ルバルくんの死
その悲しい知らせは土曜日の朝入ってきました。
金曜日の夜、ルバルくんが事故で亡くなった、というのです。
ルバルくんは、シャプラニールが現地NGOのオポロジェヨ・バングラデシュと共に運営している、ストリートチルドレンのためのドロップ・イン・センターにいつも来ている子どものひとりで、シャプラニールの会報でも紹介したことのある少年でした。
小さい頃、トラック運転手だったお父さんが亡くなり、お母さんの実家のある村で暮らしていましたが、ある日お母さんと一緒におじさんの家に行く途中でお母さんとはぐれて帰れなくなってしまい、それから様々な経緯を経てストリートチルドレンとなり、ドロップ・イン・センターにたどりついたのです。

ドロップ・イン・センターに来るようになってから、勉強や貯金も始め、子どもたちが最近上演した劇では、警官役の名演技で皆の喝采を浴びました。(写真右)年下の子どもたちの面倒見もよく、他の子どもたちからも人気がありました。まだ12歳そこそこの年齢でした。
そのルバルくんがどうして事故にあってしまったのか。
ドロップ・イン・センターのスタッフに聞いた話では、夜、走るトラックの荷台につかまっていて振り落とされたらしいのです。
なぜ、そんな時間にトラックの荷台につかまっていたのか。何をしようとしていたのか。今となってはわかりません。
やっと落ち着ける場所をみつけ、劇で自分を表現する楽しさも知り、これから自分の将来のためにがんばっていくはずでした。夢もあったでしょう。
持っている可能性をこれから開花させようという矢先のあっけない死が、残念でなりません。
ルバルくんはもっと残念でしょう。悔しかったでしょう。
新聞にも載らない、小さな少年の苦難の人生の終わり。
はぐれたまま、どこにいるかもわからない彼のお母さんは、まだ彼の死を知りません。
コメント
いつも、新鮮な情報をありがとうございます。
毎回楽しみにしています。
写真もすごくきれい!
でも、今回のニュースには何て言ってよいかわからない気持ちです。
一人の少年の死を悼むと同時に、きっと彼だけじゃなく、
こういう状況下におかれている子がたくさんいるであろうことも心に留めたいと思います。
投稿者: motoko | 2006年06月07日 10:35
motokoさんのおっしゃるとおり、悲しいけれどルバルくんのような子どもはきっとたくさんいるのです。青空教室やドロップ・イン・センターに来ている子は、私たちがアクセスすることができた全体から見ればごく一部の子どもたち。バングラデシュには数十万人のストリートチルドレンがいて、そのひとりひとりに苦難の人生の物語があります。この状況をどうやったら変えていけるのか、これまでの現場の経験をもとにもう一歩踏み込んで問題の根本にせまっていかなければ...といつも考えています。
投稿者: ふじおか | 2006年06月09日 04:04