マタゴロム
ベンガル語の言い回しは、ときに日本語のニュアンスとよく似ているなあ、と思います。日本語にも「頭にくる」とか「頭に血がのぼる」という表現があますが、こちらでよく聞く面白い表現のひとつに「マタゴロム」があります。

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今日の話に関係ないですがポイラ村・STEP事務所の鍋とネコ
「マタ」は頭、「ゴロム」は暑い、または熱いという意味で、頭に血がのぼって熱くなってしまうのが「マタゴロム」な状態です。 怒って頭にきたときだけでなく、興奮してしゃべった後などもマタゴロムになりますし、根をつめて仕事をして煮詰まってしまったようなときも「マタゴロムになっちゃった」などと言います。
わがダッカ事務所のあるドライバーは自分に向けてか他人に向けてか「マタゴロムになりやすい人は車の運転には向かない」と言っていましたし、先日こちらのテレビドラマを見ていたら、かっとなった夫に向かって妻が、「ああ、お願いあなた、マタゴロムしないで」などと言っていました。
1月末のいま、ダッカ事務所では、現地の4つのパートナー団体と来年度のプロジェクト計画や予算について話し合いを重ねているところ。
ダッカの都市での新規事業やインドで始める予定の事業も加えると6つの団体と計画や予算について詰めなければなりません。
パートナー団体にはそれぞれやりたいことが色々あり、各団体の存続もかかっているので予算交渉はなかなか大変。しかしこちらも無い袖は振れません。
冗談みたいな多額の予算書を出してきたり、キャパシティーからいってちょっと無理ではないか、という計画を出してきたりする彼らと、どれだけ膝を割って話し合い、お互いそこそこ納得できるところまで歩み寄れるかが勝負どころです。
あまり駆け引きはうまくないし、駆け引きしている時間もないので、もったいぶった言い方はしないようにしています。心がけているのは、こちらの考えやリミットははっきり伝えつつも相手の立場に立って親身に考えること。
そしてなによりマタゴロムにならないこと、相手もマタゴロムにさせないことです。(でもばっさり予算を削られたパートナー団体の代表は夜眠れなくなったりしているようです。こっちも辛いけど、仕方ない…)
事務所長のようなマネジャーの仕事は私にとってここへ来て初めて取り組むものですが、この「いつでもマタゴロムにならない、マタゴロムになったところを見せない」ということが、単純ながら難しく、実はマネジャーとして一番大事なことかもしれないなあ、と最近感じています。
(2006年1月24日)