シャプラニール=市民による海外協力の会
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シャプラニールについて

藤岡ダッカ事務所長のブログ1998年から3年弱インドに住んだのをきっかけに南アジアとの縁ができ、引き寄せられるようにシャプラニールへ…。そして2005年5月からダッカへやってきました。最近の趣味は、そぞろ歩きを楽しむダッカ市民に混じり、サルワール・カミーズにスニーカーを履いて夕方の公園でウォーキングすること。バングラデシュの村や都市で今起こりつつある変化をなるべくコマメにお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしく。

特定非営利活動法人
シャプラニール=
市民による海外協力の会(地図・住所
〒169-8611
東京都新宿区西早稲田2-3-1
早稲田奉仕園内
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FAX:03-3202-4593
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2008年07月31日

 明石書店、石井社長がマグサイサイ賞受賞

夕食後、家でメールをチェックしていたら、「明石書店の石井社長がマグサイサイ賞受賞!」というニュースが飛び込んできました。出版不況といわれる中、強い信念をもって人権問題などをテーマにした良書を出し続けてこられた石井社長のお顔が浮かんできて、なんだか胸が熱くなりました。本当におめでとうございます。

シャプラニールの歩みをまとめた本、「進化する国際協力NPO-アジア・市民・エンパワーメント-」も、ダッカ駐在員座右の書、「バングラデシュを知るための60章」も出版社は明石書店です。ふとダッカの自宅の本棚にある明石書店の本を数えたら、15冊ありました。ロバート・チェンバースの「第三世界の農村開発-貧困の解決 私たちにできること-」「参加型ワークショップ入門」や片倉もとこ先生が訳された「イスラームを知る32章」など、ここで活動していく上での教科書として大切な本たち、シャプラニールの大橋前代表の「『不可触民』と教育-インド・ガンディー主義の農地改革とブイヤーンの人びと」、高田峰夫さんの「バングラデシュ民衆社会のムスリム意識の変動-デシュとイスラーム-」、斉藤千宏さんの「NGO大国インド-悠久の国の市民ネットワーク事情-」など、先輩たちの貴重な研究。明石書店のような出版社さんがなかったら、これらの本とも出会えなかったかもしれません。日本の家に置いてきた本や図書館で読んだ本なども入れたら、学生時代から本当に多くのことを明石書店の本から学んできたんだなあ、と思います。

国際協力に携わる私たちにとってなくてはならない本をたくさん出してくれた明石書店、そして石井社長にあらためて感謝したいと思います。

気恥ずかしいので最後になりましたが、私も6年ほど前に翻訳したインドのウルワシー・ブターリアさんの本、「沈黙の向こう側-インド・パキスタン分離独立と引き裂かれた人々の声-」を明石書店から出版していただき、大変お世話になりました。その翌年、ウルワシーさんは第8回日経アジア賞・文化部門を受賞され、授賞式には石井社長もみえてとても喜んでくださいました。そうか、ウルワシーにもこのニュースを伝えなきゃ。

石井社長、そして明石書店さん、今後ともどうぞよろしくお願いします。これからもたくさん貴重な本を出版してください。




投稿者: 藤岡 日 時: 23:55 | | コメ ント (7) | トラッ クバック (0)

2008年07月30日

 石けんの値上がり

最近のバングラデシュでの食料品や日用品の値上がりは凄まじいものがあるのですが、今月とくに激しく値上がりしたもののひとつに「石けん」があります。事務所でもよく使っているLUX石けんの大きいやつは、1個21タカから32タカ(1タカ≒1.6円)になってしまいました。ほかの石けんがいくらぐらいになっているのか、まだチェックしてませんが、これはとても困ったことです。

