしたが、ほかのスタッフの助けも借りつつ、ちゃんとひとつのプロジェクトの月次報告をまとめ、報告もこなしていました。うん、エライぞ。

これまでプログラム・オフィサーは男性3人だったので、そのうちの一人が7月にアメリカ移住のため辞めたあとには、ぜひ女性を採りたいと思っていました。ハビバさんはまだ3ヶ月の試用期間中ですが、張り切ってガンガン仕事してます。周囲のスタッフとの関係もまずまず。議論の際にはベテラン男性スタッフたちとも対等に渡り合っている様子がなかなか頼もしい。ちょっとまだ肩に力が入っている感じだけど、ここでの自分の役割、というか自分の力を生かせそうな場所、というのはみつけつつあるんじゃないかな。

新しいスタッフを採用するときは採るほうもドキドキ。しっかり仕事してくれるか、周りのスタッフとうまくやっていけるか、こっちもやや緊張しつつ見守るのは、日本だろうがバングラデシュだろうが同じです。いかにも負けず嫌いな感じのハビバさん、周りのスタッフとケンカしないで仲良くうまくやってね。新しい風を吹き込んでバングラデシュでの活動の改革に力を貸してくれることを期待しています。


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2007年09月14日

内山新駐在員到着

P1000189.jpg昨日、ダッカ事務所の新駐在員として内山智子職員が到着しました。内山職員は年内で任期を終え帰国予定の小嶋駐在員の後任。3ヶ月ほど、ダッカ事務所は駐在員3人体制で、にぎやかになります。内山さんにはしばらくはベンガル語の習得と家探しなど、生活に慣れることに専念してもらいます。マイペースでがんばってね。そうそう、内山さんのブログも早くつくらないとね。

事務所の玄関前で記念写真。手前の犬はタイガー2号です。(この犬については別途書きます。)


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2007年08月15日

子どもにきちんと説明するということ

1週間ちょっとの一時帰国を終えて、おとといの午後帰国しました。戻ってみたら洪水の水はかなり引いたということでよかったものの、毎日どんより曇っているのに気温も湿度も高いわ毎晩停電するわで、こりゃもう不快指数(最近聞かなくなりましたね)100%、という感じ。暑くてもすかっとした青空が広がり、白い雲が浮かび、早朝や夜は涼しい関東の夏が、早くもちょっと懐かしいです。

先週の土曜日にはシャプラニールの東京事務所のある早稲田にて、「ダッカで家事使用人として働く少女支援事業」について講演をさせていただきました。ひときわ暑い日で、しかも午後2時から4時という一番暑い時間帯だったので、お申し込みされてもいらっしゃらない方も多いかも...と思いきや、43人の方が参加してくださいました。約半分を占めた会員やサポーターの方に加え、よくこのブログにコメントをくださるj、フォキールさん、MARIさん、いのくまさんもいらしてくださったし、友人やNGO関係者の仲間たち、以前スタディツアーでバングラデシュにみえた方たちの顔もみえ、皆さん活発に質問したりご意見もくださって、私はたくさんの方々に応援していただいて今活動しているんだなあ、ということをあらためて感じました。暑い中、講演会にいらしてくださった皆様、本当にありがとうございました。

この講演会にいらしてくださった方々の中に小学生の参加者が2人いらっしゃいました。計2時間の予定が私のプレゼンは50分ぐらいで終わってしまい、あとは会場の皆さんとの質疑応答の時間にあてたのですが、その中で、ひとりの小学生の男の子が、「ストリート・チルドレンてなんですか?」と質問してくれました。

私はちょっと詰まりました。どう言えばわかってもらえるんだろう?
結局、私の答えは、ストリートというのは道路のこと。道路の上で暮らしたり、働いたりしている子どものことをストリートチルドレンといいます...というような表面的な説明で終わってしまいました。
せっかく勇気を出して手を上げて質問してくれたのに、きっと私の答えではよくわからなかっただろうなあ...と思います。道路で働くって、なんで働かなければいけないの?道路とか外で暮らすってどういうこと?と。時間はまだあったのだから、もっと丁寧に時間をかけて説明すればよかった、とあとあと悔やみました。

講演会のあとで晩御飯につきあってくれた友人たちとこのことについて話したところ、「まず、あの男の子に質問するところから始めればよかったんじゃないかな」と言ったのは自身も2児の母のYさん。「あなたは誰と一緒に住んでる?どうやってご飯を食べてる?そういう質問から始めて、でもバングラデシュにはそれができない子どもがいる、という話につなげたらうまく説明できたんじゃないの」と言われて、なるほど...と思いました。

また、「藤岡さん、あの子への説明の中で『スラム』って言葉使ったでしょ。でも、『スラム』についても説明がなければわからないんじゃないかと思ったよ」と指摘してくれたのは、カンボジアで活動するNGOの役員のOさん。そうですね、説明するつもりで、よけい疑問を増やしてしまったのかも...。

