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菅原駐在員(バングラデシュ)

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2012年02月09日

劇的!石けん工房ビフォーアフター

絶賛売出し中のSHE石けん。久しぶりに生産工房を訪問してきました。

シャプラニールがJETROさんから助成を頂き、太陽油脂さんと「Sell the Challenge」の専門家の方々のご協力を得つつ、MCCとタッグを組んで「SHE」ブランドの石けん開発に取り組み始めたのが2010年の夏ごろのこと。あれから1年8ヶ月ほど経ったことになります。

わずか2年足らずながら、生産マネージャーのモチベーションの高さも相まって、この期間中に生産者サイドに生じた変化は劇的と言っても過言ではありません。昨年末にマネージャー2名が訪日して太陽油脂さんの生産工場や百貨店の売り場を見学してきたことも大きな要因です。

百聞は一見に如かずということでこの20ヶ月の間にどのような変化があったのか、石けん作りの工程とともにご紹介してみたいと思います。

まずは石けん工房の様子から。こちらは以前の工房です。
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そして現在の工房。
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かなり広くきれいになりました。また石けんを作る場所、乾燥させる場所、出荷前の仕上げの場所、化粧箱を作る場所がそれぞれ独立した造りになり、作業効率も上がりました。

前は借家でこぢんまりした生産体制でしたが、今は自前の土地に移転して広々。その敷地に石けん工房のほか、MCC事務所、託児所、研究開発施設まで全部揃いました(工房以外は目下建設中)。しかもドイツ製の太陽光発電設備も導入予定。半端な投資ではありません。沢山の方々のご協力のお陰で商品化・販売まで漕ぎ着けることができたからこそ、彼らも腹を決めてくれた側面もあるのですが、それにしてもこの決断力と実行力は見事です。

新工房は今や土足厳禁。専用のサンダルに履き替えないと入れてもらえません。
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さて、石けん作り開始。まずは各種オイルを計量しつつ、苛性ソーダの水溶液を作ります。
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実はコレ危険な作業なんです。苛性ソーダの粉と水を混ぜたとき、化学反応で70~80℃近い高温になると同時にガスが発生します。また、水溶液自体も目に入ったら失明する可能性がある上、皮膚に触れると火傷を起こします(皮膚を溶かすため)。以前は生産者に「危険な作業」という認識があまり浸透していませんでしたが、今は必ず換気扇の下で安全を確保しながら行っています。

次はオイルと苛性ソーダを混ぜて「鹸化(オイルが石けんになる)」を起こすプロセス。かき混ぜていると、透明だったオイルがこんな風になってきます。
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何というか美味しそうな色です。実際現場にはココナッツオイルや各種エッセンシャルオイルの甘い香りが漂っていて、工房というより調理場のような趣があります。
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以前は鍋を床に置き、しゃがんだ状態でぐるぐる混ぜていましたが、今は専用の容器があるので立ったままかき混ぜられます。この容器、MCCの「自作」です。かき混ぜ作業も当初7時間(!)かかっていたものが、太陽油脂さんの技術指導のお陰で今では1時間~1時間半ほどで済むようになりました。

「鹸化」が進んで固まり始めたら型(モールド)に流し込みます。
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以前は大きなビニールを敷いていたのですが、この方法だと固まったあと壁面に凸凹が残ってしまうため損失が多く出ていました。しかし今は固い下敷きのようなフラットな板を敷くことでロスが減りました。流しこむタイミングの見極めも難しいのですが、これも太陽油脂さんにご指導頂いたお陰でバッチリです。

型入れの後、1日待って型から取り出しカッティング。その後は3週間程度熟成させます。その乾燥室の状況もかなり変わりました。
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以前はとにかく手狭だったので、乾燥させるにも窓を開け放して天井のファンを目一杯回すしかなかったのですが、今では換気扇に加えエアコンも完備。またこれまで屋外保管だったパームオイル等の原材料もこの部屋で保管。保存品質もアップです。

また石けんの品質チェックの「品質」も改善されました。日本を訪れた2人が「日本で検品に力を入れるよりも、人件費の安いバングラで品質を確保したほうがコスト的に有利だ」と認識してくれたからです。20ヶ月前はいませんでしたが、今では品質管理のために人を増やし、生産者リーダー⇒スーパーバイザー⇒生産マネージャーと3段構えの品質管理体制です。

スーパーバイザーとして品質チェックするニルさん。真剣です。
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続いて品質チェックに合格した石けんを分けるニルさん。キュートです。
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同行されていたJETROダッカ事務所の安藤さんと2人で「カワイー♪」とはしゃいでいたのですが実は新婚さんだそうで...。ちょっとがっかり。

これら以外にも色々と変わったところはありますが、最も大きな変化は生産者のマインドの変化だと思います。例えばこの訪問の際、うっかり素手でラッピング前の石けんを手にとったのですが、「これは商品なんだから素手で触ったらダメですよ!」と"生産者の女性に"怒られてしまいました。20ヶ月前の生産状況を考えると本当に信じられない変化です。怒られたのに嬉しくて、ついつい笑顔になってしまいました。

バングラという国で品質を確保するのが難しい作業であることは間違いありません。しかし決して不可能ではないことが良く分かりました。バングラにおいても品質を左右するクリティカルファクターは設備等のハードウェアではなく、モチベーションというソフトウェアですね。

まだまだ改善すべき点はいっぱいありますが、何かこうわくわくします。がんばるぞー!!
  •  キーワード: バングラデシュ マイメンシン SHE 石けん オーガニック フェアトレード JETRO 太陽油脂 Sell the Challenge
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コメント

 菅原さん お元気そうで何よりです
SHE石鹸の工房の様子見て驚きました。バングラ現地訪問をご無沙汰してから4年余り経ちますが、TKA貨幣の価値も変わりましたし本当にバングラは全体的に向上したようですね。工房へ入るにも靴ではなくサンダルに履き替えるとか、託児所が設置されているとか、品質管理も3段階実施しているとか、その真剣な取り組みに感心しました。人は教える側も教わる側も一生懸命である事が物事の進歩を早めるようですね。チョッと以前は訪問先の手洗い場に貴重品のように小さな石鹸が鎮座ましていた国だったのに、今は堂々と世界に向けて販売するまでになったその技術。少なくともシャプラニールの貢献度のなせる技だと思います。菅原さん、私の居る所は今朝もマイナス2度で寒~かったですよ。温かい国バングラが恋しいです。これからもバングラのために精を出してください。
         楽しいニュースを ドンノバー
                  


[1] Posted by ハッピージュンコ : 2012年2月19日 11:32

>ハッピージュンコさん

いつもブログ見て頂いてありがとうございます。今回の石けん開発に関しては本当に目を見張るスピードで変わって行きました。ご協力頂いた専門家の方々も、パートナー団体のスタッフも、皆が当事者となり、一体となって惜しみなく協力、努力して頂いた結果だと思います。新工房に併設された託児所や事務所はまだ建設中なのですが、完成が楽しみですね。完成したらまたブログでお知らせします。
ちなみにバングラデシュは日に日に薄皮を剥ぐように暖かくなってきました。先週末辺りから日の高い時間帯ににファンを使い始めており、今くらいの気候が一番気持ち良いですね。ただ3月以降のことを考えると少々げんなりします…。
日本はまだしばらく寒い日が続くと思いますので、どうぞお身体お気をつけ下さい。

[1] Posted by すがはら : 2012年2月19日 12:23
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プロファイル

菅原駐在員菅原伸忠
(すがはらのぶただ)
2008年にシャプラニールに入り、2010年5月からバングラデシュに赴任しました。
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