シャプラニール=市民による海外協力の会
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シャプラニールについて

藤岡ダッカ事務所長のブログ1998年から3年弱インドに住んだのをきっかけに南アジアとの縁ができ、引き寄せられるようにシャプラニールへ…。そして2005年5月からダッカへやってきました。最近の趣味は、そぞろ歩きを楽しむダッカ市民に混じり、サルワール・カミーズにスニーカーを履いて夕方の公園でウォーキングすること。バングラデシュの村や都市で今起こりつつある変化をなるべくコマメにお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしく。

特定非営利活動法人
シャプラニール=
市民による海外協力の会(地図・住所
〒169-8611
東京都新宿区西早稲田2-3-1
早稲田奉仕園内
TEL:03-3202-7863
FAX:03-3202-4593
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2007年6月28日

 できたよ!の顔

自分が書いたもの、できるようになったものを見せるとき、子どもたちはとってもいい顔をします。
今日はそんな、「できたよ!」の顔をご紹介。

まずはストリート・スクール(青空教室)の子どもたちから。

1から100までの数字.jpgベンガル語.jpg

左の子は1~100までの数字、右の子はベンガル語の文字を「書けたよ!」と見せているところ。

続いては、家事使用人として働く少女たちのヘルプセンターで。

ししゅう.jpgアイロンかけ.jpg

左の子は刺繍ができたよ、と得意そう。右の子はここで習ったアイロンかけを実演しているところ。

小さな「できた!」の積み重ねが、子どもたちの自信になりますように。




投稿者: 藤岡 日 時: 14:23 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)

2007年6月27日

 果物の日

果物のお皿.jpgシャプラニールと現地NGOのオポロジェヨ・バングラデシュが運営しているストリートチルドレンのためのドロップイン・センター(以下DIC)では、年に何回か「果物の日」があります。普段から夕方4時半には1人一杯ずつ牛乳を飲ませているのですが、この「果物の日」には牛乳プラス季節の果物が食べらるので子どもたちはワクワクしてます。先週の土曜日、DICに行ってきたところ、ちょうどこの日が「果物の日」でした。

写真左上はこれから配る果物のお皿。マンゴーとジャックフルーツがのっています。数が多いので壮観。

そして、下の写真は、果物を食べる子どもたち。夢中で...というか大事そうに食べています。ご飯や炒り米によく熟れたマンゴーやジャックフルーツをのせ、牛乳をかけたおやつはバングラデシュの人たちの大好物。子どもたちもそれをやっている子が多いですね。男の子グループと女の子グループに分かれております。

女の子グループ.jpg男の子グループ.jpg

この日の果物はプロジェクトで出したものですが、最近はたまにDIC周辺の地域の人たちからも、「子どもたちに食べさせて」と果物の寄付をもらったりするようになりました。DIC開始から数えて今年は7年目。かなり地域に溶け込んだ存在になりました。




投稿者: 藤岡 日 時: 16:45 | | コメ ント (0) | トラッ クバック (0)

2007年6月22日

 小さな来客

先週の木曜日のこと。勤務時間中だというのに、事務所のスタッフが順番に出たり入ったりしています。
「どうしたのあなたたち。落ち着かないねえ」と聞いてみると...
「アパ、門の前で男の子が歌ってるの。その歌がすごく上手いんだよ。」とスタッフ。

どれどれ、と私も外に出てみると...

少年たち.jpg事務所の向かい側の建築資材の山の上に、少年が二人腰掛けていました。ひとりはルンギ1枚をたくし上げて短パン状にして着ただけ、もうひとりはシャツとジャージのズボンをはいていますが、このズボンは片足が長ズボン、片足が短パン、という状態になっています。

ルンギの子のほうが朗々と歌を歌っており、近所の人や向かいの建築現場で作業中の人たちやらが耳を傾けていました。

「最初、ドブの掃除をさせてください、と言ってきたんだけど、子どもにそんな危ない仕事をさせるわけにいかない、といったら、じゃあ歌いますといって歌いだしたんだよ。それがあんまり上手いんで感心してしまって、みんなでちょっとずつ小銭をあげたわけ」とスタッフたち。

