少女たちの村芝居
バングラデシュの人たちは本当にお芝居が好きです。
テレビなどの娯楽が広まったため、以前に比べると本格的な村芝居はずいぶん減ってしまったそうですが、シャプラニールの活動地でも子どもたちのグループや思春期の少女たちのグループのメンバーが、早婚や持参金の問題やHIV/AIDSのことなど、メッセージをこめたお芝居を時々上演します。時には日本からのスタディツアーなどの来訪に合わせ、1週間ぐらいで新しいお芝居を作って上演してくれることも。
学校でも独立記念日の行事などでは、数人の選ばれた生徒が順に前に出て、独立のために戦ったフリーダムファイターや独立戦争で子どもを失って気がふれてしまった母親などの一人芝居を披露したりします。

写真の少女たちはおととい紹介したテロスリー小学校のすぐ近く、テロスリー村のメグラ(雲)少女クラブによる村芝居。このグループの子たちはとても芸達者で、劇のレパートリーもすでに4つあるそう。脚本や配役は自分たちで話し合って決めるそうですが、だいたい「はまり役」というのがあるもので、男役がうまい子、お年寄りの役がうまい子、NGOワーカー役の子などは、毎回ほぼ似たような役をやっている模様。
劇の上演があるときは、近所の子どもたちやお年寄りも集まって、おかしなシーンでは皆がわっと笑います。深刻なテーマの劇でも何か笑える工夫がしてあって、おとなから子どもまでが楽しく見ています。
この日の劇は、マザコンの夫としゅうとめが、輸血が元でHIVに感染している疑いがある嫁をいじめて追い出してしまいますが、NGOワーカーがHIVについて正しい知識を説明し、離婚を思いとどまらせる、といったストーリー。孫であるこの嫁の身を案じておろおろする実家のおばあちゃんや、コビラージュ(まじない師)、ウワサ好きな近所の人、お医者さんなども登場。クラブのメンバーは10数人いますが、今日の「役者」は5人。ほとんどが一人二役をこなします。おばあちゃん役は髪をチョークで白くし、コビラージュは長いヒゲをつけ、男役は髪を帽子に入れてルンギ(男性の腰巻)姿...など、衣装もなかなか凝っています。

元々思春期の少女たちに、身体の変化や出産のしくみ、女性の権利などについての研修が必要、といったことから始まった少女グループですが、自分たちの新聞をつくったり、洪水のときガタガタになった道を直したり、小さな橋をつくったりと、村の中でのボランティア活動にも熱心な彼女たち。ポイラには今少女グループが16ほどありますが、このメグラ・クラブは比較的学歴の高い少女たちが多く、高校やカレッジに通っている子が大半。卒業後は教師になりたい、弁護士になりたい、警官になりたい、などと抱負を語ってくれました。
(そういえば最近、村の少女たちに警察官志望者がけっこういるんですよねー。警官志望の小学生の女の子に、なんで?と聞いたら、「テロリストをやっつけるの!」と言っていました...。)