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イラク攻撃に対するネパールでの反応

3月20日より始まったアメリカおよび同盟国軍によるイラクへの攻撃はネパール国民にどのように受け止められているのでしょうか。攻撃開始の翌日21日には学生連盟による集会がカトマンズ盆地内各地で開かれ、アメリカ国旗が燃やされる等の抗議活動があった他、石油危機を懸念した市民が一時パニックに陥り灯油やガソリンを求めてスタンドに長蛇の列を作りました。これに関しては政府が少なくとも1カ月間供給できるだけの備蓄があり、また通常通りの石油取引がなされていることを即日発表したことなどから翌日には落ち着いています。ただし、精製済み石油燃料の輸入元であるインドが原油の3分の2を湾岸地域からの輸入に頼っていることから、紛争が長引いた場合に将来的な石油不足もありえるとして、22日からガソリン、軽油および灯油の給油制限を設けると同時に、カレンダーの偶数日には偶数のナンバーの自動車(バイクも含む)しか走れない(奇数日は奇数ナンバーのみ)という規制を始めています。
以上のような動きはあったものの、一般的にはネパール国内の反応は比較的冷静だと言えます。何人かにインタビューしましたが、「攻撃が始まったのは残念だが、我々としては動向を見守るしかない」という意見が多く、その背景にはこれまでの数年間彼らがマオイストによる反政府活動に苦しめられてきたこと、そしてその紛争によって多くの犠牲者が生まれ今なおその犠牲者や遺族たちに対する対応が緊急課題となっていることが大きく存在しているものと考えられます。つまり、自分たちの身の周りに起きている問題が大きいために、対岸の火事を気にする余裕がないということでしょう。ネパール政府としては、湾岸諸国で働いている自国民の帰還を促したり、近い将来起こりうる石油不足に向けて対応策を協議するなどしていますが、今回の攻撃に関して直接的なコメントは出していません。一般的には、ネパールが今回の問題に対して持つ国としての影響があまりにも小さいため積極的な意志表明ができないのではないかと考えられています。
2003年3月23日
カトマンズ事務所長 小松豊明
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