どこから来た子なのか、なんで歌っているのか、事務所の入り口のところに呼び入れてちょっと聞いてみました。

「どこから来たの?」
「ボラ島」
「そんな遠くから来たの?!」
「うん」

ルンギの子のほうは、ボラ島(バングラデシュ南部のポッダ河の河口にある島)の出身だそう。両親は島にいてここでは叔父さんの家に身を寄せており、いっしょにいる子は従兄弟だということでした。

でも、どうもよく聞いてみると、この子は以前、私たちのパートナー団体のオポロジェヨ・バングラデシュがこの近くでやっているドロップイン・センター(シャプラニールが支援しているプロジェクトとは別のもので、宿泊施設はない)に通っていたらしいのです。子どもの口からはっきり「オポロジェヨ・バングラデシュ」と聞いてびっくりしました。

そこでは勉強もしていたのが、叔父さんに「あそこにいると外国に売られちまうよ」などと脅されて、連れ出されたそう。今は歌を歌ったり掃除をしたりして稼いでは、叔父さんにお金を渡す毎日だというのです。

どうも、この叔父さんという人、歌の上手いこの少年を小遣い稼ぎの道具にしているようです。少年はテレビに出るような歌手になりたいという夢があるそうですが、学校にもいっていないし、毎日歌いすぎて声が枯れ掛けています。

少年たち2.jpg親戚だからといって子どもによくしてくれるとは限りません。子どもを使って稼ぐことしか考えていない人もいます。この子も、ドロップイン・センターに通い続けることができれば、勉強したり他の子どもと遊ぶこともでき、困ったことがあったときには、センターのスタッフに相談することもできたはずなのですが....

ストリートチルドレン支援事業担当のスタッフが、この少年に「もう1回ドロップイン・センターに通ってみたらどうだい?身体も清潔にして、勉強もしないと、将来歌手になれないだろ?」と話すと、神妙な顔で頷きながら聞いていました。

ひとしきり話したあと、少年たちは手を振って去っていきました。この子はしょっちゅうこの辺で歌っているらしいし、スタッフは少年の名前も聞いたので、一度少年がいたドロップイン・センターに連絡してみると話していましたが、子どもがセンターに行きたくとも叔父さんが納得しなければ阻止されてしまうかもしれません。

この子が歌っていた歌の内容は私にはわかりませんでしたが、スタッフの話によると、母親への想いを歌ったものばかりだったそう。
ボラ島にいる少年の母は今どんな気持ちでいるのでしょう。




投稿者: 藤岡 日 時: 23:48 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)


 雨季の空

P1020748.jpgP1020751.jpg

雨季まっただ中のダッカ。今日の空はこんな感じです。
雨はいまのところぱらっと降ったりあがったり。
夕方頃、ざーっと来るかも。

あ...停電。




投稿者: 藤岡 日 時: 18:09 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)

2007年6月18日

 海外一人暮らしのストレス発散法

バングラデシュは一人暮らしをしていても、あまりさびしい思いはしないですむ国です。リキシャのベル、モスクから聞こえるアザーン、車のクラクションや工事の音など、いつも何か物音がしているし、人々はとてもオープンで、会ったその日に家に誘ってくれたりします。電車に1時間乗っていても誰とも話さないのが普通の日本とは、よくも悪くも別世界。間違い電話まであんたは誰だとしつこく聞いてくるのには閉口しますが...。

しかし、あまりさびしくはならないにしても、ひとりで暮らしながらこの国でこういう仕事をしていると、なんかこう発散しきれないうっぷんやモヤモヤがたまってくる、ということはあります。仕事上のジレンマ、自分の能力の限界、なかなかみつからない解決策、そこに追い討ちをかける暑さと停電、湿度の高い空気...。平日の夕刻自宅でひとり、気分転換もままならない。さて、そんな時は、どうするか。

いろいろ編み出した方法はあるのですが、最近気に入っている発散法のひとつは、エアロバイク(赴任してすぐ3万タカで購入)を部屋で漕ぎながら、日本のCDを1枚分、思い切り大声で歌う、というもの。そうすると約50分、自転車こぎも続けるし歌も歌い続けることになるので、腹筋も鍛えられて効果倍増。この国はあたりかまわず大声で歌っている人なんていくらでもいるので、あまり周囲に恥ずかしく思うこともありません。(さすがに窓は閉めてますが)