私はシャプラニールに入る前、子どもの権利にかかわるNGOのスタッフや役員もしていたことがあるのですが、裏方の役回りが多かったので、実際に子どもを相手に自分が話をしたり、ワークショップのファシリテーターをしたりした経験はないのです。他の人がやっているのは何度も見たことがあるんですが、頭でわかってることと実際に自分がやるのはべつのこと。活動について子どもにわかりやすく、きちんと説明するスキルが私はぜんぜんなってないなあ...と、自分でもよくわかり、こりゃいかんと思いました。

バングラデシュの働く子どもたちのことについては、日本の子どもたちも関心があるようです。参加してくれた2人は最後まで静かにしっかり聞いてくれていました。

質問してくれた男の子、ちゃんと説明できなくてごめんね。お隣に座っていたお母さんに、だいぶフォローしていただいたようだけど...。いつか、子どもたちだけを対象に、ちゃんと準備して、バングラデシュの働く子どもたちのことについてお話ができたらと思います。


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2007年08月03日

今年の洪水

1ヶ月前ぐらいまで、「今年の洪水は例年並で、大きな被害はないだろう」という予測が一般に語られていたのですが、どうもその予測は大きく外れてしまったようです。7月中旬から降り続いた雨のため、バングラデシュ北部を中心に川の水位が危険水位を大きく超えて溢れ出し、洪水の状況が悪化しています。
3日ほど前が満潮だったので、北部ではその後少しずつ水位は下がっているようですが、ポッダ(ガンジス)、ジョムナー、ブラフマプトラといった大河が軒並み溢れ、洪水はだんだん下流に下りてきて、おとといあたりから私たちの活動地のひとつ、マニックゴンジ県周辺もいっきに水が来て、パートナー団体のSTEPから緊急状況報告がきています。

緊急救援を行うかどうか検討するタイミングなのですが、私は今日から一時帰国。正味1週間程度の短い帰国ではありますが、帰るのを遅らそうかどうか洪水の救援経験豊富なスタッフたちに相談したところ、「連絡さえとれれば大丈夫だよアパ、それより早く行って早く戻ってきてもらったほうがいい」とのこと。確かに大洪水になれば長丁場になる可能性もあります。とくに水がなかなか引かなかった2004年の洪水時には、数ヶ月救援・復興活動が続きました。今年もそうなる可能性もないわけではありません。

後ろ髪引かれる思いですが、小嶋駐在員に現場を見にいってもらうよう頼み、救援を行うことになった場合の段取りを確認し、これから出ます。日本に着いてからも電話やメールで毎日ダッカとやりとりすることになるでしょう。途中バンコクでは、つい数日前まで一緒にダッカで会議をしていた中田代表、坂口事務局長、白幡駐在員がネパールから戻ってきて落ち合う予定。バンコクから成田までは同じ飛行機です。キーパーソンは揃っているので、洪水の救援についてバンコクの空港で相談することにしましょう。

11日、シャプラニール東京事務所のそばの早稲田奉仕園で、ダッカで昨年から始めた家事使用人として働く少女の支援活動についての報告をさせていただくことになっています。おいでいただける方とは、そこでお会いしましょう。


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2007年05月31日

若者がもたらす風

P1020566.jpg昨年の6月ごろ入職し、もうすぐ1年になるプログラム・アシスタントのイルシャト。この1年、ハンディクラフトに関する業務の補佐と、会議の記録とりなどが仕事の主だったのですが、4月に全スタッフと面談をしたとき、「ぜひもっといろいろな仕事をさせてほしい、フィールドにも行きたい」と意欲をみせていました。

今年度はもう少し、モニタリングや評価などの仕事にも関わってもらおう、と思い、ある外部からの委託モニタリング業務の補佐を彼女に頼みました。これはバングラデシュの少数民族支援に関するもので、大学時代論文のテーマとして少数民族問題に取り組んだという人類学専攻の彼女にはうってつけ。

今日、仕事の内容を説明し、「いろいろ勉強になると思うからがんばってね」と伝えたときの彼女の嬉しそうな顔といったら!まだ経験は少ないので、あくまで主担当のプログラムオフィサーの補佐ではあるけれど、新しい仕事に取り組める喜びが表情いっぱいに出ていて、こっちもなんだか嬉しくなってしまいました。

総務担当、プログラムオフィサーとも40代後半にさしかかり、やや高齢化気味?の我が事務所。ベテランが多いのは助かるけど、やる気いっぱいの真摯な若者が事務所にいるっていいなあ、やっぱり。なんだか新鮮な風が彼女から吹いてくるようで。

イルシャト、どんどん新しいことを吸収して、将来のダッカ事務所を背負って立つスタッフに育ってね。楽しみにしているよ。


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2007年02月24日

10年後の名刺交換

P1020111.jpg土曜日は普通なら事務所は休みなのですが、今日は1日、近くの他団体の会議室を借りて、災害対策の研修を行いました。参加したのはダッカ事務所の上級スタッフと、パートナー団体のマネジャーたち。農村部のパートナー団体、PAPRI、STEP、COLIからは代表を含む2名ずつ、都市部パートナーのオポロジェヨ・バングラデシュからは1名。今年からダッカで使用人として働く少女たちのためのプロジェクトを一緒に始めたPhulki(フルキ)からも1名参加の予定だったのですが、残念ながら体調不良で欠席。

