シャプラニール=市民による海外協力の会
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シャプラニールについて

藤岡ダッカ事務所長のブログ1998年から3年弱インドに住んだのをきっかけに南アジアとの縁ができ、引き寄せられるようにシャプラニールへ…。そして2005年5月からダッカへやってきました。最近の趣味は、そぞろ歩きを楽しむダッカ市民に混じり、サルワール・カミーズにスニーカーを履いて夕方の公園でウォーキングすること。バングラデシュの村や都市で今起こりつつある変化をなるべくコマメにお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしく。

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シャプラニール=
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2009年5月29日

 Aila来襲から3日

サイクロンAilaによる被害は想像以上に大きなものになってしまいました。政府の発表によるとこのサイクロンによるバングラデシュ国内の死者は147名(155名という報告も)、被災者総数は350万人以上にのぼるということです。インドの西ベンガル州でも大きな被害が出ています。

人々が早めにサイクロン・シェルターなどに避難していたこともあり、Sidrに比べると死傷者はずっと少なかったですが、それでも今回被災した350万の人々の窮状は生半可なものではありません。まず、悲惨なのは今回被災した人の多くが、2007年のSidrの被災者であり、まだ立ち直りきれないうちに新たな災害に遭ってしまった、ということ。また、Sidrの際は頭上を越すような高潮が来たものの、翌朝には水が引いていたのですが、今回はちょうど大潮の時期とサイクロンの上陸が重なってしまったため、満ち潮になるたびに高潮が何度も押し寄せて来て水が何日も引かなかったのも、人々のパニックに拍車をかけました。私たちがSidrの復興支援に重なるような形で今回のAila被災者の緊急救援を始めたバゲルハット県のショロンコラ郡のボクルトラ村周辺では、今日はもう7割がた水は引いたのですが、地域によってはまだ水が引いていないところもかなりあるようです。

「まわり中見渡す限り水、水、水。でも飲み水はない」

これが昨日送られてきた現地NGOからの報告の最初の一行でした。安全な飲料水の確保がとにかく最重要課題ですが、水というのは重いものなので遠くから大量に運ぶのは困難ですし、ミネラル・ウォーターのボトルなどは数本ずつ配ったところですぐに使い切ってしまいます。そのため、現地になるべく近いところで水源を探し、その水を濾過したり沸かしたりして安全な状態にして使用することが現実的だといえましょう。

幸い、私たちが支援活動を行っているボクルトラ村では、村にいくつかあるPond Sand Filter(PSF)という石や砂利、砂を層にした濾過装置が設置されている池の中で、ひとつだけ高潮の水をかぶらずにすんだものがあり、その池の水が村の命の水となっています。昨日から村の中で炊き出しによる食糧支援を始めましたが、その料理に使う水もこの池のフィルターを通した水を運び、沸かして使っています。また、高潮が来た直後は塩辛くなっていた川の水の塩分濃度が日を追うにつれ下がってきたということで、その水を沸かして飲んでいる人もいるそうです。しかし、飲める水が得られる場所が極端に限られてしまった今、高潮の水が引いたばかりの村の中は歩けば膝まで足が埋まるようなぬかるみで、遠くまで水を汲みにいくのは大変なことです。

塩分のない水は十分に煮沸したり浄水剤を使えば飲料水として使えるようになりますが、いったん塩水が混ざってしまうと、水から塩を抜くのは簡単なことではありません。Pond Sand Filterでも、浄水剤でも塩は抜けないですし、いくらきれいな水でも塩辛かったら人は飲めません。塩水から簡単に短時間に、大掛かりな装置も使わずに塩を抜く方法があれば、ずいぶん多くの人が助かるのに...。でもそんな方法があったら人類はとっくに海水を飲料水にしてますよね。