これまであれこれ試しましたが、私が持っているCDの中では、自転車こぎをしながら歌うのに一番合っているミュージシャンはスピッツ。作詞・作曲者の草野マサムネ氏自身が自転車が好きなんだと思いますが、歌にも自転車に乗っているシーンが多く、リズムが合ってるんですね。

そういうことで、さー今日もこれからCD1枚分自転車こいで歌うかなーというところ。ストレス発散+体重5キロ減+カラオケの歌がうまくなる、という成果を期待してるんですが、果たして効くか?




投稿者: 藤岡 日 時: 23:18 | | コメ ント (4) | トラッ クバック (0)

2007年6月17日

 湿度90%の日々

湿度が90%を超える日々が続いています。
木のドアは膨らんで閉まりにくくなるし、箪笥の中の服まで湿っぽくなるし、髪は跳ねるし、肌はべとつくし...で、仕事を終わって帰るととにかくシャワーだ!という感じ。
保湿化粧水まったく必要なし。この季節、わたしは「ヘチマコロン」以外、使う気になれません。
今のところまだカビの被害はないですが、もう少したつと、「ああっ、こんなところにカビが!」というショックに見舞われることになるでしょう。

新聞に出ていた気象予報によると、今年の冠水状況は例年並かそれより少し多いぐらいになるだろう、とのこと。ひたひたと水が大地を覆う季節ですが、予報通りなら大洪水の心配はなさそうです。(当たるかどうか、まだわかりませんが...)

このところ、ダッカのスラムへは何度も足を運んでいるのですが、農村部へしばらく行けていないので、ダッカを出て田舎に行きたくてたまりません。出張してきたスタッフたちに様子を聞きつつ、水嵩の増した川をノウカ(小舟)が行き交う雨季の農村部の風景を思い浮かべています。

「書を捨てよ、街へ出よう」と言ったのは寺山修司でしたが、「パソコンを捨てよ、村へ行こう」というフレーズが時々頭に浮かんできます。

来月はコルカタやバングラ農村部への「出張集中月」になる見込み。村では蛙がぴょんぴょん跳び、夜は蛍が乱舞するのも見られるはず。それまでいましばらくダッカで頑張りましょう。




投稿者: 藤岡 日 時: 23:17 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)

2007年6月16日

 ある金曜日

バングラデシュでは金・土が週末。ダッカにいるときは金曜日は家でたらーっとしていることが多いのですが、昨日はいつになく忙しく、また私にしては気前のよい金曜日でした。そんな1日をご紹介。

<午前中~昼すぎ> 
ダッカ日本人会の総会に出席。これはホテルのホールを借り切って年1回行われるもので、日本人会の理事の選挙もここで行われます。行きのCNG(天然ガスで走るオート三輪タクシー)の運転手が道を間違え、グルシャン界隈をぐるぐる回って約30分遅刻。私は外国人が多い住宅街から離れたところに住んでいるので、日本人の友人・知人とはご無沙汰しがち。ホテルのビュッフェとワインなど楽しみつつ、日本女性どうしのお喋りが楽しかった~。忙しい中、理事を引き受けてくださっている方々に感謝。

タクシーでの帰り道では、路上の子どもがポップコーンを売りに来ました。私は自分ではほとんどポップコーンを食べないのですが、先日花で後悔したこともあり、今日は買うか...と1パック10タカで購入。そのポップコーンは自宅フラットのガードマンたちにあげました。

<夕方その1>
一度自宅に戻ったあと、5時に事務所近くの通称「大家さん」のお宅へ。ここは、過去にシャプラニールの駐在員が何代にもわたって間借りしていたお宅で、この家のご主人は人々に尊敬される有名な歌手でした。病気もされずお元気だったのですが、先月急に眠るように86歳で亡くなりました。

昨日は亡くなってほぼ1ヶ月後の、ミラットとよばれる法事。日本でいえば四十九日のようなものでしょうか。ご自宅の1階に女性たち、2階に男性たちが座り、法事自体は2階の男性の部屋で行われ、イスラム導師の声はスピーカーで1階にも聞こえるようになっていました。