シャプラニールも、そのパートナー団体のスタッフも、洪水などの緊急救援はこれまで何度も実施しており、それなりの経験がありますが、それでもそういった経験をシステマティックに整理して組織として蓄積し、次の災害に備えてマニュアル化することや、普段から活動の中に災害時の被害を軽減する工夫を取り入れていくことなど、まだまだできていないこと、学ばなければならないことが山のようにあります。

バングラデシュではNGOスタッフ向けの研修はいろいろ行われていて、災害対策についてもよい研修があればスタッフを参加させようと前から思っていたのですが、参加費がやけに高かったり、時間的に参加が難しかったり、プログラム内容がいまいちニーズに合わなかったりで、私が着任してからは実施できていませんでした。そこで、私たちのニーズに合ったオーダーメイドの研修を自分たちでセッティングして実施することにしたのです。

今日のリソース・パーソンは2名。災害時の情報収集・発信、リスク・アセスメント、災害時の動き方の計画づくり、モニタリングと評価など、「災害対策で最低限カバーしなければならないポイント」を概観する主要部分は、NIRAPADという災害対応NGOネットワークの若きリーダー、ポラーシュ氏にお願いしたのですが、オープニングの「災害とリスク軽減」についてのセッションを担当してもらったのは、バングラデシュの災害対策の第一人者であり、シャプラニールダッカ事務所のアドバイザーでもあるサイドゥル・ラーマン氏でした。

サイドゥル氏の鮮やかなプレゼンテーションと巧みなファシリテーションに引き込まれ、参加者、とくに農村パートナー団体のマネジャーたちは積極的に参加し、意見を交わし、実りあるセッションでした。

このセッション終了後、シャプラニールから最初に独立した農村パートナー団体、PAPRIの代表のアブ・バセッド氏が、サイドゥル氏と握手し、名刺交換しているのを見て、ある感慨に打たれました。

1997年、シャプラニールでは、バングラデシュの現地スタッフのストライキが発生し、その収拾に当時の関係者は非常に苦労しました。詳しくは、昨年3月に出版されたシャプラニールの本、『進化する国際協力NPO~アジア・市民・エンパワーメント』をお読みいただければと思いますが、このストライキのひとつのきっかけとなったのは、当時ダッカ事務所長代行をお願いしていた本日の講師、サイドゥル・ラーマン氏が現地スタッフに対して非常に厳しい人事を行ったことでした。今はPAPRIの代表となっているバセッドは、当時シャプラニールの地域活動センターのスタッフであり、ストライキ派のリーダーだったのです。

すっかり髪も髭も白くなり、でも世界レベルの防災の専門家として今も大活躍しているサイドゥルさんと、シャプラニールから99年に独立した現地NGO、PAPRIを率いて8年目になるバセッドが当時とは全然違う立場でなごやかに、そして丁重に名刺交換している...。彼らがまともに顔をあわせたのは久しぶりだったのかもしれません。私はストライキ時シャプラニールにいたわけではなく、当時のことは他のスタッフの話や本でしか知りませんが、それでも「ああ、10年たったんだなあ」と感慨を覚えたのでした。

写真=サイドゥル氏のセッション。右列後ろから2番目、シャツの袖と頭だけ見えるのがPAPRI代表のバセッド。


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2006年11月05日

たかがトイレ、されどトイレ

さっき事務所からリキシャで帰ってきたんですが、空のリキシャに「おーい!(ベンガル風にいうと「エイ!」)と声をかけようとしたらドライバーがいないんです。ん?と思ったらそばのドブ際にしゃがみこんで用を足していました。ダッカではよくあるパターン、よくみる光景です。

一外国人女性としては、以前から「やだなあもう、この国の男性たちはどうしてこうあたり構わず立ちションならぬ座りション(失礼)をするんだろ」と思っていたのですが、今日、ふと「でもリキシャ・ドライバーの立場になってみれば...たしかにほかにするところないよな」と気がつきました。お店のトイレを借りるわけにもいかないでしょうし。女性には共感しやすいのですが、男性の立場になって考えてみることは実はあまりない、という自分にも気がつきました。

P1010003.jpgダッカの町は本当に人が多いです。普通の家々には程度の差はあれトイレがちゃんとついてますし、スラムの中にもNGOがつくったトイレなどがありますが、リキシャ引きや物売りの人たちのように、一日中路上で働いている人たちが使えるような、まともな公衆トイレというのは町中で見たことがありません。

写真=池に面して囲いをつくっただけの地方都市スラムのトイレ

お隣のインドでは、Sulabh(スーラブ)という元々清掃人カーストの人たち(いわゆる不可蝕民とされてきた人たち)の地位向上を目的として始まったインド最大といわれるNGOが、せっせと公衆トイレやスラム内のトイレをつくっていて、ニューデリーにもSulabhがつくったすごく立派な公衆トイレが人の多く集まるところあちこちにありました。ここバングラデシュもバザールの中や駅などにトイレがないことはないんですが、非常にお粗末だし汚い。女性が安心して入れるような公衆トイレはまずないと思ったほうがいい、という状態です。(最近、幹線道路沿いのガソリンスタンドなどにはきれいなトイレのあるところも増えてきてはいますが...。)

P1010790.jpgシャプラニールは農村部では簡易衛生トイレの普及をずっとやってきています。地方行政や他のNGOも簡易トイレ普及の活動をしているところは多いので、農村部のトイレの普及はかなり進んできたといっていいと思います。かつてはただ穴を掘っただけ、とか、池に張り出した桟橋みたいなものの先に囲いがしてあって、直接池に落ちるような方式になっているトイレを使っている人が、今よりもっともっと多かったのです。(今も少なくはないですが...)

