かき入れ時
断食明けのムスリムの大祭、イードが1週間後にせまってきました。この時期は日本のお正月のようなもので田舎に帰る人も多いので、わがダッカ事務所も前後週末合わせて9日間の連休となります。イードの前には皆田舎に持っていくお土産や、自分や家族の新しい服などの買い物をするので、道路やお店の混雑も今週がピーク。
イード前のこの時期、とくにかき入れ時を迎える商売にはこんなものがあります。
①仕立て屋さん
新しい服の仕立てで大忙し。引き受けた仕立て物はすべてイード前に仕上げなければならないので、どこの仕立て屋も今は夜なべで必死で仕事をしています。私がちょっと前に頼んだ仕立物を「急がなくてもいいよ」と言ったら、仕立て屋の青年はすがるような目で「イードの後でもいいでしょうか?」と聞いてきました。相当仕事がたまってるんだろうなあ。
②床屋さん
ベンガル人は床屋さんのことを「セルーン」と呼んでいます。要は「サロン」ですね。このセルーンも今はイード前に髪を整えてパリッとしよう、という人たちで混んでいます。この時期は料金もちょっと高くなるのだとか。
③カード屋さん
イードのときには「イード・ムバーラク」と書いたグリーティング・カードをやりとりしたり、贈り物にカードを添えたりする人が多いため、イード前のこの時期はカードを売るお店もかき入れ時です。道端にカードの露店も出ます。
④ブティック
ダッカにはサリーやサルワール・カミーズといった女性用の民族衣装を売るブティックがいろいろあります。安上がりなのはこういうところでデザインのアイディアを盗み、自分で生地を買って仕立て屋でつくることですが、ある程度お金のある人はブティックでのお買い物をエンジョイ。どのブティックもイードの時には「今年のイードファッション」と称して新しいデザインを発表します。
わが事務所に今年入った新人で、高級住宅街のダンモンディに家がある「お嬢」がいるのですが、彼女は、「イードのときにブティックを見てまわって気に入った服を買いたいけど、交通渋滞がひどくて何件も見るのは大変。だから先に雑誌で目星をつけてからお店に行くの」と言って、昼休みにファッション雑誌を見せてくれました。なるほどダッカのお嬢はこういう雑誌を参考にしてお買い物するのね。
イード休みに入ると、皆が一斉に帰省するので、バスも電車もフェリーも乗客満載でよろよろ状態になります。この時期は乗りすぎたバスがパンクしてひっくり返ったり、フェリーが沈没したり、という事故も度々起こります。ダッカのスタッフたち、皆無事に帰省して元気に戻ってきてもらいたいものです。