ビーマン航空の新戦略
7月28日から31日までインドのコルカタに出張してきました。
ダッカからコルカタへは飛行機でわずか40分程度。一度飛んでしまえばあっという間です。ダッカとコルカタの間には30分の時差があるので、例えば8時にダッカを出た飛行機は8時10分にコルカタに着きます。
飛行機さえスムーズに飛べば、ちょちょいと行けるはずの距離なのです。
しかしながら、なかなか飛ばないのです、これが。
ダッカ -コルカタ間の航空便は、今のところインド国営のエア・インディアとバングラデシュ国営のビーマン・エアライン、バングラデシュの民間航空会社のGMGの3つです。GMGは非常に小さいプロペラ機なのでちょっと避けるとして、エア・インディアで行くか、ビーマンで行くか。できればエア・インディアにしたいのですが、これは毎日飛んでいないため、多くの場合ビーマンで行くことになります。
このビーマンが泣けてくるほどちゃんと飛んでくれないんです。
ダッカに赴任してから4回コルカタへ出張し、うち3回ビーマンを使いましたが、ほぼ時間通りに飛んだのは1度だけ。あとの2回は今回も含め、さんざんでした。
飛行機の数も少ないし、古い機体ばかりなので、そもそも現行のフライトスケジュールに無理があるんですよね。
今回は行きが5時間遅れ、帰りが3時間遅れました。たった40分の飛行のために、なんでこんなに空港で待たなきゃいけないのかと同行したプログラムオフィサーのサイフルと共にぼやくことしきり。こんな状況なので、ダッカからコルカタへ向かう日は、たとえ朝1番の飛行機であっても、午後にアポなど入れられません。2時間ぐらい遅れることはいつも覚悟しているのですが、3時間、5時間と遅れるとさすがにぐったりします。
今回の行きの飛行機は、最初時間通りにシートに座るところまで行ったのです。安全ベルトを締め、やれやれ今回は順調だと安心したところでアナウンス。「機体に不都合が生じたため、ロビーにお戻りください」。ああ、やっぱり今回もダメだったか。そして待つこと5時間。本や新聞を読むのにも飽き、私は空港の椅子で居眠りして落ちそうになり(朝一番の飛行機なので5時起きだったのです)、サイフルはひたすら隣のゲートに止まっている飛行機の窓の数を数える、という不毛な時間...。
しかし、今回発見したのは、どうやらビーマンが新しい戦略をとり始めたということです。それは、「とにかく待たされている乗客にまず食べさせる」ということです。飛行機が当分飛べないと決まったとたん(そもそもそれが決まること自体も遅いのですが)、「みなさーん、朝ごはんをおとりください」とか「ディナーをおとりください」とアナウンス。これは前にはなかったことです。以前はろくに食べさせてもくれなかったですから。
で、おかしいのは、乗客もいったん食事をするとあまりブーブー文句は言わないのです。お腹がすくと途端に怒りっぽくなるのは人間の自然な性癖。ですから、この「とにかく食べさせる」というビーマンの新戦略はなかなか的を得たものだと言えましょう。
5時間後、晴れて再び飛行機に乗り込み、ドアがしまった途端、機内からは乗客の拍手が。ああ、ビーマン。5時間遅れても飛べるというそれだけで拍手してくれる乗客のなんと温かいことか。
お隣のインドでは民間の航空会社が次々と参入し、スチュワーデスは若い女性の憧れの職業となりつつあります。この話を含め、次回以降数回にわたって写真入りインドシリーズをお送りします。