写真=シャプラニールの支援で作られた農村部の簡易トイレ

ただ、普段家のトイレとして使うものとはべつに、出先でどうしても仕方なく用を足さなければならない、という場合、農村で原っぱや畑でする分には逆にまだ許せるのですが、舗装された道路の側溝がそこらじゅうトイレ代わりに使われているダッカの状況はなんとかならないもんかなあ、と思います。

P1000779.jpgシャプラニールが都市での事業として行っているストリート・チルドレンのための青空学校でも、今年からはじめた使用人として働く少女たちのためのプロジェクトでも、トイレの確保は重要。とくに女の子が安心して使えるトイレ、というのはとても大事です。ストリートチルドレンの青空教室では、バスターミナルを管理しているところと交渉して、トイレを子どもたちのために使わせてもらえるようにしています。トイレとしてだけでなく、トイレの洗面所の水を水浴びに使うようなことも許可してもらっています。

写真=バスターミナルの青空学校。この子たちが使えるトイレがターミナル内にあります。

また、農村パートナー団体のひとつ、STEPがバザール(市場)でものを売る女性たちの支援の一環として、何カ所かのバザールに設置した「女性のための販売コーナー」では、バザール内で女性が使えるトイレ確保もセットにして行いました。

この先シャプラニールが都市部で公衆トイレをがんがんつくるような活動を直接行うことはまずないと思いますが、ストリートチルドレンやリキシャ引き、路上の物売り、セックスワーカーの女性たち、こういった無視されがちな人々の立場や生活の視点から、何が足りないかを把握し、自分たちの活動や都市のインフラ整備に関する日本のODAなどに反映させていくことは、NGOとして重要な仕事だろうと思います。 

そのためには「汚いなあ、やだなあ」レベルで留まらず、「自分がこの人みたいに1日中路上にいたらトイレはどうする?」という視点を失くさないようにしないといけませんね。

反省をこめて、今日はトイレの話でした。


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2006年10月24日

バングラデシュの新たな課題

シャプラニールは3年ごとに組織としての「中期ビジョン」をつくり、それに基づいていろいろな計画を立て、活動しています。現行の中期ビジョンは今年度で終わるので、その評価と、来年度からの3年間の新たな中期ビジョンづくりのための話し合いが今進んでいる最中。ダッカ事務所でもその一環として現地スタッフの意見を聞くべく、模造紙とカード、マジックなどを用意して、簡単なワークショップを行いました。

これまで実施してきた農村での活動、都市での子ども支援の活動などのほかに、今バングラデシュで取り組むべき課題にどんなことがある?ということを自由に出してもらいました。

複数のスタッフがあげたのは、「高齢者問題」。この課題をあげたスタッフのひとり、プログラム・オフィサーのサイフルが言うには、「バングラデシュもだんだん大家族制が崩れて、核家族化してきた。これは都市に限らず、農村もその傾向がある。この国は健康保険もないし、高齢者のための社会的なセキュリティ・ネットもないし、お年寄りを大事にしようという意識自体が薄れてきているから、これからこの問題はどんどん深刻になると思う」とのこと。
このテーマは実は現行の中期ビジョンにも注目するテーマとしてあがっていたけれど、あまり活動の中で触れることができなかった部分です。

「環境問題」をあげたのはプログラム・オフィサーのバリ。彼はもともと環境を壊さない持続的な農業のことがやりたくてNGOスタッフになったという人。環境問題といっても広いけど、とくに何に注目すべきだと思う?と聞いてみると、「水の汚染やバングラデシュで売られている食品に含まれる有害な添加物などについて、人々の意識を喚起すること」だそう。もうひとりのプログラム・オフィサー、ポリモールも口をそろえて、「アパ、数年前だったら有機農業でつくった野菜でも高かったら人は買わなかった。でもここ2~3年で、かなりダッカの人たちは健康志向が強くなっている。今なら高くても有機野菜を買う人はたくさんいると思う」とのこと。ふーむ、たくさん、てどれぐらいかなあ。そのうちダッカのスーパーにもそういう有機野菜コーナーができてくるかしら。

「若者にひろがる売買春の問題」をあげたのは今年入ったばかりの若い女性スタッフのイルシャト。「最近、いわゆるプロのセックスワーカー以外にも、普通の若者たちにも売買春に関わっている子たちがいる。大学の女子寮でも、ブローカーみたいなことをしている子がいて、学費に困った女の子などに、そういう仕事を内緒で手配している。その広がり方はかなり危険な勢い。若者たちはHIV/AIDSや性病について実際的な知識は何もないままそういうことをしている。正しい知識を伝えないと。」うーん、大学の女子寮でもそんなことが起こっているというのは認識外でびっくり。

