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夜中のアリ喰い

私はものぐさ者なので、コップにジュースを入れて飲んで、それをすぐ洗わずにテーブルに放置し、そこに30分後に水を入れて飲む、ということを平気でします。日本なら問題ないかもしれません。でもこれはバングラデシュではやってはいけないことです。

ものぐさ者の私は夕べ晩御飯をつくるのが面倒になり、残りもののおかずを温めたものと、最近日本からみえた方にお土産としていただいたカップラーメンで夕食を終わりにしました。よせばいいのにおつゆを全部飲んだので、夜中にひどく喉が乾き、午前2時にむくっと起き上がって、暗がりの中、寝る前に飲んだコップの水が半分残ってテーブルに置いてあったものをぐびっと飲みました。

ただの水のはずなのに、なんだか小さな種のようなイガイガするものが喉を通過していきました。あれ?と思って電気をつけてコップを見ると、ガーン、コップの外側も水の中も小さな蟻んこでいっぱいではありませんか。水を飲む前に入れたジュースの糖分が残っていたのか。この小さな小さな蟻は、ダッカではいつでもどこでも出没するもので、なんだか肌にかすかな異物感が...と思うとこのチビ蟻が這っている、というのはよくあることです。

さっき私が飲んだイガイガは蟻ちゃんだったのでした。若い頃ならここでキャー!と叫んで洗面所に走り、喉に指をつっこんで飲んだ蟻を吐き出そうとしたかもしれないのですが、今の私は心の中で「まあ、べつにあの蟻を10匹やそこら飲んだところで、なんともならないか...」とつぶやき、続いて「覆水盆に返らず、じゃなくて飲んだ蟻は吐けず、ってとこか」と独りごち、「でもまだ生きてるやつがいたらヤだからもうちょっとお水飲んどこう」と、お水(今度はきれいなの)をごくっと飲んで終わりでした。あまりの動じなさに自分で少し驚きました。わたしはいつの間に蟻を飲んでも平気なぐらいワイルドになったのかしら。

20代ぐらいの若い頃に比べて、最近は仕事の責任も重くなっているし、年をとった親の病気だとか、直面する問題も深刻になってきているはずなのですが、生きること自体はずいぶんラクになったよなあ、と思うことが多いです。その理由のひとつは「少々のことでは動じなくなった」ことにあるのでしょう。あと、若い頃はちょっとした失敗で「私はダメだわ」と思ったりしていたのが、この年になると「こんな失敗をしても動じないワタシはたいしたもんだ」と強引にポジティブな方向に持っていくのが習慣化しています。(そうなることで失ったものも少なくないと思いますが...)

失敗しても落ち込まない。でも失敗から学ぶ。それが大事なことですよね。(また同じことをして蟻を飲んだらただのバカよね)

そういうわけで、昔だったら夜中の2時にひとりの部屋で蟻入りの水を飲んだら「私ってなんて情けない女」と落ち込んでいたかもしれませんが、今の私は「アリぐらい飲んだって平気だもんね。明日はこれをブログのネタにしよう。」と思って安らかに眠りについたのでした。

そんなオトナにはなりたくない?そうかもね...。

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