これって電磁波のせい?
シャプラニールの会員で、医療関係のNGO活動で何度もバングラデシュを訪れているAさんが、帰国直前の木曜日、雨の中ダッカ事務所に寄ってくださいました。いろいろと四方山話をしたのですが、その中で話題になったのは電磁波のこと。日本では「電磁波過敏症」の人が増えているんだそうですね。
電磁波の害がずいぶん前から話題になっていたのは知っていましたが、最近具体的な症状を訴える人が増えていることはよく知りませんでした。日本の話題に乗り遅れている自分を意識して、ウェブサイトで電磁波の害のことをちょっと調べてみました。
電磁波過敏症の症状について見てみたら、あれ?なんか私当てはまるよ、という項目がいくつも。目の痛みやかすみ、肌の乾き、のどの乾き、鼻の調子が悪い、粘膜の異常な渇き、頭がきーんとする、ときどき動悸がする。これ全部当てはまるぞ。とくにノートパソコンに長時間向かっていると(今もそうですが)なんか調子が悪くなるんだよな、と思ってまた調べたら、がーん。デスクトップに比べてノートパソコンの電界はとっても強いんですね。やっぱり電磁波のせいなのかしら。それともただの老化現象?
こういうことって今日本では問題になっているけれど、バングラデシュの一般の人々が電磁波の害のことを知るのなんてずっと後のことになるでしょう。というより、「電磁波」なんて言葉は知らないまま一生を終える人がきっと大半。でも、今はバングラデシュの農村でもそこら中に携帯電話の電波塔がどんどん立てられているので、その近くに住んでいて人知れず偏頭痛に悩んでいる人も実はいるかもしれません。「どこでも携帯が通じるようになってバングラデシュも便利になった」などと喜んでばかりもいられません。

日本でさんざん問題になっているアスベストの害のことだって、バングラデシュの人たちはあまりよく知りません。5月29日のこのブログにもちょっと書きましたが、国際環境NGOのグリーンピースと人権NGOのFIDH、そしてチッタゴンの地元NGOのYPSAが共同で発表した、チッタゴンの船の解体所の写真集を見たら、サリー姿の女性がアスベストの山にしゃがみこんで、竹のふるいでアスベストをふるっていました。再利用するためだとか。愕然としました。
写真=Greenpeace, FIDH, YPSAによる写真集「End of Life Ships-The Human Cost of Breaking Ships」の1ページ。アスベストをふるう女性。
日本でアスベストの除去作業に携わる人は、何千円もする防御服を着て、それも数時間ごとに着替えないといけないので、1日この防御服代だけで万単位のお金がかかるそうです(これはAさんの受け売り)。片や、口さえ覆わず素手でアスベストをふるっているバングラデシュの女性。危険を知ってしまった先進国ではできない仕事を一般庶民の無知をいいことに途上国に安く押し付けている現実。
こういう例はきっとほかにもたくさんあるはずです。日本人にとって危ないことは、他の国の人にとってだってもちろん危ない。とくに情報が届きにくい途上国の人たちに、どうやって危険を知らせ、危険から守っていけばいいのか。そのあたりにも先進国のNGOが率先してやらなければならないことがたくさんありそうです。