イスラム教の法事は普通こういう風に、男女のスペースが分かれています。法事が始まる冒頭の説教は、「親のある人は親を大切にしなさい、もう親のない人は、なくなった親の魂のために祈りなさい」という主旨のお話でしたが、口調はなんだか講談師みたい。誰にでもわかるようにこういう話し方を工夫するんでしょうね。

長く連れ添ったお連れ合いを亡くされた夫人は、「ほんとうに寂しくて、辛くてねえ...」と話しながらもまめまめしく来客の世話をされていました。

その後パックされたビリヤニが配られたのですが、私はその後直接友人宅へ行く予定で、そこでご馳走になることがわかっていたので、どうしよう...としばし思案。結局事務所へ歩いていき、ひとりで警備をしているガードマンにあげました。彼はもちろん大喜び。

事務所前にいた“知り合い”の犬2匹も、私が「気前イイ・モード」になっていることを感知したらしく、尻尾をふりながらついてきました。6タカでパンを買い、犬にも喜捨。

<夕方その2>
ミラット終了後、またCNGに乗ってミルプールの友人、ディプとジュムルの家へ。ディプのお母さんと一番上のお姉さんがボリシャルからいらしたということで、またまた招んでもらいました。私のお土産は道路際で買ったマンゴー2kg、120タカ。

サンタルのお手伝いの少女、シルピーは前に会った時より、元気になったみたいで、昨日買ってもらったばかりという赤いワンピースを着ていました。ディプに今回さらに詳しく聞いた話では、シルピーはここに引き取られる直前は一時母方のおばあさんの家にいたそう。そこも日に1度食べられるかどうか、という非常な貧しさで、ディプがシルピーに「おばあちゃんちでは何を食べてたの?」と聞いたところ、「ご飯がないから食べ物を盗んで食べてた」と言ったそう。その時に比べれば今はお手伝いの仕事はあるものの、服も買ってもらえ、お腹いっぱい食べられて安心でしょう。

この家ではいつも何種類ものベンガル料理をジュムルがつくってくれ、もっと食べろ、食べろ、と限界まで勧められます。昨日も海老、鶏、山羊、ダール、ビリヤニ、果物など盛りだくさんで、断わって断わってそれでもどう考えても食べ過ぎ。

いざ帰る段になってディプと大通りでタクシーを探していたら、急にお腹が痛くなり、通りに近いディプのおばさんの家に駆け込んでトイレを借りるはめに...。しかもその家の居間では、ディプも昼間参加したという彼の従兄弟の婚礼内輪パーティが継続中で、みんながギターを弾いて歌ったりして賑やか。そんな中、すみませーーんと入っていって案内されたトイレは新郎新婦のベッドルーム付属のもの。こんな部屋に入っていいのか?と思いましたが、急を要するので、ジャスミンやバラの花びらで飾られた新婚のベッドの横をすり抜け、お手洗いを借りました。助かった...。嫌な顔ひとつせず、親切だったご一家、ありがとう。

ディプにタクシーで自宅まで送ってもらい、強力ワカモト9錠を飲んで私の金曜日は終わりました。




投稿者: 藤岡 日 時: 20:24 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)

2007年6月15日

 タイガーバームは、エライ。

相変わらず、ひどい虫刺されと格闘している私。左肘の内側の腫れが治ったと思ったら、今度は右腕の内側を事務所でまた謎の虫に刺され、肘の内側から手首の近くまで、手のひらより大きいぐらいの範囲がぱんぱんに赤く腫れあがってしまいました。

サブロンクリーム.jpgあんまりひどいので、スタッフに見せて「これどうしたらいいと思う?」と聞くと、「うわっ、なにそれ、アパ?!虫の毒が回ってるんじゃない?それはもうサブロン・クリームを塗らなきゃだめだよ」ですと。
「サブロン・クリーム?」
「殺菌クリームだよ。傷とか火傷とかひどい虫刺されにはサブロン・クリームだよ」
「そうだそうだ、サブロン・クリームだよ」