こういった「新しい問題」としてあげられたものにシャプラニールとしてどんな風に取り組んでいけるのか、いけないのか、というのを現実問題として考えるのはこれからの話なのですが、どうもこういう「新しい問題」の形が日本の問題に似てきたなあ、ということを実感します。前からあったけれど目を向けられなかったものももちろんあるのでしょうけれど。

高齢者問題にしろ、環境問題にしろ、若者の売買春の問題にしろ、日本のNPOの経験をバングラデシュのNGOとシェアして一緒に考えていくようなことも今後できたらいいなあ、それこそ「市民による海外協力」の醍醐味なんじゃないかな、と個人的には思っています。


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2006年09月03日

東洋大学ツアー来訪

今日は今年の夏のツアーシーズン最後を飾る大型スタディツアー、東洋大学の子島(ねじま)進先生のゼミの皆さんがダッカ事務所来訪。昨夜遅い飛行機でダッカに到着し、皆さん寝不足だったのではないかと思いますが、さすが若い。みんな元気ハツラツ。

ダッカ事務所の食堂で「辛~い」と言いながらみんなでベンガル料理を手で食べ、シャプラニールのバングラデシュでの活動についてのオリエンテーションのあと(寝ないで聞いてくれてありがとう)、村訪問などで着る民族衣装(とくに女性のサルワール・カミーズ)の買い物に出かけられました。

総勢20人のツアーを率いる東洋大学国際地域学部助教授の子島先生は、シャプラニールの評議員もお願いしているパキスタン研究の専門家。昨年10月に発生したパキスタン大地震の2ヶ月あと、救援活動のモニタリングのため、地震の爪跡も生々しい現地に飛んで状況視察をしていただいたりもしました。(その時の報告は→こちら

子島先生のゼミの主なテーマは「フェア・トレード」。皆さん非常に真面目に取り組んでおられ、学園祭などではシャプラニールのクラフトもずいぶん売っていただいています。

オリエンテーションの時、学生さんそれぞれに「このツアーで何を学びたいか?」をお聞きしたところ、「生産者の人たちの生活がフェア・トレードを通じてどんな風に変わったのか知りたい」「村の女性の生活を見たい」「バングラデシュ国内でフェアトレード商品を買う人はどんな人か知りたい」「ノクシカタの成り立ちについて調べているので、村で使われている普通のカンタも見てみたい」「ストリートチルドレンの背景を知りたい」などなど、意欲的なお答えが返ってきました。

事務所前で集合写真を撮ったのだけど、残念ながら子島先生のデジカメのカードをここで読み取れず、今日のブログは写真はなし。一行は明日からシャプラニールでも扱っているBRACの手工芸品の生産者を訪ねて、ジャマルプールに3泊、そしてシャプラニールのほかの活動も見ていただくべくイショルゴンジの農村でのCOLIの活動視察、ダッカ市内のストリートチルドレン支援事業視察、と続きます。私は最初のオリエンテーションと最後の夕食会だけご一緒させていただきますが、小嶋駐在員がフルアテンドします。

トータル10日の盛りだくさんなツアー。しかもバングラデシュはまだまだ暑い。蚊もいる。食事はずっとベンガル料理。村では水シャワーのみ。ここでいかにうまく自分の体調管理をするか、というのもひとつのチャレンジです。みなさんどうぞ無理せず、でも意義深い10日間を過ごしてください。蛍が飛び蛙が鳴く村の夜、すがすがしい村の朝の空気もぜひ堪能して。

小嶋さん、アテンドよろしく。がんばってねー。(ほんと、駐在員はカラダが資本です)



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2006年06月16日

共感しあえるツアーとは

今日は今受け入れている労組のみなさんのツアーの最後の夜。夕方振り返りのミーティングを事務所でしたあと、夜は市内のレストランで皆さんと食事をしてわいわいと楽しい時間をすごしました。

今回いらっしゃったツアーの皆さんは若い方ももちろんですが、わたくしと同年代?の40歳前後の方々が非常にパワーがありました。アテンドは全行程小嶋駐在員で、私がご一緒したのは最終日だけだったのですが、振り返りのミーティングで何人かの方がおっしゃったことはとても心に響きました。今回のツアーの振り返りではとくに「親としての思い」を吐露された方が多かったんです。

小学校2年生を頭に3人の男の子がいるお父さんで、ストリートチルドレンの青空教室に行って、自分の子どもと同じぐらいの子どもたちが懸命に勉強したり歌ったりしているのを見て涙がとまらず、でもなぜ涙がでるのかわからなかった、という方。今回のツアーで見たこと、感じたことをまずは自分の子どもとシェアしたい、とおっしゃっていました。

20代前半で結婚して早くに出産され、若いときに海外旅行をするような機会がなく、今回はじめての海外なんですよ、という女性の方。ぜひ、子育てまっさかりのお母さんのツアーも考えてみてください、とおっしゃっていました。

