3)Water and Sanitation
仮設区域には給水タンクが設置され、定期的に給水車による飲料水の補給が行われている。トイレに関しては2〜4世帯に対し1つの割合で設置されている。元々あった井戸を利用できる世帯に関してはMONLARやTECHを含めNGO等による井戸の洗浄作業が行なわれている。井戸に関しては飲料水としての利用を再開するためには複数回にわたる洗浄が必要であり、また水質検査も行われるべきである。
各支援団体は次のステップとして、こうした生計手段の建て直しに向けての支援活動を実施しようとしているが、多くはボートの配給、ミシンの配給、といったモノの無償供与となっている。SEWALANKAでは小規模融資のアイディアも聞かれたが、まだ具体的には始まっていない。
また、一部NGOがCash for Workによる道路拡張事業などを行っている(GOAなど)。
MONLARのICT(Information
and Communication Devision)シャミラ(Shamila)氏とアローカ氏とハンバントタに向けて出発。プランテーションで働く若者たち約25名が、被災地での支援活動をするということで、その様子を見ることが目的だった。被災直後にカトマンズ事務所長の小松が訪れたときには交通規制が行われていたという海岸沿いの道は、壊れた家の残骸や木などの除去が終わっており、通行にはまったく支障なかった。コロンボを抜けて30分ほどしてモラトゥアという町に入ったところで、津波被害の後が現れた。その後も、道が海岸近くを走っているところでは道の両端とも家が跡形もないほど壊れていたが、後片付けが進んでいたようで、津波直後の生々しさはあまり感じられなかった。
昼過ぎにハンバントタ郡のアンバラントタに到着。MONLARのパートナー団体であるOPFMD(Organization
of Parents and Family of The disappeared概要については後述)事務所を訪問。しかし前日には到着しているはずのプランテーショングループはまだ来ていなかった。理由は交通手段の手配に手間取ってしまったということで、3,4日遅れてくるということだったが、こちらにその情報が知らされておらず、同行したシャミラやアローカも今回の訪問の目的を知らなかったことは、MONLARに対してきちんと抗議しておく必要がある。
3.津波復興と開発計画
津波がおきる以前からあった政府の開発計画である"Re-gaining Sri Lanka"が、今回の津波復興に乗じて進められられようとしていることに対する危機感を持っている。
海岸線から300m以内は家を建てさせないということだが、ホテルにはそこでの再建を許していたり、大規模な漁港を作る計画もあったりと、零細な漁師がますます貧困に追いやられていくという点が懸念される。
また、政府は1月3日、銀行や大企業の代表を主要メンバーとするTask Force for Rebuilding
the Nation (TAFREN)を立ち上げ、復興へ向けた取り組みを始めている。政府は、このタスクフォースがまとめるアクションプランに基づいて1月15日から具体的な復興作業を始める予定である。これに関しては、災害発生以前から長期にわたり議論が続いてきた大規模インフラ整備事業を、今回の災害に対して拠出が約束されているWB、IMF、JBICなどの巨額な支援金を元に政府が実施しようとしており、これが本当に被災者、特に所得レベルの低い零細漁民や農民などを生活復興に役立つかどうか、環境に対する配慮が充分になされているか、批判的に検討する必要があるとの声もある(MONLAR,
Alliance for the Protection of National Resources and Human
Rights (ANRHR))。また、巨額の資金が動くことから汚職に関するモニタリング機能を充実させる必要があるなどの提言もある(Transparency
International)。
3. シャプラニールの支援 シャプラニールとして今回の被災地、特に南アジアに位置するインドおよびスリランカへの支援活動の開始を決定した時点で、スリランカにおいては初動支援としてSEWALANKAへの資金提供を決定し活動費の一部を負担。また、非被災地から有志を被災地へ送り救援活動を行うというアイディアを持った、MONLAR
(Movement for National Land and Agricultural Reform)との協働を決定した。NGOや労組のネットワーク組織であるMONLARは、被災地を含めスリランカ各地にメンバー団体を持ち、私が現地を訪れた時点で既に支援活動を開始していたり、その意思を示している団体が十数団体あった。被災したコミュニティの中での助け合い、一般の人々や企業による寄付および食糧配布作業など、市民のボンラタリズムが緊急支援に大きく貢献している現状からみても、MONLARが基本的な考えとする「ボランタリズムの促進」は、時宜にかなったものと思われた。