どうやら、日本のメンソレータムやオロナインに匹敵する、バングラデシュの家庭の常備薬のようです。

薬屋で早速「サブロン・クリーム・小」なるものを22タカ(1タカ=約1.7円)で買い、塗ってみたのですが、いまいち効いてるんだかなんだかわからない感じ。腫れて熱をもった腕は真っ赤なままです。うーん、これは病院に行かないとダメかなあ...。

タイガーバーム.jpgそこでふと、前回も腫れたけど、ここまでひどくなる前に治ったよな...あれはなんで治ったんだろ?と考えてみたら、あ!とタイガーバームを塗っていたことに気がつきました。そういえば、今回、キンカン、ムヒ、ウナコーワ、サブロン・クリームは全滅だったけど、タイガーバームはまだ試してなかった。

そして塗ってみたら、なんか熱っぽかった腕がスースーして、効いてる感じ...。そのまま寝たら、朝はだいぶ腫れが引き、熱もおさまっていました。

たいしたもんだ、タイガーバーム。バンコクの空港で、タイガーバーム(白)をまとめ買いしておいてよかったわー。これからは虫に刺されたら迷わず、タイガーバームだ!




投稿者: 藤岡 日 時: 03:52 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)

2007年6月13日

 チッタゴン地すべり死者100名以上に

チッタゴンの地すべり災害の死者は、今日の午前中の段階で118名にのぼっています。今も救出活動は続いており、この数字は残念ながらまだ増えてしまうでしょう。

崩れ落ちた丘の土砂で運河や側溝が埋まり、チッタゴンの町もあらゆるところで麻痺状態になっているようです。チッタゴン港からの荷の輸送にも影響があるでしょう。

おととい「目先のことしか考えない開発に腹が立つ」と書きましたが、実際は「開発業者や土砂業者などが好き勝手に丘を削り、行政もそれを放ったらかしにしてきた」というのが実情のようです。役所には当然こういったことを監視すべき役目の人がいるはずですが、何もしてこなかったか、業者とつるんで儲けていたか、ということなのでしょう。テレビの環境専門家の談話では、丘を削ったり土砂を運び出したりすることを規制する法律を新たにつくるべきだ、という話も出ていました。甚大な被害が出てからでないと問題にしない、動かない、とは、人間とはなんて愚かなのでしょう。

人のことばかりはいえません。「いよいよこれはまずい」という状態になってから「なんとかしなきゃ」と動き出すのは私たちの仕事にもあること。日々の仕事に追われたり、以前から続いてきた仕事に疑問を持たず、惰性で繰り返すようなことをしていると、そういう状況に陥ります。

崖が崩れる前に防ぐこと。崩れるずっと前にその危険性を見通して必要な対策を実行すること。
言うのは簡単ですが、実はそう簡単にできないことです。「崖」はどこにあるのか。いつも気をつけていないといけません。




投稿者: 藤岡 日 時: 16:44 | | コメ ント (5) | トラッ クバック (0)

2007年6月11日

 チッタゴンの地すべりで64人死亡

今日、バングラデシュ南東部のチッタゴンで、大雨による地すべりのため、少なくとも64人が死亡、今も救出活動が続いている、というニュースが入ってきました。シャプラニールとも友好関係にあるチッタゴンンのNGO、YPSAも緊急救援にあたっています。

チッタゴンの丘陵地帯では、樹木の伐採や丘陵そのものを削り取って土砂を運び出す、といったことが近年無計画に行われており、地すべりの危険が増大していることが以前から指摘されていました。やはりこうなってしまったではないか!と目先の利益しか考えない開発に腹が立ちます。

ここ1週間ほど、毎日激しい雨が降り、北部でもブラフマプトラ河やメグナ河の水嵩が急激に増しつつあるとのこと。こちらは北西部の友好団体、GUKからレポートが届いています。シャプラニールの活動地では、洪水常襲地のマニックゴンジ県含め、今のところ洪水の被害はありませんが、北西部やインド北部で大雨が振り続けば、今後洪水になる恐れはあります。

この大雨の天気はまだ1週間は続きそうだとのこと。ダッカ市内もあちこち水浸しになり、スタッフの通勤や移動にも差し障りが出ています。

涼しくなったと喜んでいる場合ではないようです。いよいよ災害シーズンの幕開け、です。

追記:今朝の新聞によると死者は80人を超えてしまいました。地すべりの被害としては近年最悪の事態となりました。(6/12)