バングラデシュの沿岸部では、井戸を掘っても塩水が出てしまうので日頃から池や川の水に飲料水を頼っている地域が多くあります。ボクルトラ村もそういう場所のひとつで、私たちもSidrの復興支援活動の中で事務所兼研修センターの横に飲料水用の大きな池を掘ってPSFをとりつけ、毎日150世帯ぐらいがこの池の水を使っていました。飲料水用の池だからと水浴びも禁止し、周囲の住民たちも大切に使っていました。この池はサイクロン時に高潮の水がさかのぼってくるバレッショル川から1km以上離れていたし、池の周囲も土盛りしてかなり高くしていたのに、Sidrから2年もたたないうちにまさかの高潮がここまで押し寄せてきて大切な池を飲み込みました。この池の水は一度ポンプで全部抜き出して中を掃除し、雨期の雨水をあらためて溜められるようにしなければなりません。これはかなりの大作業になります。まったくもって悔しいことです。

今日からボクルトラ村、隣のラエンダ村の2ヵ所のサイクロン・シェルターを拠点に炊き出しを始め、計2000人以上の人々にキチュリ(ダール豆、野菜、じゃがいもなどが入ったカレー味のお粥)を提供しました。今日の昼過ぎ、現場に行っていたダッカ事務所のプログラム・コーディネーター、ポリモールからの電話の後ろでは、炊き出しの行列でごった返す人々のざわめきが聞こえてきました。

明日はもっとたくさんの人が来るでしょう。現場での活動を担うパートナー団体のJJSのスタッフたちは、自分たちも衣類を流されたりしながらがんばっています。今のところ政府の支援もこの村の人々にはまったく届いておらず、備蓄していた米や食器も水に流されて家で料理もできず、この炊き出しのキチュリだけが今日の食事、という人がほとんどだったようです。

できるだけ早く人々に元のような生活に戻ってもらえるようにしなければなりませんが、それにはまだだいぶ時間がかかりそうです。現地の状況を注意深く見守りながら、今後の短期・長期の対策を考える日々が続きます。

 




投稿者: 藤岡 日 時: 02:05 | | コメ ント (0) | トラッ クバック (0)

2009年5月25日

 サイクロンAILA、クルナ沿岸へ

久しぶりのブログがサイクロン報告になってしまいました。 

土曜日にベンガル湾上に発生した熱帯低気圧がサイクロンとなってAILA(アイラ)と名づけられ、現在バングラデシュのクルナ沿岸を横断中です。このサイクロン、2007年のSIDRのようにパワフルなものではないので、暴風の被害はそれほどないと思われますが、悪いことに今日は新月、つまり大潮にあたっており、高潮の被害がすでにかなり出ている模様です。沿岸部の人々の多くはサイクロン・シェルターなどに避難しています。 

私たちが復興支援活動を行っているバゲルハット県ショロンコラ郡ボクルトラ村付近も川の堤防が決壊して水が村に流れ込み、かなり被害が出ているとの報告が入ってきています。私たちの活動の根拠地である開発センター(事務所兼研修センター)の中にも水が入ってきてしまい、飲料水用の池の上まで川の水が来てしまったとのこと。村の農業支援用に購入した耕耘機やバイクなども比較的高い場所に避難させているものの、これ以上増水すると水に漬かってしまうかもしれない、とのこと。それ以上に、村の中のサイクロン・シェルターがすでに満杯で避難できない人が出ているらしいことが心配です。

 人口の多い村内にもっとシェルターが必要なことはわかっていたのですが、私たちの資金ではSIDRのあとシェルターを建てるところまではムリでした。しかし、これはなんとかしてシェルターを増設しないと、今後も被害が出てしまいます。それより先に川の堤防を直すべき。これは政府がやるはずの仕事ですが、なぜちゃんとやらなかったのか。政府もあれほどSIDR直後に堤防や道路や橋を直すための資金を日本含めドナー国から得ていたはずなのに。 

今夜暗くなる前にサイクロンが通過し、水が引くといいのですが...。そうでないと電気のない村は真っ暗になることもあり、死傷者が出ないか心配です。ぎゅうぎゅう詰めのシェルターに避難している人たちもそのまま夜を越さなければならないことになると大変です。 

現地のスタッフもサイクロン直撃中の今は自分の身を守らねばならず、避難している状況です。被害状況把握と対応を開始できるのは明日の朝になりそうです。

 

 




投稿者: 藤岡 日 時: 17:57 | | コメ ント (0) | トラッ クバック (0)
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