バングラデシュのスラムや農村部では、今も「トイレの後や食事の前は石けんで手を洗いましょう」というセリフを保健ワーカーやNGOが口を酸っぱくして言い続けています。シャプラニールのプロジェクト地でもそうです。いまだに石けんで手を洗う習慣がついていない人も、石けんを買うお金があったらお米が買いたい、と言う人も少なくありませんが、長年の手洗いキャンペーンのおかげで村やスラムでもかなり石けんの使用は一般的になりました。

しかし、いっきに1.5倍以上、というこのひどい値上がり。石けんの大きいのとお米1キロがほとんど同じ値段だったら、そりゃあ「石けんなんてそんな高価なもん買えるかい」ということになりますよね。

石けん値上がりの理由は「パーム油の値上がり」ということらしいですが、それにしても値上げ幅が大きすぎないか?便乗値上げじゃないんだろうか。インドでは1個あたり1ルピー(≒2.5円)の値上がり(→Times of India 7月2日)なのに、なんでバングラデシュでは10タカ以上も上がるんだ?工場はバングラデシュ国内にあるはずだけど、原料の輸入にバカ高い税金がかかっているからなのか?

私たちは家事使用人として働く少女たちのためのプロジェクトをダッカ市内3ヶ所で実施していますが、最初の2年弱のパイロット・プロジェクトの評価をしたとき、ダッカ北部のコライル・スラムのセンターに通う少女たちが言っていたことを思い出します。

「このセンターに通う前はあんまり石けんで手を洗ってなかったの。でも今はトイレのあとやご飯の前は必ず洗うようになった」
「お父さん、お母さんが石けんを買うお金がもったいない、って言ったら、病気になって病院に行かなきゃならなくなったら、もっとお金がかかるよって言って石けんを買ってもらうの」

そうやってせっかく石けんを使って手洗いすることが身についた女の子たち。スラムで厳しい生活を送る彼女たちの親は、これまでどおり石けんを買ってくれるかどうか。

スラムには揚げ物なんかの廃油はたくさんあるだろうから、廃油を使った手作り石けん教室をやるのもいいかなあ。うまく作れたら売れるかもしれないし。でも、廃油石けんづくりに欠かせない苛性ソーダは劇薬だから、年端もいかない少女たちに扱わせるのは危なすぎるか...。

うーん、困ったことです。




投稿者: 藤岡 日 時: 01:50 | | コメ ント (6) | トラッ クバック (0)

2008年07月22日

 チョール(中洲)の活動の3年目

先週13日から16日まで、パートナー団体のPAPRIとともにノルシンディ県ライプラ郡のチョール(大河の中洲)で実施している活動の評価のため、現場に行ってきました。シャプラニールのダッカ事務所から私を含めた4人、PAPRIから7人、計11人が3チームに分かれ、プログラムの対象者の人たちとあらためてグループ・ディスカッションやインタビューをし、活動の進捗状況や成果、課題などについて情報収集しました。

ポッダ(ガンジス)川、メグナ川、ブラフマプトラ川などの大河のデルタ地帯にあるバングラデシュ。大河の中には大小様々なチョール(中洲)があり、そこにも多くの人々が住んでいます。私たちがPAPRIを通じて活動を行っているチョールはメグナ川の中にあり、かなり大きなものです。

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チョールにはノウカと呼ばれる船で渡ります。竹で編んだ屋根の上に座るとまわりが見渡せて気持ちよいです。雨が降ったりやんだりなので、レインコートを着込んでます。

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こんな小さな島みたいなチョールにも人は住んでいます。私たちが活動しているのはこの先のもっと大きなチョール。

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目指すチョールに入ってきました。もうすぐ上陸。

このチョールでは2年半ほど前から、子どもの補習教室、思春期の少女たちのための識字教室、少女グループ、最貧困層グループの活動を行っています。川で隔てられ、他の地域からの行き来も不便だし電気も来ていないチョール。ここで活動するNGOも少なく、行政サービスもまったく行き届いておらず(というより見捨てられているような状況)、いろいろな意味で取り残されています。