投稿者: 藤岡 日 時: 21:03 | | コメ ント (2) | トラッ クバック (0)

2007年6月10日

 10タカの花

今日(土曜日)昼頃、近所のスーパーから家まで戻るのにリキシャに乗りました。このスーパーは私の家からとても近く、間にある本屋の裏口から表へ突っ切っていくと5分もかかりません。帰りは荷物があるのでスーパーの前からリキシャに乗ってぐるっと回って帰ることが多いのですが、近いのでまあ5タカも出せば上等、というのが相場でしょう。

降りて6タカ払おうとすると、リキシャワラはあと2タカくれ、と粘ります。
「こんなに近いのにそんなに出せないよ。6タカでも多いぐらいでしょ」
「マダム、もう3時だけどわたしゃ昼飯も食べてないんですよ」
「そう。でも無いよ、あと2タカは。」
「10タカあるでしょう、2タカおつりがありますよ」
「出さないったら!」

よくあるやりとりです。ここで「私が外人だからふっかけてるんでしょうが!」と怒ってみせたりすることも。

「わかったよ。いいよ6タカで。でも貧乏人に2タカ出したからってあんた何が困るんだい?」

ほんとです。2タカは日本円にすれば4円足らず。それを出そうが出すまいが、私が困ることはいっこうにないのです。なのになぜムキになってしまうのでしょう。

夕方、食事に誘われて、CNG(天然ガスで走るオート三輪タクシー)に乗り、店のあるグルシャン方面へ向かっていました。国会議事堂の横を旧空港へ向かう道の信号待ちのところで、花を売っている子どもたちがいました。そのうちのひとりは前にも2~3度ここで見かけ、ちょっと話したこともある男の子。年は10歳ぐらいでしょうか。ひょうきんで、愛嬌があって、とても可愛い男の子です。小学校のクラスに一人はいた人気者の子、という感じの子です。

私が、「あ、あの子がいるな」と思ったら、その子も私に気づいたようで、花をもって私のCNGにすっとんできました。「アパ、お花買って。ほら、いい香りでしょ?10タカだよ。ねえ。」と愛嬌たっぷりにせまります。座席の横に無理やり花をおいて、CNGの反対側に回って「ね?」と手を出したりします。子どもがさしだした花束は白いフリージアのような、香りの強い花でしたが、少し開きかけていました。

いつもなら、買わないにしても「小銭がないんだよ、ごめんね」とひとこと言うとか、子どもを拒絶しないような断り方をして、子どもも「バイバーイ」と見送ってくれる(買わなくても)ことが多いのですが、今日はなんだか私の心はかたくなで、「ダメダメ、いらない」と花をつきかえしてしまいました。

信号が青にかわり、CNGが動き始め、私につきかえされた花を受け取った子どもの顔がゆがみました。落胆と疲れ、拒絶された悲しみ。この子のこんな顔は見たことがありませんでした。

走るCNGの中、目的地に着くまで、ずっと後悔していました。たかが10タカの花、気持ちよく買ってやればよかったのに。あの子は花が売れるまできっと帰れない。たぶん近くのスラムに家があって、親がこの子の稼ぎをあてにして待っているのでしょう。

一方でストリートチルドレン支援活動をしながら、路上で懸命に花を売る子を突き放す。貧しい人の収入向上と言いながらリキシャ代の2タカに怒る。私はここで何をやっているんだろう?

CNGがグルシャンの大通りに入ると、両手が肘から切断された男性がCNGに寄ってきました。私がどうしようか一瞬迷った間に、CNGのドライバーが静かに彼にコインを渡し、この男性は次の車へと歩いていきました。
 




投稿者: 藤岡 日 時: 03:15 | | コメ ント (4) | トラッ クバック (0)

2007年6月 9日

 窓辺の泣き声

バングラデシュは本格的なモンスーンの時期に入ったようで、毎日のように雷雨があります。一時40度近かった最高気温は32度ぐらいに下がりましたが、湿度は約90%。なんだか毛穴をサランラップで覆われたような息苦しさを感じます。土曜日の今日も朝からどんよりとした曇り空。なんだか憂鬱になってくるような天気です。

