<今後の課題>
4月中旬以降に始まるモンスーンによる雨期を前に、救援活動から復興支援段階へと移行しつつあり、全体的に落ち着いた状況にあるといえる。しかしながら、政府による中長期的な復興計画がいまだ策定されておらず、当面の仮設住宅建設しか具体的な活動がないことが、住民にとって大きな問題となっている。また、津波による被害がニコバル諸島方面に偏っていたことも、今後の事態をより不透明なものとしている。復興支援段階では、大手NGOの大半がニコバル諸島での活動を中心にする予定とのことだが、もともとカールニコバル島を中心に居住しているニコバリーの人々は、そのほとんどがChurch
of North Indiaというプロテスタント系のキリスト教会に属しており、その牧師を兼ねている族長が絶対的な権力をもつ閉鎖的な社会を構成している。こうした先住民族の社会に対して、外部者であるNGOなり政府なりが、どの程度中長期的な開発活動を実施していけるのかが、今後注目すべき点であると言える。
キャンプベル・ベイは島全体が平らだったことが、被害を甚大にした模様。いまだに行方不明者が5千人以上ともいわれており、被害の実態は正確につかめていない。もともと先住民族のほとんどがクリスチャンということもあり、その宗派系のNGO、Church
of North India が政府以外の組織としては唯一、活動を許されている。キャンプベル・ベイを含め、アンダマン&ニコバル諸島全体に大きな影響力をもつ、先住民族評議員会(Tribal
Council=正式名称は調査中)とも太いパイプをもっていることが重要なようで、この団体はそれもクリアしているとのこと。ただし、Prayasが現在、キャンプベル・ベイでの活動許可のとりつけに成功しそうな状況にあるため、今後はもう少し情報が入ってくる可能性はある。
島の人口は1万数千人と言われており、最大派閥はベンガル人(主にココナツ油や観光業等のビジネスに従事)。その他テルグ(漁民が中心)、ニコバリー、オンギ等がいるという構成。千数百人いると言われるニコバリーの集落も訪問禁止だが、Prayas
の活動地ということで、訪ねることができた。もともと群生するココヤシを乾燥させたもの(コプラ=ヤシ油の原料)を生活の糧にしていて、比較的豊かな生活をしてきた基盤があり、Church
of North India(ニコバリーの帰依する宗団、ここのビショップがトライバル・カウンシルのメンバーに入っているらしい)と政府の支援もよく行き届いていた。自宅の再建も、自分たちの力ですでに開始されている(仮設住宅は生活スタイルが異なるため、拒否している)。