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識字教室で学ぶ少女たち。この年齢になるまで、一度も学校へ行けなかった子たちばかりです。こういう子がまだまだたくさんいます。長いあいだ学校へ行きたいと思い続けて、やっと学ぶ機会が得られた少女たち。真剣なまなざしで学んでいます。

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補習教室で学ぶ3年生のアブドゥッラーくんとお母さん、弟。アブドゥッラーくんは家が貧しく、政府の学校への入学もままならなかった子どものひとり。2年半前、PAPRIはこういった貧しくて出生登録もしておらず、小学校からもはじき出されている子どもたちを計150人出生登録させ、小学校に入学させました。この子たちが学校に行く前後の時間に学ぶ補習教室がこのチョール内に5カ所あります。アブドゥッラーくんも放っておけば学校に行くチャンスを失っていたかもしれませんが、今はクラスでトップの成績だそう。

家庭訪問してお母さんに話をきいてびっくりしました。彼ら家族はダッカのスラムにも家があるというのです。それも、私たちが使用人として働く少女のための活動をしているダッカ最大のコライル・スラム。ダッカで茶店をしているお父さんと縫製工場で働く兄二人、姉一人はこのスラムの家に住み、お母さんとアブドゥッラーくん、弟はこのチョールの家に住んでいます。チョールに家族全員で住んでいてはやっていけないから、数年前から別居生活をすることにしたそうです。年に2-3回、お父さんが帰って来て少しの間お母さんと交代するそうです。お父さんと上の3人がダッカで働いていればかなり収入にはなりそうですが、スラムの家賃などダッカでの高い生活費、行き来する交通費もかかるので生活は苦しいとのこと。

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最貧困層グループの女性たち。チョールは平野部以上に子沢山の家庭が多く、子ども7-8人はざらです。このグループは比較的子どもの数が少ないな...と思ったのですが、はっと思って子どもを亡くした経験のある人は何人いるか聞いてみたところ、17人の女性のうち9人までもが1人以上の子どもを出産時や幼いときに亡くしていました。中には5人子どもを亡くしたという女性も。教育もなく、衛生状態も悪く、医療機関もない中で、何のトレーニングも受けていないお産婆さんや近所の女性の介助で自宅出産する女性がほとんどということもあり、死産や流産も絶えません。「それでも昔よりはだいぶよくなったんだよ」と女性たちは言っていましたが...。出産時に逆子だったりヘソの緒が子どもの首に巻きついたりして危険な状態になったら??「ノウカを借り切って県庁所在地の病院に行けるぐらいの金持ちならいいけど、そうじゃなかったら死ぬしかないよね。運が悪かったらおしまいだね」と淡々と語っていました。そもそもノウカで1時間ぐらいかけて本土に渡っても、そこから県庁所在地まではまだまだ距離があります。緊急時にはとても間に合わないでしょう。夜中だったりしたらお手上げです。

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チョールでの現場訪問を終えたあと、PAPRIの事務所でチームごとの発表とディスカッション。今までの活動で達成できたこと、やれていないこと、これからやらなければいけないことを話し合いました。チョールは保守的で迷信を信じる人も多く、また住民の中での勢力争いも絶えません。「女性や子どもたちの状況をよくしていくためには、おとなの男性たちへの働きかけが不可欠」「少女だけでなく男性の若者たちも活動に巻き込むべきでは」「学校の教師や宗教リーダーと定期的にミーティングをして活動にもっと関わってもらう必要がある」などなど、さまざまな意見が出されました。

不便な場所だけに、「簡易トイレの普及もしなければ」「自前の船があればいざというとき救急車がわりにもなるのに...」「子どもの教育支援はもっと規模を広げないと」と、サービス提供のニーズをあげればキリがありません。でもサンタさんのように一方的に「あげる」ばっかりの支援活動を行うわけにもいきません。課題は山積み。でも私たちのリソースは限られています。そんな中で最大限の成果をあげられる活動、成果が持続する活動とは...。住民たち自身の「地域を変えていく力」を引き出す支援とは...。