好奇心の強い、エネルギーある子どもたちが印象的でした、という男性の方。こういう経験を子どもと一緒に体験したい、受け入れ側としては大変でしょうが、ぜひ親子ツアーを企画してください、と。

今回のツアーの皆さんとお話して、スタディツアーももっといろんな可能性があるんじゃないかと思いました。

たとえば、わたしたちの農村のパートナー団体のPAPRIは障がいをもつ人や子どもたちのための活動にここ数年力を入れています。障がいをもつお子さんのいるお母さん(もちろんお父さんも)は当事者でないとわからないような苦労がいろいろあります。日本で障がい児をもつお母さんが、お子さんといっしょにバングラデシュにきて、ここのお母さんと話すことができたら、そういう経験をもつ方だからこそ共感できることがあるかもしれません。

夫に先立たれて、ひとり暮らしをされている女性の方が、バングラデシュの同じ状況の女性たちと会うことができたら。なにかお互いに力を得られるかもしれません。

スタディツアーに参加される方は、大学生の方が多いかと思います。それはそれでだいじです。これから様々な経験を積んで各分野で活躍していかれる若い方たちが、学生時代にバングラデシュのような国があること、そこで生きる人たちのことを知っていただくことは貴重な経験だとおもいます。

でも、もっと「普通にしてたらスタディツアーに参加することなど考えることもできない」方のためのツアーも考えなきゃいけないと思いました。障がいをもつ方とその家族。親やお連れ合いの介護中の方。小さなお子さんの子育てに追われるお母さん。そういう方はなかなかスタディツアーに参加することはできません。

でも、実はそういう大変な状況の中でがんばってる方だからこそ共感できること、そういう方だからこそ言葉の壁など抜きにして通じ合えることがある。こちらのひとにもそういう方の言葉だからこそ響くものがあるかもしれない。そういうつながりをもっとだいじにしなきゃいけないいんじゃないだろうか。

そしてそういう方々にツアーに参加していただくためには、今までやってきたようなツアーとは違う準備や気配りが必要です。たとえば介護中の方が数日留守にするには、ずいぶん前から手をつくして留守にするための準備をしなければいけないですよね。そういう場合、うんと日数は短い、でも凝縮されたツアーにしなきゃいけないかもしれない。渦中にいる方は、「スタディツアーなんてムリムリ」と笑われるかもしれないけれど...

皆さんのお話を聞きながら、いろいろ考えさせられる夜でした。UIゼンセン同盟ツアーのみなさん、ありがとう。


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2006年06月13日

フィールド出張7つ道具

そろそろ夏のスタディツアーのシーズン。今も労組の皆さんのチームが来バ中で、小嶋駐在員のアテンドのもと、今日は農村パートナー団体のPAPRIを訪問中です。夕方小嶋駐在員と電話したところ、今日はリキシャで農村プロジェクトを見て回り、全員元気、とのこと。よしオッケー!

さて、これからツアーなどでいらっしゃる方の中には、何を持っていったらいいか迷う方もいらっしゃると思うので、今日は私が農村出張のときに重宝しているお道具を7つ選んでご紹介。
まあ、でもこういうものは個人差があるので、あくまでご参考程度に。

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まず、履き物。暑いし、よく脱いだり履いたりするのでサンダルが便利ですが、農村やスラムのようなところを歩くときは足元が悪い場合も多く、底のしっかりした滑りにくいものがオススメ。
私の愛用品は、ウォータースポーツする人用のもの。遠慮なく水洗いできるのが重宝。

でも日本からいらっしゃる場合は、スニーカーを履いてきて、そのほかにビーチサンダル持参というほうがいいかもしれませんね。村で水シャワー浴びるときにもビーサンは便利です。一番シンプルな、ペタンコなやつがいいですね。

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あと、目覚まし時計。ツアーでいらっしゃる皆さんが泊まられるようなゲストハウスの部屋には、目覚ましどころか時計もないのが一般的。私の愛用品は温度計つきのデジタル目覚まし時計です。気温がわかるのってけっこう便利。

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そして蚊対策はマストでしょう。虫除けスプレーやさされた場合のかゆみ止めはお忘れなく。私は液体よりこういうチューブのもののほうが効くような気がします。このほうが軽くてかさ張らないですしね。蚊取り線香もあるといいでしょう。村で泊まるところなどは蚊帳があるので、寝るときはそんなに心配しなくても大丈夫ですけど。

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そして懐中電灯などのライト類。よく停電するので何か灯りを持っているとよいでしょう。もちろんゲストハウスや農村の事務所でも蝋燭やハリケーンというランプなどを用意していますが、私が必ず持参するのは、百円ショップで買った押すだけでつく丸い小さなライト。これはどこにでも置けるし、移動できるし、村で夜寝るとき、蚊帳の中に持ち込んで新聞読んだりもできるので便利。

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このミニサイズの懐中電灯は白幡前所長にもらったもの。小さいけどけっこう明るいです。でも最近は懐中電灯つきの携帯電話があるんですよね。小嶋駐在員のはそれです。

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フィールドでメモをとるためのノート。私はB6サイズのノートとボールペンを愛用。もっとすごーく小さいノートを使ってる人もいますが、私はこれぐらいの大きさは欲しい。暗いところでメモするような場合はシャーペンの字はよく見えないのでボールペンがよいです。