朝昼兼用の遅い食事をとった後、台所で食器を洗っていたら、うちと向かい合わせになっている隣の台所の窓からすすり泣く声がします。以前、隣のお手伝いの少女、ナシマがよく顔を出していた窓です。

驚いて見ると、ナシマが村に返された後に来たお手伝いの少女が窓辺で泣いているのです。彼女の名前はアスマ。ナシマよりはだいぶ年上で、16~17歳ぐらいでしょうか。来てすぐの頃はとてもおとなしく内気な感じで、見かけても話をすることもなかったのですが、ちょっと前に私が屋上で風に当たっていたら、「こんにちは」と話しかけてきて、あれ、ずいぶん感じが変わって明るくなったな、と思っていたところでした。

彼女の雇い主である隣人のナディムからは、彼女は故郷のノアカリに赤ちゃんがいて、時々その子のことを思い出しているのか、ぼーっとしているときがあるんだ、という話を聞いたことがありました。ということは彼女は結婚しているのでしょうが、夫はどこにいるんでしょう。泣いているのは、その赤ちゃんに何かあったんだろうか。それとも何か失敗して叱られたのか。

窓から「どうしたの?」と声をかけたら、泣き腫らした顔を上げて、「姉が死んだの」と言います。
「病気だったの?」「そう」
彼女は女4人男2人の6人きょうだいで、2人いた姉のひとりが亡くなったという知らせが、今日届いたようなのです。
「故郷には帰るの?」「うん」
答えながらも泣き続けています。それ以上話しかけるのもかわいそうなので、そっとしておくことにしました。

彼女がダッカへ働きにきているところをみると実家は貧しい家なのでしょう。亡くなったお姉さんは結婚していたのか、実家にいたのかわかりませんが、いずれにしてもまだとても若かったはずです。お姉さんの治療費の負担もきっと積もっていることでしょう。

アスマは隣のお手伝いさん用の小部屋に籠もってまだ泣き続けています。




投稿者: 藤岡 日 時: 14:55 | | コメ ント (0) | トラッ クバック (0)

2007年6月 5日

 「養子」と「使用人」の間

ディープ1歳.jpg以前、このブログで、私のバングラデシュ人の友人夫婦が、少数民族の血を引く男の赤ちゃんを孤児院から引き取り、養子にしたことを書きました。この子が1才の誕生日を迎え、お祝いをするというので、先週末彼らの家に行ってきたら、ディープ(前にはディップと書きましたがディープのほうが音に近いよう)という名のこの子はもう部屋から部屋へ歩き回るようになっており、育ての母のジュムルもすっかりお母さんらしくなっていました。お祝いにあげた日本土産の甚平を着たディープは見た目まるで日本の子どもみたい。車と犬が大好きで、外に出たがって仕方ないんだそう。幼稚園から英語で教える有名な学校でよい教育を受けさせるつもりなんだ、と父親のディプが言っていました。

シルピーとディープ.JPGさて、今回訪問して知ったのですが、この家のメンバーにはもうひとり10歳ぐらいの女の子が増えていました。シルピーというひょろっと手足の長い恥ずかしがり屋の少女で、この子もディープとは違う少数民族のサンタルの子だそうです。シルピーの実母は独身寮のようなところで賄いの仕事をしていたそうですが、非常に貧しい上、夜はシルピーをほったらかしていろいろな男の人と遊びに行ってしまい、日本で言うところのネグレクトのような状態にあったようです。シルピーの父親も誰だかわからない、という話でした。シルピー本人も学校に行く気がなく、毎日ただただテレビを見ていたのだと。

共働きのディプとジュムルは、養子のディープの世話や家事のためにおとなの通いのお手伝いさんを一人雇っていますが、もうひとり手伝いが必要だと思っていたところへそういう状況にあるシルピーをみつけ、子守り兼家事手伝いとして引き取ったのだそうです。シルピーは彼ら夫婦をお父さん、お母さん、と呼んでいるそう。私が行ったときも、台所で料理するジュムルを忙しく手伝っていました。