PAPRIとの現行の3ヵ年計画は今年度いっぱいで終了。来年度からの新たな活動に向けて、PAPRIとの議論は続きます。




投稿者: 藤岡 日 時: 02:00 | | コメ ント (0) | トラッ クバック (0)

2008年07月12日

 くたびれた日には

ダッカに駐在して3年2ヶ月、仕事の中身にはさほど自慢できることはありませんが、唯一我ながら上出来だと思うのは、これまでほとんど病欠をしていないことです。1年目は確か1日も病欠しなかったし、他の年も具合が悪くて休んだのは年間せいぜい2-3日というところ。今年度はまだ休みなし。上出来、というよりラッキーというべきなのかもしれません。丈夫に生んでくれた親にも感謝すべきでしょう。

しかし、そんな私でも3ヶ月に1回ぐらい、こりゃ起き上がれんわ、というぐらいくたびれ果ててしまう日があります。平日はダッカ事務所のスタッフたちの手前気を張っているのでなんとかなっているのですが、出張続きで2週間ぶりの休み、などというときにバッテリーが切れたみたいにくたっととなります。

昨日(こちらは金・土が休み)はそういう日でした。目が覚めたとき朝だと思って時計を見たら1時半。もちろん昼の、です。起き上がろうとしたけれど腰が痛くて起き上がれない。よろよろと身体をずらしつつベッドから滑りおり、台所に向かってコーンフレークに牛乳をかけたのを食べたものの、力は入らないし頭や腰は痛いし、新聞を読んだりメールをチェックする気力もない。持ち帰った仕事もできそうもない。

こういう日は開き直ってただひたすらゴロゴロするに限ります。結局私は昨日は3回ぐらいしかベッドから降りませんでした。こんなときは固形物を食べるのも控え、ただ芋虫のようにじっとしているのがよろしい。間違ってもレトルト食品やカップラーメンを食べてはいけません。たちまちお腹がロックしてしまい、七転八倒することになるからです。

そうして1日過ごしたら、今日はだいぶ復活しました。お腹を壊しているわけでなくても、こういう時はひたすらポカリスエットを飲み(飲む点滴)、何を食べるかはよくよく吟味します。今日のヒットはジュートのスープ。おととい作った残りを冷蔵庫から出してあっためただけですが、しみじみと「あーこりゃ疲れているときにいいわ」と思いました。明日からまた4日間フィールド出張だけど、なんとかなりそう。

<ジュートのスープのつくり方>
1. にんにく1-2片をみじん切りにする。
2. ジュートの葉適量をネバネバするまでよくみじん切りにする
3.鍋に油を入れ、1、2の順に入れ、ネバネバしたペーストのような状態になるまでいためる。
4.3に少しずつ水を足し、スープの素を入れて味付けする。
5.溶き卵を回しいれて火を止める。

*日本ではモロヘイヤでお試しください。

今のバングラデシュではジュートは一把6タカぐらいですから10円足らず。安いです。バングラデシュではジュートの葉っぱは貧乏人の食べ物だとみんな思っているみたいです。でも、要はモロヘイヤですから鉄分、ビタミンも豊富なはず。バッグなどに使う天然繊維素材としてのジュートだけじゃなく、ジュートの葉も農村の人々の栄養源としてもっと見直されていいんじゃないかなあ。

農村の最貧困層家庭などをこの時期訪ねると、よくジュートの葉を日干しにして保存食をつくっています。私もあれやろうかな。日に干して瓶詰めにしておけば、あとで水で戻してスープがつくれるんじゃないかしらん。

雨期の湿気と暑さでバテ気味のダッカ在住の皆さま、そして梅雨の日本でお疲れのみなさま、ジュートの葉やモロヘイヤ食べると元気出ますよ。お試しあれ。




投稿者: 藤岡 日 時: 16:36 | | コメ ント (0) | トラッ クバック (0)
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