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タオルハンカチ。ここでは基本的に手でご飯を食べるので、手を洗う回数が自然と多くなります。やわなハンカチじゃすぐびちょびちょになってしまうので、厚手のタオルハンカチをたくさん持ってるといいですね。

ほかにも、デジカメとか「通販生活」で買った高吸収タオルとか、斜めがけできる小さいナイロンのショルダーバックとか、いろいろ重宝してるお道具はあるのですが、7つを超えてしまうのでここまでにします。

旅行は何を持っていこうかなあ~と考えるのも楽しみのひとつ。これからスタディツアーに参加される方、経験者にいろいろ聞きながらお早めに準備を開始してください。前夜の寝不足は旅行中の体調不良につながりますので、前々日には準備を終えて、出発前の日はよーく寝てきてくださいね。

(といいながら、バングラデシュ赴任前夜にパッキングが終わらず、ほとんど徹夜になってしまったのはわたくしですが...)


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2006年01月29日

合宿終了

2泊3日の合宿が今日で終了。ダッカからシレット方面へ向かう街道ではバスがすごい勢いで飛ばすので冷や冷やしましたが、私のお腹も復活したし、具合が悪くなる人もなく全員無事帰ってこられたのはなにより。

今回泊まったのはHEED BANGLADESHというNGOが経営するゲストハウス。
ここはバングラデシュ独立前にパキスタン政府が運営するハンセン病患者の病院があったところで、独立後にHEEDがバングラデシュ政府からその運営を委託され、土地をほとんど無期限で借り受けたところ。今はここには病院はありませんが、広大な土地の中に離れのようなゲストハウスや集会所があって合宿には最適です。建物は古いしお湯が出るような設備もありませんが、わたしらNGOには十分。

ここで各パートナー団体が現在力を入れている活動や、来年度に向けての計画、今抱えている問題などについてディスカッションしたわけですが、やっぱり面白かったのは夜のかくし芸大会。いやー、みんななかなか芸達者なんです。

劇の一場面を演じて見せる人あり、歌う人あり、ジョークを披露する人あり。

バセッド即興の歌.jpg


中でも一番感心したのは、Pで始まるあるパートナー団体の代表による即興の歌。
スタッフたちのコーラスつきで「予算が削られて困ったよ~、新しい団体なんかやめちゃって、うちにもっと予算をつけてよ~」というような意味の歌を、面白く節をつけて歌うのでみんな大うけ。

お酒が入らなくてもこれだけ楽しめるとは。学校のお楽しみ会をちょっと思い出しました。

私も一応、ハルモニウムを弾きながらTHE BOOMの「島唄」を披露してみたところ、それなりに評価されたかな?という感じ。

それから興味深かったのは、この地域に住む先住民の人たちの暮らし。今回はモニプリとカシという民族のコミュニティーを訪問しました。

モニプリもカシも、モンゴロイド系で独自の言語や文化をもつ人たち。おとなはだいたいベンガル語が話せますが、家では母語を使って育つ子どもたちが、小学校でいきなりベンガル語で授業を受けなければなりません。今回訪ねたモニプリのコミュニティーのリーダーは、小学校5年生まではせめてモニプリの言葉で授業を受けられるよう、ロビー活動をしているとのことでした。

カシの人たちはここがバングラデシュ?と思うような丘陵地に階段状に家をつくって住んでいます。おもな収入源は南アジアの人たちが大好きなパーンの葉の栽培。

パーンの葉.jpg


彼らが住んでいる土地は今はバングラデシュ政府から借りているという形になっているようですが、不定期な契約期限を更新しながらなんとか住み続けているようです。

小さな子どもたちはベンガル語はよくわからないようでしたが、習ったばかりのカシの言葉で「コブライ(こんにちは)」と声をかけると、はにかんだ笑顔を見せてくれました。

カシの子どもたち.jpg


(2006年1月29日)


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2006年01月26日

明日から合宿!

地方出張の合間に深夜まで根をつめて仕事するようなことをくりかえしていたら、さすがに具合が悪くなり、ゆうべ食べたとっておきのレトルトハヤシカレーをゲーゲーしてしまいました。ああ、もったいない。でも、バテているときにレトルトやインスタント食品を食べると、てきめんに具合が悪くなりますね。やっぱりあんまり身体にいいもんじゃないんでしょう。

おかゆ.jpg


疲れたお腹にはやっぱりなんといってもお粥と梅干し。前の駐在員が残していってくれた小ぶりの土鍋と、実家の母の自家製梅干しが、しみじみと有難い...。

しかし、休んでいる間もなく、わがダッカ事務所は明日から2泊3日の合宿に突入!4つのパートナー団体からも数人ずつ参加者がくるので、総勢30人の大旅行になります。この合宿は、スタッフの研修と親睦をかねて、年1回実施しているもの。各パートナー団体の活動についての情報交換や、訪問地域で活動するNGOの見学などがメインですが、夜はかくし芸大会やプレゼントがあたるラッフル・ドローなども企画され、スタッフたちは、それはそれは楽しみにしているのです。

今年の合宿先はバングラデシュ北部のシレット。バングラデシュには珍しく丘陵があり、紅茶園がたくさんあるところです。(この紅茶園で働くひとたちは大変な生活を強いられているのですが、その話はまた後日。)

そういうわけで、バテてもいられず、明日は朝7時に事務所を出発してバスで5時間の長旅。死にそうだわ~。

でも、なんとか今夜中に全快してテンションあげて合宿にゴー!だ!!