この日はシルピーについてこれ以上詳しいことは聞けなかったのですが、なんだか複雑な思いがしました。ディープもシルピーもこの家にいて、ディプとジュムルをお父さん、お母さんと呼んで育っていく。ディープはこの家の子どもとして高い教育も受け、両親の愛情をいっぱいに受けて育っていくでしょう。ディプとジュムルのことだから、シルピーの将来のことも色々考えて接していくことと思いますが、それでもシルピーはあくまで「お手伝い」であって、書類上も正式にこの家の養子となっているディープとはやっぱり違うのです。シルピーはほとんど学校にも行かずにおとなになるのでしょう。彼女はそのことをどう受け止めながら育つのでしょう?もう既にディープと自分のこの家での立場の違いを理解しているのでしょうか。

シルピーは養子でもなく、完全に「仕事」として雇われているわけでもなく、半分この家の子ども、半分お手伝いさん、といった感じです。このあたりの感覚がなかなか私には理解できないのです。家において食べさせ、育てていることも確かなのですが、自分の子どものようには教育は受けさせないし、いろいろ家事をさせるわけです。この扱いの違いの加減も家によって様々で、限りなく自分の子どもに近い扱いをしている場合も(稀ですが)あるし、人間と思っていないような酷い扱いで、奴隷制度そのものだと思うような場合もあります。年端もいかない子どもがひとりで他人の家で暮らすのは、普通に考えればとても辛いことのはずですが、実の親が暴力を振るったり、まともに食べさせられない場合もあるので、一概に親の家がいいとばかりも言えません。

シャプラニールでは昨年度から「家事使用人として働く少女たちの支援事業」を実施しており、シルピーのような子たちに勉強や家事・手芸などの技術研修、レクリエーションの機会を提供しつつ、親や雇い主への働きかけを行っています。この事業を行いながら、家庭で使用人として働く子どもたちにも様々なケースがあることがわかってきました。住み込みの場合は親戚の家にいる場合もあり、その子の家の中での立場や状況をどう考えたらいいのか難しい時があります。使用人と家族・親族の間の線引きがかなりグレーな場合があるということです。親戚であっても富裕の違いが大きければ、貧しい方が豊かな方の言いなりになる、ということもあるでしょうし...。

いずれにしても日本の感覚だけで判断するのは困難だし、それを押し付けたら間違うだろうと思います。この国の習慣や現状を踏まえた上で、すべての子どもたちの権利が守られる社会に近づけていくには、ここの人たちの考え方を理解し、長期的な展望をもち、この国の心ある人たちに主導してもらって、根気よく働きかけを続けていく必要があるでしょう。

次にこの友人宅を訪ねるときは、ディープだけでなくシルピーにも必ずお土産を持っていこう、と思っています。




投稿者: 藤岡 日 時: 16:47 | | コメ ント (7) | トラッ クバック (0)

2007年6月 1日

 姿を見せない虫

暑さがピークに達する中、人間はバテバテですが、虫たちは元気なようです。蟻も多いので、果物をむいたあとの皮など、即座に蓋つきのバケツに入れるようにしています。去年だったか、冷凍したひき肉を解凍していたのをうっかり忘れていて、ちょっと温まっちゃったかなあ、と台所を覗いたら、蟻だらけになっていて驚愕したことがあります。肉に蟻がたかるなんて日本じゃあまり考えられないですよね。

ここ数日、寝ている間に謎の虫にさされることが相次いでいます。蚊ではないのは確かで、寝ている間に痒くて目が覚める、ということもないのですが、起きるとなにやら刺された跡があり、ちょっと痒いのでキンカンなどつけると、だんだん腫れてくるのです。終いには直径5~6センチぐらいに赤く腫れあがってしまい、熱をもってコブのように固くなるので、この虫の毒が蚊などより強いらしい、ということがわかります。

昨日は首筋をやられ、今日はひじの内側が腫れ、という具合で、保冷材で冷やしたりしてるんですが、これほどの腫れをもたらした虫の姿が全然見えないのです。ベッドに潜むダニなのか?南京虫?いずれにしてもごく小さくて強力なヤツだと思うんですが...

なんなんでしょう、この虫?ごぞんじの方は教えてください。




投稿者: 藤岡 日 時: 19:50 | | コメ ント (6) | トラッ クバック (0)
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