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フェア・アンド・ラブリー?

脳みそに刷り込まれるほど、しょっちゅう流れているテレビCMってありますよね。無意識のうちにテーマソングが鼻歌に出てしまうような。

ここバングラデシュのテレビCMにもいくつかそういうものがありますが、代表格は美白クリーム、「フェア・アンド・ラブリー」のCMでしょう。この商品はその名のとおり、このクリームを顔に塗れば、肌の色が白くなって、きれいになりますよ、というものです。

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フェア・アンド・ラブリーのCMには、「スポーツ・キャスター編」「カリスマ美容師編」「しみが気になる女の子編」など何種類かあります。
例えば「スポーツ・キャスター編」は、学生時代からクリケットが大好きで、屋外の試合を観戦しては実況中継の真似ごとをしていた女の子(当然日焼けしている)に、母親がそっと「フェア・アンド・ラブリー」を渡す。それを塗っているうちに見違えるように明るい肌色になり、美しくなった彼女は、本物のスポーツキャスターになってテレビでクリケットの試合を中継し、それを見た母親が涙ぐむ、というもの。
ほかのバージョンも同じようなパターンで、肌の色が白くなって新しい人生が開ける、といったものです。雑誌にもご覧の写真のような大きな広告が出ています。

この「フェア・アンド・ラブリー」、ダッカでだけ売れているのかと思ったら、そうではないのでした。私がバングラデシュに来て半年もたたない頃、ダッカから車で4~5時間ほどかかるマイメンシン県イショルゴンジ郡のプロジェクト地に泊りがけの出張に行ったときのことです。

夜、私はここに事務所をおいて活動しているシャプラニールから独立したパートナー団体、COLIの女性スタッフ3人と他愛もない話をしていました。シャンプー何使ってる?とかそんな話です。化粧品の話になったとき、一番若いスタッフが言いました。「アパ、バングラデシュに来たんだから、化粧品もバングラデシュのを使わなくっちゃ。フェア・アンド・ラブリーがおすすめよ」

私は「フェア・アンド・ラブリー」はバングラデシュ製の化粧品ではなく、イギリスとオランダに本拠を置く多国籍企業U社の製品だと知っていたけれど、黙っていました。

1月にみんなで合宿に行ったとき、べつのパートナー団体の女性スタッフも、このクリームをせっせと顔に塗っていました。顔立ちも、肌の滑らかさも、十分にきれいなのに。毎日フィールドに出て日に当たりながら仕事する彼女たちが、懸命に美白クリームを塗っている様はなんだか切ないものがありました。

色白になりたい、という女性たちの願いは、バングラデシュでも、お隣のインドでも切実で、ほとんど強迫観念といってもいいほどです。肌の色が白いこと即ち美しいことのように言われ、若い男性は色白の女性と結婚したいと願い、息子をもつ母親は少しでも肌色が白い嫁が来てくれることを願う、そんな風潮があります。

そこにU社が目をつけたのは、企業の論理でいえば、大成功だったと言えましょう。肌が白くなりたくてしょうがない、効き目が現れなくてもいつまでも信じて塗り続ける、そんな女性が山のようにいるのですから。
でも、そうして「白いことは美しいこと」という強迫観念を上塗りしながら商売していくのは、あざといことだなあ、と私は正直思っていました。

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私が購読している英字紙、Daily Starには毎週金曜日、Star Weekend Magazineという雑誌がついてきます。先週号の特集は“Brown and Beautiful”。この記事を共同執筆した4人の女性ジャーナリストたちは、この国の「白い肌」信仰が、スキンクリームやローションの大きな市場を開く要因となっていることを喝破し、「4週間であなたも白い肌に」と謳うCMに疑問を投げかけています。

常々懸念していたことを記事にとりあげた女性ジャーナリストたちがいたことに、私はちょっと安堵しました。しかし、今日もスーパーへ行ったら、「フェア・アンド・ラブリー」の棚はすごい勢いで拡張中。「アーユルベーダ処方フェア・アンド・ラブリー」とか、「すいかエキス入りフェア・アンド・ラブリー」 とか、商品の種類も次々と増えているのです。よく売れているんでしょうね。


わがフィールドの女性スタッフたちよ。「白いことがきれいなこと」「もっと白くならなくちゃ」なんて、どうか思わないで。あなたたちは今のままで十分きれいなのだから。

(2006年5月18日)

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コメント

初めまして!
女性の美白への憧れは強いみたいですね。
インドネシアでも美白の為のグッズは大人気です。
彼等の感覚では“美白=美人”の傾向があるようです。

今月の17日、バングラデシュより12名の研修生が入国。
現在日本語教育に四苦八苦。
英語(私の場合、英語が苦手なのでこれが苦痛)は通じるので、英語と日本語のミキシングで会話をしています。

バングラデシュ事情を教えていただければとおもいます。

横畠さん、コメントありがとうございました。
私自身、かつて日本語教育に関わっていたことがあるので、ダッカ大学の日本語学科(協力隊員の方が教えられています)や、民間の日本語学校などもぜひ訪ねて事情をきいてみたいと思っているのですが、まだその機会がありません。

バングラデシュ人の学生たち相手に奮闘しておられる様子。バングラデシュの人たちは、歌や劇が大好きなので、授業にも歌や寸劇を取り入れると、きっと大張り切りで乗ってくると思いますよ。

私共が主として、接しているのが外国人研修生。
彼等は、研修生ビザで来日、職種にもよりますが1年後技能実習生に移行して労働者として(特定ビザに変更になります)2年間過ごします。
今回、広島の組合で受け入れたのが12名で、研修生制度の中の、団体管理型では第一号なのです。
この制度自身、いろいろな問題を内在していますが、全体としては良い制度だと私は認識しています。
現地での事前研修である日本語教育。
それが今からの差し迫った課題でしょう。

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