(2006年1月26日)


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2006年01月24日

マタゴロム

ベンガル語の言い回しは、ときに日本語のニュアンスとよく似ているなあ、と思います。日本語にも「頭にくる」とか「頭に血がのぼる」という表現があますが、こちらでよく聞く面白い表現のひとつに「マタゴロム」があります。

鍋とネコ.jpg
       ↑
  今日の話に関係ないですがポイラ村・STEP事務所の鍋とネコ
                   
「マタ」は頭、「ゴロム」は暑い、または熱いという意味で、頭に血がのぼって熱くなってしまうのが「マタゴロム」な状態です。 怒って頭にきたときだけでなく、興奮してしゃべった後などもマタゴロムになりますし、根をつめて仕事をして煮詰まってしまったようなときも「マタゴロムになっちゃった」などと言います。

わがダッカ事務所のあるドライバーは自分に向けてか他人に向けてか「マタゴロムになりやすい人は車の運転には向かない」と言っていましたし、先日こちらのテレビドラマを見ていたら、かっとなった夫に向かって妻が、「ああ、お願いあなた、マタゴロムしないで」などと言っていました。

1月末のいま、ダッカ事務所では、現地の4つのパートナー団体と来年度のプロジェクト計画や予算について話し合いを重ねているところ。
ダッカの都市での新規事業やインドで始める予定の事業も加えると6つの団体と計画や予算について詰めなければなりません。

パートナー団体にはそれぞれやりたいことが色々あり、各団体の存続もかかっているので予算交渉はなかなか大変。しかしこちらも無い袖は振れません。

冗談みたいな多額の予算書を出してきたり、キャパシティーからいってちょっと無理ではないか、という計画を出してきたりする彼らと、どれだけ膝を割って話し合い、お互いそこそこ納得できるところまで歩み寄れるかが勝負どころです。

あまり駆け引きはうまくないし、駆け引きしている時間もないので、もったいぶった言い方はしないようにしています。心がけているのは、こちらの考えやリミットははっきり伝えつつも相手の立場に立って親身に考えること。

そしてなによりマタゴロムにならないこと、相手もマタゴロムにさせないことです。(でもばっさり予算を削られたパートナー団体の代表は夜眠れなくなったりしているようです。こっちも辛いけど、仕方ない…)

事務所長のようなマネジャーの仕事は私にとってここへ来て初めて取り組むものですが、この「いつでもマタゴロムにならない、マタゴロムになったところを見せない」ということが、単純ながら難しく、実はマネジャーとして一番大事なことかもしれないなあ、と最近感じています。

(2006年1月24日)


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2006年01月03日

大河の中洲でお正月

あけましておめでとうございます。

バングラデシュでは年末年始は休みじゃないので、大晦日も元日もしっかりとお仕事でした。
大晦日は、ネパールから研修で来たネパール事務所スタッフとパートナー団体のJAFON、CAPCRONのスタッフ、計5人のネパール人と一緒に、ストリートチルドレンのための青空学級とドロップ・イン・センターへ。

ネパール5人組はとても熱心。ダッカでストリートチルドレン事業を実施しているパートナー団体のオポロジェヨ・バングラデシュのベンガル人スタッフたちとも意気投合し、地域の人を巻き込む難しさや子どもたちのドラッグ依存の問題など、結局夕方6時近くまで話し込んでいました。

夜は日ごろからお世話になっているご一家のお宅で、小嶋駐在員夫妻ともども、ひと足早いおせち料理やお雑煮をご馳走になり、感激。夜9時にはNHKワールドの「ゆく年、来る年」で寒そうな日本の年明けの様子もチェック。

帰りはとくに大使館の集中するバリダラや外国人の多いグルシャン付近が大変な警戒で警官だらけ、道もあちこち閉鎖され、大変な遠回りをするハメに...。

そして元日からは、ダッカから車で約2時間のノルシンディ県のパートナー団体、PAPRIの事務所へ。村の夜は思いのほか冷え、厚めの布団をきて寝ても寒いぐらい。今何度ぐらいかなあ、と思ったけれど、愛用の温度計つき目覚まし時計を忘れてきたのでわからず残念。

2日の朝はミネラルウォーターとパンを買い込み、ダッカ事務所のプログラム・オフィサーとPAPRIのスタッフ数人とでメグナ河のチョール(中洲)地域へ。
ここは大河メグナが運んできた土がつくった広大な低地。川は幾筋にも分かれて網の目のように中洲の間を通っています。

雨季には土地のかなりの部分が水に浸かってしまうところですが、乾期の今は稲、じゃが芋、さつま芋やピーナツなど、様々な作物がつくられ、マスタードの菜の%


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